一難去ってまた一難。
W不倫報道に先回りして離婚を電撃発表するという究極の封じ込め戦略で事なきを得たはずのジェフ・ベゾスCEOが、今度は局部を含むセクスティング写真をネタにNational Enquirer誌とその親会社American Media Inc.(AMI)に脅されている模様です。
脅迫の中身は、政治的動機による不倫暴露、AMIとその関連会社のハックへの関与を否定する声明を発表しないと不倫相手と交換したH写真を公開する、というもの。わざわざ政治圧力を否定させるのも妙な話だし、ベゾス氏はトランプ大統領やサウジアラビア政府など、自分に何らかの政治的な恨みを抱える筋が携帯をハックしてH写真を窃取せしめたのではないかと見ています(ベゾス氏はトランプ大統領が目の敵にしているWashington Postのオーナー。同紙はサウジ王子がトルコの大使館で暗殺したジャマル・カショギ記者の勤務先でもあった)。
いちおう不倫報道は、ベゾス氏のお相手のLauren Sanchezさんの実兄Michael Sanchez氏(トランプ好きなタレコミ魔)がNational Enquirer誌に情報を数千万円で売ったという話になっていますけど、ベゾス氏からの依頼で携帯ハックの犯人を調べていたGavin De Becker氏のチームは土曜、サウジによる不正侵入の線が濃厚であるとの見方をDaily Beastに発表しました。
理由としては…
1. AMIが「兄のタレコミ」を強調しすぎている
単独の犯行にしては高度すぎるらしい…。
2. 脅迫で「通信内容の傍受や侵入」のみならず「政治的な外部圧力」の否定を求めている
3. AMI会長はサウジ王子と親しい
National EnquireはサウジのMBS王子訪米でヨイショ臨時号(下)を全米に発行するほどのサウジびいき。親会社AMIのDavid Pecker会長は王子と1対1で面談したり、ホワイトハウスの対談に同席する仲。
Oh, nothing to see here - just an entire magazine of Saudi Propaganda, published by National Enquirer, on a drugstore newsstand in Oklahoma.
— 💯🌷🌺 (@postordinary) March 25, 2018
There are NO ads in the magazine. pic.twitter.com/vvnJwsAght
4. サウジ政府には強力なスパイツールがある
トロントのCitizen Labの調べでは、反政府勢力Omar Abdulazizさんが暗殺されたカショギ記者と交わした通信記録も傍受されていたことがわかっています。
5. サウジ資本のネガキャン部隊がベゾス氏をネットでずっと攻撃している
以上のことから「サウジがベゾス氏の携帯にアクセスし、非公開のデータを入手していたことはほぼ間違いない」とし、調査で知りえた情報を政府の捜査当局に提出してさらなる事実の究明を求め中とのことです。
まぁ、どれも状況証拠で、物証に欠けますが、サウジの関与が本当ならスキャンダルは国境を越えますね…。Reutersからの取材にサウジ政府はノーコメントでした。
世界一金持ちな男と世界随一の金持ちな国、その間に横たわる局部写真。いやぁ…。
Source: The Daily Beast