老化とともに高まる孤独を好む傾向、エクスタシーが思春期のような社交性をもたらす。マウス実験で判明

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
老化とともに高まる孤独を好む傾向、エクスタシーが思春期のような社交性をもたらす。マウス実験で判明
Image: British Pest Control Association/ProFlowers/Ryan F. Mandelbaum(Flickr)

MDMAが秘める可能性。

若いときの脳は、柔軟に周囲からの影響を吸収し、それによってドンドンと自らを成長させていくと考えられています。しかしながら、だんだんと年を取ると、新たな環境への順応性適応能力が下がり、頭が固くなっていくのは仕方ないことともされていますよね。でも、再び柔らかい頭になって、若く吸収力をアップさせられるとしたらどうでしょう?

このほど総合科学ジャーナルの「Nature」において、ネズミにエクスタシーとして知られるMDMAを投与すると、年老いても社交性が格段に高まるとする研究結果が発表されました。14の年齢層に分かれたネズミを、ほかのネズミたちとともに育てた後、突如として別の環境へ移します。1つは完全に孤立した部屋で、もう1つは新たなネズミたちとの社交活動を楽しめる部屋。どちらの部屋を好むかで、ネズミたちの社交性をテストしていく手法が取られたそうですよ。

その結果まず、思春期には社交性を活発に学ぶ臨界期が存在することが実証されます。発育成長過程にあるネズミたちは、一様にして、別の新しい仲間を求める社交性を強く示し、わざわざ孤立した部屋を選ぶことはありませんでした。一方で、思春期を超えて老いていく過程にあるネズミたちは、社交活動に強い興味関心を示しませんでした。

ところが、年老いたネズミたちにMDMAを投与すると、その強い影響が落ち着く48時間が経過した後も、まるで思春期のネズミたちのように、社交性を強く求めるようになると判明。オキシトシンのホルモン分泌を強制的に高めるのと同様の効果が見られ、再び社交性発達臨界期に入ったような傾向を示すようになったんだとか。

たとえば、多くの心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者は、すでに臨界期を、はるか昔に終えてからセラピストのもとを初めて訪れ、その症状ゆえに、セラピストに心を開いて治療を受けることすら困難となっている。もし社交的な活動を強く欲する状況へと、再び戻すことができるとしたらどうだろうか? MDMAが、サイケデリック療法で効果的に用いられている理由を明らかにした実験結果だとも考えられるだろう。

今回の研究チームを率いた、ジョンズ・ホプキンス大学のDepartment of Neuroscience and Brain Science InstituteのGul Dolen助教授は、このように語っています。MDMAに、PTSD治療薬として、社交性の改善といった効果が期待されていることには、十分な根拠があると実証されたばかりか、まるで若いころの活発な社交活動へといざなうきっかけに、MDMAが貢献する可能性も示唆されていますね。あくまでも、今回の実験対象はネズミで、しかもほとんどがオスだったことから、まだまだ継続的な研究が必要と思われますが、老化現象を逆行させる効果の解明などにつながっていったらよいですよね~。

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