シリコンバレーの非公式制服Patagoniaベスト。Patagoniaがついに減らすって

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シリコンバレーの非公式制服Patagoniaベスト。Patagoniaがついに減らすって
VCあるあるルック(写真はUber CEO ダラ・コスロシャヒ氏) Photo: Drew Angerer/Getty Images

あーいるいる、パワーベスト。シリコンバレーのお金持ちってなんでこんなにベストが好きなんでしょうね。

「見てごらん、俺は(税金以外)金に糸目はつけないんだぜ」と全身が叫んでるパワールックはどの地方にもあります。ワシントンD.C.は良くも悪くもスーツです。でもシリコンバレーはなぜか「シャツにPatagoniaベスト」。これが、世界中のフィンテック界隈に広まりつつある状況なのです。

そういえば、ちょっと前にこんな写真もバズりましたっけね…。

左)本だけ売ってた昔のジェフ・ベゾス 右)空気以外なんでも売る今のジェフ・ベゾス

Patagonia(パタゴニア)は無論、すばらしい理念の企業なので支持したくなる気持ちはわかります。ただ、Google本社のあるマウンテンビューからウォール街のお金持ちが住むNYミッドタウンまで、ベストだらけになっちゃってる今の異様な流行りようには、Patagonia自身も戸惑ってるようで、ある金融会社が企業ロゴ入りベストを頼んだらとうとう丁重に断られてしまったようですよ? こんな回答を広告会社役員Binnas Kimさんがツイしてます。

Patagoniaは御社のクライアント、金融業界に異を唱える意図は毛頭ありません。ただ単に、共同ブランディング部門を通して現在マーケティングを展開中の業域とは異なるというだけです。過去にお受けしたこともありますが、Patagoniaブランドが現在本当にフォーカスしたいのは、ブランドと親和性が高く、志を一つにする小さなコレクションとの共同ブランディングです。つまり、当社デザインのギアと関連するアウトドアスポーツ、再生オーガニック農業、環境保護運動からの発注にもっと力を入れたいと考えています。

さらにBuzzFeed Newsにはこんな公式コメントも。

最近、Patagoniaは他業種の企業、非営利団体、その他の組織への営業に戦略転換を図りました。ロゴ入りベスト受注プログラムも、認定Bコーポレーション(環境・社会に奉仕する企業)、 1%フォー・ザ・プラネット加盟企業など、地球を第一に考える理念に基づく企業をパートナーとして増やしていきたいと考えています。すでにご利用いただいている法人のお客様につきましては特に影響はございません。

政治家に会うときもPatagoniaベスト

ベストを着るだけで、理念を支持している地球民の誇りと目的意識が表現できる…ということなんでしょうね。世界に開かれた窓。

シリコンバレーには数年前に引っ越してきたんですけど、それまでNYにはパワーベスト着てる人なんてひとりもいませんでした。それが今やマンハッタン・ミッドタウンは右も左もパワーベストだそうですよ? どうなっちゃってんでしょうね。あんなの着るぐらいなら(パンツも履かないでブログしてる今の)自分の恰好のほうがまだいいです。もっとシャキッとしようぜ、アメリカ人。

それにしてもここ、サンフランシスコ・ベイエリアに初めて来たときにはカルチャーショックでしたね。西海岸のエリートのファッションはほぼイカれてるって話は聞いてたけど、噂は本当だった…。

ある大物ベンチャーキャピタリストも、ミーティングで通信業界とサイバーセキュリティ業界の投資の話をしているときには白のボタンダウンとベージュのスラックスでよくある無難な服だったのに、会議が終わったら急にPatagoniaベスト着てあたふたと駆けていったんです、次は上院議員とアポがあるとかで。Patagoniaベストを着れば、ワンランク上の黒幕会議のパワールック完了だと思ってる。

いやもう、ここまでくると調子に乗って企業ロゴ入りベストをつくり過ぎてしまったPatagoniaのせいばかりとも言えません。もはやコントロール不能です。気が済むまで出世街道をPatagoniaベストで駆け上ってもらうしかない。そういうのから自然に逃げるPatagoniaブランド、拝金主義から地球を守るPatagonia、な~んて言ってるからアクセサリに使われるんでありますよ。

企業ロゴ入りのPatagoniaベスト全部束ねて、シリコンバレーのVCが集まってるサンドヒルロードで燃やしたら、地球にむちゃくちゃ悪い灰になりそうだ…とポエムになったところで本日はさようなら。

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