ウワサの縦横比 21:9 です!
ひょろっと縦に長いデザインが印象的なこちらのスマホは、ソニー(Sony)のXperia 10/Xperia 10 Plus。じつはこの長さがグッとくる場面があるようです。米GizmodoのSam RutherfordがXperia 10/10 Plusの魅力と改善点を"冒険記"としてつづっています。
ここのところ、スマホの画面はどんどん大きくなってきていますよね。そんな中、ソニーは、縦長(あるいは横長ともいえる)という独自路線を切り拓くことにしたようです。
新たにリリースされたXperia 10、Xperia 10 Plus (それから、来たる Xperia 1)は、約5万円以下で手に入る格安〜ミドルレンジスマホです。21:9という縦長のスクリーンを実際に使ってみると、スマホの日用的な使い方に、ちょっとした変化が起きることがわかりました。
Xperia 10/Xperia 10 Plus

これは何?:ひょろっと縦長な格安? ミドルレンジスマホ
価格:Xperia 10は350ドル(約3万9000円)、10 Plusは430ドル(約4万8000円)
好きなところ:スリム、とっても縦長な画面、頑丈なメタルボディ、なめらかなデザイン
好きじゃないところ:バッテリー寿命の短さ、モノラルスピーカー、チップがSnapdragon630(Xperia10だけね)、コスパは微妙...
まず注目したいのが、スマホの持ち方。とくにXperia 10のほうは、iPhone SEや昨夏モデルのXperia Compactsのような小型スマホに似た持ち味があります。でも、もちろん小さなスマホとは違って大きな画面を楽しめるのがポイントです。
ベゼルもスリムダウンしていますが、8MP内側カメラのあるトップ部分のベゼルは大きめにとられています。縦長であるがゆえに、画面上まで指を伸ばすのが遠くて通知を確認しづらいという新たな問題も...。
でもご安心を。ソニーはサイドセンスバーという解決策を用意していて、画面のサイドをダブルタップするとよく使うアプリやクイック設定、通知トレイなどを表示できるようになっています。画面の上部までイチイチ指を伸ばすのは面倒ですからね。

ただ欲を言うと、Samsung や LG のように指紋センサーをスワイプダウンして通知を表示させる機能を採用しても良かったのかなぁとも思います。というのもそのほうが、スマホを片手で持っているときに休んでいる指を使って簡単にスワイプできる気がするからです。
ちなみにXperia 10、10 Plusの指紋センサーはサイドにあるのですが、このあたりがちょっと厄介であったりもします。
Xperia 10のサイドは、電源ボタンと音量調節ボタンが周囲とほぼ同じ高さになっています。もちろんしばらく使えば慣れたのですが、手触りでたしかめるのが若干難しくてすぐ慣れるものではなかったです。
21:9画面は映画にピッタリとフィット

続いて、画面について。Xperia 10の6インチ、10 Plusの6.5インチ画面でもっともすばらしいのは、やはり実際の横長比率のワイドスクリーンでコンテンツを視聴できること。クロッピングもレターボックスも必要ないのです。
ネット上にある多くのコンテンツは16:9なのですが、ネットフリックスやAmazonプライムなどのストリーミングサービスでも、特に映画は21:9再生に対応しています。すべての動画がそうだとは言いませんが、たまに比率が合ってないなーっていう動画もあるんですよね。
ソニーはゲームメーカーともタッグを組んで21:9スクリーン対応を拡大させようとしているようです。いまのところ、『MARVEL ストライクフォース』のみが対応しているみたいですが...。もちろん動画再生だけでなく、撮影も21:9です。これは良い!...のですが、Xperia 10のほうに限って言うと画質にもう少しこだわってほしかったと思っています。
たとえば、Motorola(モトローラ)最新の格安スマホMoto G7の19:9ディスプレイと比較するとその差はじわじわ見えてきます。ちなみにMoto G7はXperia 10よりも50ドル〜130ドルほど安価なんです。








Xperia 10だけホワイトバランスがちょっと変?
明るいところでの撮影は、Xperia 10もMoto G7も大差なくキレイに撮れます。ただ問題なのは、太陽光下でのXperia 10のホワイトバランスは少し妙で、黄色がかってしまうのです。軽いセピアのようなビンテージ感のある仕上がりになるのですが、それもXperia 10のみで10 Plusは問題ないのがまた不思議なところ。
撮影後に、カメラアプリ内で色温度の調整はできるようになってはいるのですが、いちいちやるのは面倒ですよね。この点についてソニーに質問を投げかけているので、返答があり次第アップデートしたいと思います。
いっぽう、薄暗い場所での撮影はMoto G7と比べて格段に良いです。夜、レストランやバーなど低光量の撮影条件でも高画質なのが嬉しいところ。また、G7にはない機能でいえば、Xperia 10 Plusには2倍ズームレンズが搭載されています。









コスパモデルだけどライバルと比べると高額
性能に着目すると、Qualcomm Snapdragon 630プロセッサ搭載のXperia 10は少し頼りないと言わざるを得ません。「Geekbench 4」ベンチマークでも、Xperia 10 (スコア4049)はXperia 10 Plus(4945) に比べて約20%、Moto G7 (4624)よりも約15%低いことが明らかになっています。これは毎日使うなかで、特に複数のアプリを切り替えたりゲームをプレイしたりするときに気になります。
もうひとつ残念なのが、Xperia 10も10 Plusもバッテリー寿命が短いこと。電源が切れるまで動画を再生するテストを実施したところ、Xperia 10は8時間39分、Xperia 10 Plusも9時間18分しか持ちませんでした。ちなみに同じテストで、Xperiaより安価なMoto G7でも9時間29分という結果だったのでちょっとこれは見過ごせないところでもあります。

縦長の画面はユニークで、小さなスマホのように持ちやすいので好感がありました。それにAndroid 9対応であること、簡単に取り外しができるSIMトレーはmicroSDカードスロットつきで、上部にあるヘッドフォンジャックも、Xperia 10 Plusのステレオスピーカーも...便利なものや必要なものはすべて揃っています。
ただ、Xperia 10の性能しかり、バッテリー寿命に関しては10 Plusもそうですが、コスパでいえばMoto G7のほうが評価できるかもしれません。すでに格安~ミドルレンジスマホではありますが、それでも定価で買うにはコスパを実感できるか微妙なところです。
メモ
- ・6インチのXperia 10が であるのに対して、10 Plusはそれよりも大きめの6.5インチ。大きな違いは、10 Plusには2倍ズームレンズ、ステレオスピーカーがあること。
- ・どちらも、バッテリー寿命は短い。
- ・Xperia 10のカメラ撮影にはホワイトバランスに問題があって、太陽光の下では黄色がかってセピア風になる。
- ・とても長い21:9の画面は一見すると妙だけど、これこそがXperia 10の良きところでもある