イスラエル初の民間月面探査機、無念のクラッシュ

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  • author 岡本玄介
イスラエル初の民間月面探査機、無念のクラッシュ
Image: Israel To The Moon/Twitter

墜落しても偉業を成し遂げています。

2011年に設立されたイスラエルの団体SpaceIL。彼らが作った月面探査機「Beresheet」が、SpaceXのファルコン9ロケットによって宇宙へと打ち上げられたのは2月後半のことでした。

「Beresheet」は地球から真っ直ぐ月に降り立つわけではなく、月の周回軌道をグルグル回りつつ、徐々に近付いて着陸する予定でした……が、なんとこの着陸が失敗してしまったのだそうです。

ars TECHNICAによりますと、「Beresheet」は月面の上空約10km付近でメイン・エンジンが故障。そのまま秒速130mで墜落してしまったというのです。

ちなみにですが、イスラエルのSpaceIL基地では、日本時間の金曜日午前3:45から着陸に向けて生配信をしており、開始からしばらくは皆さん朗らかな様子でした。

Video: SpaceIL/YouTube

この映像は着陸の40分前までのことなので、失敗したあとの皆さんの様子はわかりません。

公式ツイートの数々

一方、SpaceILの公式Twitterアカウントでは、まず墜落前の上空22km地点で撮られた写真を公開。このときはまだ順調でした。

そして一夜明け、墜落したことが判明してもなお、前向きなツイートをしています。

昨夜の件について:軟着陸は出来ませんでしたが、月へは行けました。これは驚くべき達成です。たったの7カ国しか月の周回軌道に突入していないのです。Beresheetは、この旅に出た初の民間宇宙飛行船でした。それが宇宙旅行を永遠に変えるのです

とても前向きですね。最初はGoogle Lunar XPRIZEというコンテストに参加するべく、開発されたのがきっかけだった民間の探査機が、ここまで辿り着けたこと自体が快挙なのです。

墜落直前のデータを解析

続いて、彼らは墜落について詳しく分析結果をツイートしています。

チームが集めた予備的な技術的情報によると、最初に問題が起こったのは地上14km地点でした。150m地点でBeresheetの接続が失われ、そのときは500km/hで落下中であり、衝突は避けられない状態でした

続いてのツイートがこちらです。

私たちの技師たちが考えるに、機材のひとつに技術的なバグが起こったため、メイン・エンジンが停止してしまい、機体の落下速度を遅めることが不可能になってしまいました。エンジンが再起動したときには、まともに着陸するには速度が速すぎたのです

とはいえ最終目的は果たせたのかも?

「Beresheet」はもともと、低重力の月面を飛び跳ねて、月がどのように形成されたかを理解するべく、写真を撮りつつ磁力計で局所的な磁場を測定することが目的でしたが……実はもうひとつの任務を帯びています。

それは、タイムカプセルも兼用していて、中にはデジタル・データになったWikipediaの全5000万ページ、聖書、子供のお絵描き、ホロコーストの生存者の想い出、イスラエルの国家と国旗と、独立宣言が保存されているのです。探査任務が終わったら、そのまま未来永劫、月面に置き去りになる予定だったのです。

なのでもし中身が飛び散ったりしていなければ、今後はタイムカプセルとしての任務を全うできるはずです。是非ともそうであって欲しいですね。

Source: YouTube via ars TECHNICA, Twitter

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