フォロワー数150万のイラストレーター イリヤ・クブシノブさんに使ってるペンタブのことや映画『バースデー・ワンダーランド』キャラデザのことを聞いてみた

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  • author ヤマダユウス型
フォロワー数150万のイラストレーター イリヤ・クブシノブさんに使ってるペンタブのことや映画『バースデー・ワンダーランド』キャラデザのことを聞いてみた
Photo: 小原啓樹

絵描きにとって、日々のクリエイティブを支えるツールといえば?

SNS全盛期な昨今、何が身近になったかって良質なイラストですよ。タイムラインを潜るだけで美麗なイラストの数々が目に飛び込んできますし、昔のようにバナー巡りとかポータルサイト巡りをしなくてよくなったのもSNSパワーだよなぁと思うこの頃。相互リンク、懐かしい。

良い時代になったといえば、絵を描くツールもそうです。液晶ペンタブレット、通称液タブ。昔はウン十万円もした絵描きにとってのポルシェ的なガジェットだったのが、今では6万円台のお手頃価格に。iPad Proのようなタブレットのおかげか、ディスプレイに直接描くって体験もわりと普遍的になった気がします。

それはさておき、イリヤ・クブシノブ(Ilya Kuvshinov)さんというイラストレーターをご存知でしょうか。あるいは、ネットや書店でこんな感じのクールなイラストを見かけたことは?

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‪Thank you for being with me in 2016!‬

Ilya Kuvshinovさん(@kuvshinov_ilya)がシェアした投稿 -

イリヤさんはロシア出身のイラストレーターで、現在は日本を拠点に活躍されています。数年にわたってInstagramに毎日(!)イラストをアップしており、そのフォロワー数は150万人以上。SNSでイリヤさんのイラストを見かけたという人も多いでしょう。最近はイラストの枠に留まらず、映画『バースデー・ワンダーランド』でキャラクターデザインにも抜擢されています。

今回はイリヤさんに、絵を描き始めたきっかけや来日してからのこと、イラスト制作に使っているツールのお話などをうかがいました。実際に描いている様子を収めた貴重な動画もありますよ。

イリヤ・クブシノブ(Ilya Kuvshinov)

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Image: イリヤ・クブシノブ/Twitter

イラストレーター。ロシア出身、日本在住。Instagramのフォロワー数は150万に達するなど、SNSで有名。4月公開のアニメーション映画『バースデー・ワンダーランド』でキャラクターデザインを手がけ、アニメに携わりたいという夢を叶える。

ロシアでも「ペンタブレットを買うならワコム」

── イリヤさんがイラストを描き始めたきっかけはなんだったのでしょう?

イリヤさん:子どもの頃って、みんな落書きするじゃないですか。私も4歳ぐらいの頃から絵を描いてたらしくて、それを見て両親が「アーティストになりそうだな」と言ってたみたいです(笑)。11歳からは美術学院に入ってデッサンなどを経験して、自分が好きなように描く楽しいイラストと仕事で描くイラストはぜんぜん違うんだなって、そこで初めて知りました。

── どのような違いを感じましたか?

イリヤさん:自分が描きたくないものでも描かなきゃいけません。美術学院では「別に描きたいワケじゃないんだけどなぁ」と思いながらリンゴや靴を描いていました。自由時間に自分の好きな漫画っぽい絵を描いてたら先生に怒られたりもしました。でも、絵はずっと好きでした。

── 昔はアナログ(紙とペン)で描いてたんですか?

イリヤさん:11〜21歳まではずっとそうですね、水彩とかアクリルとか。

── 初めてデジタルで絵を描いたのはいつでしょう?

イリヤさん:22歳のときで、2012年です。最初はアナログで描いた線画をスキャンして、デジタルで色を塗っていました。やっぱり色を塗るのがデジタルだと一番楽しいじゃないですか? それもあって、ゼロからデジタルで絵を描いたことはそれまでなかったです。

── はじめてのデジタルイラストでは、どんなツールを使ってましたか?

イリヤさん:最初に買ったのはワコムの「Intuos4」というペンタブレットでした。友達の家で「Intuos3」も触りましたけど、私が買ったのは4ですね。

── 僕もワコムのBambooを学生の頃に使ってました。イリヤさんがワコムのペンタブレットを選んだ理由はなんでしょう?

イリヤさん:ちょうどゲーム会社に就職が決まった時期だったんですが、そこではペンタブレットを使ってたので自分も買おうかなという感じでした。で、こういう話を絵描きの友だちとしたとき、やっぱりペンタブレットを買うならワコムだよねって。

── ロシアでもそうなんですね。どうして日本に来て絵を描こうと思ったのでしょう?

イリヤさん:ロシアではゲーム会社の次にモーションコミックの監督やデザイン、絵コンテの仕事をしていたのですが、そこでストーリーを作る面白さを経験しました。で、コミックのシリーズが終わってまたゲーム会社に戻ったのですが、コミックの経験が楽しかったのでゲームの仕事はもういいかなと思ったんですね。それで、コミックで経験したような仕事がしたくて2014年に日本に来ました。

── 日本に来たことで描く絵に変化はありましたか?

イリヤさん:ロシアにいた頃は、日本っぽい絵を描くときは日本の景色を知るためにGoogle Mapのストリートビューでスクショを撮ったりしていました。でも、実際に日本に来たら自分で歩いて写真を撮るようになりました。それは大きな変化でしたね。あと、日本のファッション雑誌がたくさん買えるので、とても勉強になります。

大画面の液タブだから早く描ける

──今使ってるペンタブレットは何でしょう? また、それを選んだ理由を教えてください。

イリヤさん:今は「Cintiq 27QHD」を仕事場で使っています。日本に引っ越して最初に買ったのは「Cintiq Companion」ですね。本体にWindowsが内蔵されているから、電車でも描いたりできるかなと思って。でもロシアの会社ではMacを使ってたので、Windowsになかなか慣れなくて…。なので「この次は大きなMacと大きな液晶ペンタブレットにしよう」と思って、今使ってる27インチを選びました。やっぱり画面が大きいのは良いですね。

── 画面が大きいと作業効率や使い心地はどう変わりましたか? (注:Cintiq Companionは13.3インチ)

イリヤさん:画面が大きいと、いろいろと表示させて同時に見渡せるのが便利です。必要なブラシやヒストリー、カラーをすべて表示して、アクセスしやすくしておけば、仕事も素早くなります。実際に描くスペース(キャンバスの面積)はそれほど大きくしていないんですけど、いろんなツールから必要なものをスクロールなしですぐに選ぶためには大画面じゃないと難しいですね。画面上に参考写真も同時表示できますし、YouTubeで動画も流せますし(笑)。

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ブラシプリセットの数がスゴい、イリヤさんの作業画面。液タブはテスト用に持ちこんだ最新液タブ「Wacom Cintiq Pro 32」(自宅アトリエではふだん「Wacom Cintiq 16」を利用)
Photo: 小原啓樹

── こんなにブラシプリセットを大きく表示している人は初めて見ました…! キャンバスサイズは昔からこれくらいのサイズなんですか?

イリヤさん:そうですね。16インチだともう少し小さくなりますけど、そんなに気にはしてないです。ブラシツールは「あのブラシはどこだ〜?」ってスクロールする時間がもったいないですし、出しっぱなしにしておけば場所も覚えてきます。結果的に、仕事が早くなりますね

── お話を聞いてると、イリヤさんは作業スピードに結構こだわっていますね。なにか理由があるんでしょうか?

イリヤさん:やっぱりタイム・イズ・マネーですから(笑)。私の考え方は、10年ずっと同じ絵を描くより、毎日1枚ずついろんな絵を描いたほうが良い。毎日100%のクオリティじゃなくていいから、練習として自分のスキルが磨ければ良いと思います。ずっと同じ絵を描いてるとスキルが上がりません。上達のためにはスピードはとても大事です。

イリヤさんの手元動画
Video: ギズモード・ジャパン/YouTube

── Instagramに毎日絵をアップされてますものね。1枚描くのにどれくらいの時間をかけてるのでしょう?

イリヤさん:描き始めた頃はアナログの線画をスキャンしてやっていたので、1枚4時間くらいでした。今では1時間くらいですね。最近は毎日じゃなくてたまに休んじゃいますね。仕事があるとどうしても難しくて…。

ちなみに、「どうしていつも女性ばっかり描くの?」と聞かれることがあるのですが、その答えはシンプルです。私にとって、女性を描くのは一番難しいからです

── 毎日絵を描くのって、ほんっとうに大変だと思います…。

イリヤさん:もう慣れの問題だと思います。私、子どもの頃は歯を磨くのが苦手だったんですが、「まぁ仕方ないか〜」と思って毎日歯磨きしてたら段々と慣れてきました。絵も同じように「まぁ描くか〜」って感じです(笑)。あ、でも絵は歯磨きというよりご飯みたいな感じかも。「今日も食べないと!」というほうが近いかもしれません。

── なるほど。ご飯なら、1回くらい抜いても大丈夫かなってところはありますね。

イリヤさん:そうですね(笑)。

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メインPCはiMac Proで、サブとしてiMacも。中には過去絵がたっぷり
Photo: 小原啓樹

── 日本に来てから創作の上でチャレンジしたことはありましたか?

イリヤさん:イラストだと色の置き方やデザイン、リアルな目やアニメっぽい目など、実験的に描き方や画風を変えています。これは私の画集を見るとわかりやすいかもしれません。ページごとに描き方が違っていたりするので。

── 塗りを変えるのって絵描き的には挑戦だと思うのですが、どうしてイリヤさんはいろんな画風を試しているのでしょう?

イリヤさん:やっぱり経験ですね。いろいろなことを試してスキルを磨きたいので。

── あれだけ多様だと「イリヤ・クブシノブは一人じゃない!?」みたいな反応もあるのでは…。

イリヤさん:昔エイプリルフールで「実はイリヤ・クブシノブは4人で描いています」とSNSにポストしたことがあるんですが、「やっぱり!」という反応がありました(笑)。

映画のキャラデザでもスピードが要求されるときはデジタル

── 最近では、原恵一監督のアニメーション映画『バースデー・ワンダーランド』の製作に、キャラクターデザインとして参加されていますね。拝見させていただきました。

イリヤさんがキャラデザを務めた映画『バースデー・ワンダーランド』は2019年4月26日公開
Video: ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

イリヤさん:おぉ、ありがとうございました。いかがでしたか?

── キャラクターの目がとても印象的だと感じました。こう、深みがあるというか。よくイリヤさんのキャラクターを動かせたなぁと素直に感心してしまいました。

── キャラクターデザインにあたって、一般的なイラストレーションのお仕事と違うところ・意識的に変えたところはありますか?

イリヤさん:『バースデー・ワンダーランド』のキャラクターデザインは基本的に紙でやっていました。でも、スピードが要求されるときにデジタルを使うこともありました。たとえば、あるキャラクターの三面図を描こうとしたら、デジタルの方が便利ですね。目や等身のサイズを合わせやすいし、ちょっとズレても歪みツールなどで修正できます

大事なのは諦めないこと

── 最近はSNSで多くのイラストを目にするようになりましたが、アマチュアでイラストを描いている人に向けて何かアドバイスをするとしたら?

イリヤさん:ソフトやツールを使いこなすのって難しいですし、絵を描くのだって難しいことなので、怖くなって辞めちゃう人もいると思います。でも、すべては経験です。ペンタブレットも使ううちに慣れてくるし、ソフトの使い方もネットで動画を見たりできるし、絵を描くのだって段々と上手になってきます。だからやっぱり、諦めないことですね

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超大型で角度も自由に変えられるWacom Cintiq Pro 32、触ったらそりゃ欲しくもなります
Photo: 小原啓樹

── お試しでワコムの最新液タブ「Wacom Cintiq Pro 32」を利用していただきましたが、今イリヤさんがお使いの「Cintiq 27QHD」と比べていかがでしたか?

イリヤさん:昔27インチのCintiq 27QHDを見たときに「コレが欲しい!」と思ったのと同じ気持ちになりました。

4Kだし描き心地も良いし、今までのペンタブレットで一番使い心地が良いです。4Kは今エンターテインメント業界のスタンダードなので、高解像度で作品を確認できるのは本当に助かります。メニューの文字も見やすいです。視差が随分少なくなったのも大きな進化ですね。

それと、Cintiq 27QHDのスタンドは回転できなかったのでソフトウェアでイラストを回転させていたんですが、Wacom Cintiq Pro 32はWacom Ergo Standを使って回転させられます。紙のように描けるのが好きです。これ、欲しいです(笑)。

── 最後に、今後さらに挑戦してみたいことがあれば教えてください。

イリヤさん:3Dモデリングや3Dアニメーションを勉強したいですね。ZBrushやMaya、Blenderなど、すごく興味があります。ZBrushはちょっと触れるんですけど、テクスチャーやリギングはまだ難しくて。ずっと2Dを描いてきましたけど、いつか3Dに挑戦したいですね


イリヤさんの日々の努力と現在のキャリアの影には、ワコムのペンタブレットがあった感じです。ロシアにいた頃で、愛用歴でいうと7年くらいでしょうか。

僕の周りでも、「ちょっと本気でイラストやってみるわ」と決心して、液タブをゲットした人が何人かいます。デジタルはアナログよりも手軽な分(発信もしやすい)、専門的知識やソフトウェア代などのコストも相応です。それでも「やる」というのは、やっぱりある種の決断が液タブには伴うのでしょう。そしてそれが、夢を叶える原動力にもなっている。

となれば、「ワコムの液タブ=絵を描く人が夢を叶えるためのガジェット」と言えるのかも。イリヤさんが素晴らしい絵を日々描いてるように、きっと今も世界中のクリエイターがワコムのペンタブレットを使ってるはず。本気の人に本気で応えてくれるツールって、ロマンがあるなぁ。

ワコムでつながる創作の輪、なんとも素敵ですね。プロ向けから初心者向けまでそろってるし、良い時代になったものです。

映画『バースデー・ワンダーランド』(4月26日(金) 全国ロードショー)

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Image: ©柏葉幸子・講談社/2019「バースデー・ワンダーランド」製作委員会

ストーリー

誕生日の前日−自分に自信がないアカネの目の前で地下室の扉が突然開いた。そこに現れたのは、謎の大錬金術師のヒポクラテスとその弟子の小人のピポ。「私たちの世界を救って欲しいのです!」と必死でアカネに請う2人。「できっこない」と首を振るが、好奇心旺盛で自由奔放な叔母のチィにも押され、アカネが無理やり連れて行かれたのは——骨董屋の地下の扉の先からつながっていた<幸せな色に満ちたワンダーランド>!クッキーが好物のクモやまん丸な羊、巨大な鳥や魚と、アカネたちとそっくりな人達が暮らすその世界は色が失われる危機に瀕していた。ここは、あらゆることを水から命を得ており、その不思議な国の色を守る救世主がアカネだと言われアカネは冒険に巻き込まれていく。一方、命の源の水が湧く井戸を破壊しようとするザン・グたちは着実に計画を進行していた。井戸の前で対峙したザン・グとアカネが下した人生を変える決断とは?一生に一度きりの、スペシャルでワンダーな誕生日に感動の冒険がいま始まる—!

キャスト・スタッフ等

出演:松岡茉優 杏 麻生久美子 東山奈央・藤原啓治 矢島晶子・市村正親

原作:柏葉幸子「地下室からのふしぎな旅」(講談社青い鳥文庫)

脚本:丸尾みほ キャラクター/ビジュアル:イリヤ・クブシノブ 音楽:富貴晴美

監督:原恵一

アニメーション制作:SIGNAL.MD

配給:ワーナー・ブラザース映画

(C)柏葉幸子・講談社/2019「バースデー・ワンダーランド」製作委員会


Source: Wacom (1, 2, 3), Instagram (1, 2, 3, 4, 5), ワーナー ブラザーズ ジャパン, Twitter, YouTube (1, 2)

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