1億年前の琥珀から、なぜかアンモナイトの化石が見つかる

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
1億年前の琥珀から、なぜかアンモナイトの化石が見つかる
Photo: Yu et al(PNAS 2019)

科学者たちの夢が広がる発見。

トップ画像に写っている琥珀色の塊は、なんと9900万年前のもの。もともと琥珀は木の樹脂が化石化したもので、ときに昆虫や鳥の羽といったような動植物の小片が含まれていることはあります。しかし今回発見されたのは、アンモナイトの殻。これ、とても稀少なケースみたいですよ。

ミャンマー北部にある琥珀鉱床からこの琥珀を発見したのは、中国、イギリス、アメリカの研究チーム。通常、絶滅した海洋の軟体生物アンモナイトの殻は、岩石の痕跡からしか見られないはずです。そのため、今回の発見には科学者たちも驚いているとのこと。

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Photo: Yu et al(PNAS 2019)
アンモナイト

琥珀の大きさは長さ2.5cm強、幅およそ0.8cm、重さは数g程度。アンモナイトのほかには、ダニ、クモ、ヤスデ、ゴキブリ、ハチなど、推定40以上の森林に生息する無脊椎節足動物が含まれていました。加えて、4つの海生巻貝の殻も入っていたようです。

アンモナイトは、白亜紀が終わり恐竜が絶滅した頃に絶滅した可能性が高い動物。土壌からアンモナイトが発見されると、岩石の年代を判断するうえで参考になるツールとして、科学的な研究にも役立てられてきました。そのため海洋古生物学にとっては象徴的存在です。余談ですがポケモンでも「オムナイト」として登場することから、その形状をなんとなく知っているという人も少なくないでしょう。

米国科学アカデミー紀要の機関紙に掲載された論文によれば、X線顕微鏡で撮像したところ、殻の直径は12mm、一部破損した状態であったことから琥珀になる前に死んでいたと考えられているとのことです。米Gizmodoの取材に対して「初めて見たときは、本物じゃないのではないかと思いました」と振り返るのは、研究に携わったニュー・ジャージー工科大学Phil Barden助教授。

ビルマ地域にある琥珀鉱床から採集されたこの琥珀のなかに含まれているアンモナイトの化石は、およそ1億年前のものであると考えられています。今回の琥珀にアンモナイトが含まれていたことで、「これまでの研究で不確かだった要素をクリアにさせてくれるかのようだ」とBarden助教授は言います。

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Photo: Yu et al(PNAS 2019)
琥珀から見つかった古代の海洋生物たち

でも、海の軟体生物であるアンモナイトは一体どのように琥珀に入り込んだのでしょう?

一般的に、琥珀に含まれるのは樹液付近にいた昆虫である場合が多く、アンモナイトが一緒に紛れ込んだのにはさまざまな偶然が重なったのではないかと考えられています。以前の研究によれば、ビルマの琥珀鉱床は海岸に生息する可能性がある針葉樹林からのものであることが示されています。おそらく近くの砂浜にあった殻を、樹液が覆ったのではないかという見方もあります。

科学者たちは、琥珀の鉱床にまだ何か発見されていないものがあるのではないかと期待を高めているとのこと。アンモナイトの軟組織が保存された琥珀も見つかるとなれば、さらなる大発見となるでしょう。

Source: PNAS

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