Safariが「ユーザー行動のトラッキングを防ぐ」ようになります

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • かみやまたくみ
Safariが「ユーザー行動のトラッキングを防ぐ」ようになります
Image: Nicole Lienemann/Shutterstock.com

トラッキングされるの生理的に無理なので期待したいですね。

インターネットの悩みの種、広告。気になるモノをググったら、広告が表示されてクリックすれば延々追跡される。ホント、目ざわり…。気持ち悪いです。

そう思いがちな昨今、Appleが発表した「広告は表示しつつもユーザーの行動を検索エンジンに共有しなくするSafariの新機能(開発中)」はいい落としどころに見えます。

ユーザーのプライバシーと広告の効果が気になる広告主の双方に配慮した機能

この新機能は「Privacy Preserving Ad Click Attribution」というそうです。ユーザーの個人的な行動はトラッキングしないようにする一方で、モノを販売するお店には広告がうまくいったか(ちゃんとクリックされたか)がわかるような仕組みになっています。

現状、ユーザーの行動は細かく共有・データベース化される

従来の広告によるトラッキングは、Cookieとトラッキング・ピクセル(後述)によって実現されています。たとえば、ある製品を検索エンジンで探せば、広告が表示されます。クリックすると製品の販売者のオンラインストアに飛ばされ、欲しかったアイテムを購入することになります。

販売者のサイトはその全過程でトラッキング・ピクセルを検索エンジンに返します。ユーザーがオンラインストア上でとった行動を正確に検索エンジンに伝えるのです。しかも、ほかのサイトも似たようなトラッキング・ピクセルを使っていて、広告をクリックした or しないといったユーザーの行動を検索エンジンに伝えます。こうして個々のユーザーの行動が自動的にデータベース化されていきます。データベース化される情報には、興味・関心、年齢、習慣、持っていると思われるお金などが含まれます。

Appleは「共有される情報量」を減らし、個人の特定を難しくする

Appleはこれに対して「多くの情報がサイト間で共有されることを防ぐ」というアプローチをとります。広告クリックに関連した情報は、広告を展開するサイト上に蓄積されるようになります。ざっくりいうと、広告主には「24〜48時間以内に、DogFart.comの広告をGoogle上でクリックしたユーザーが、DogFart.comで何かしらの商品をカートに入れた」といった形で情報が伝わるようです。

また、Safariからサイトに情報が送られるまでに24〜48時間のディレイがかかるようになります。ディレイをかけることで、ユーザーの特定が難しくなるのです。ディレイがあったとしても、広告主はコンバージョン(サイト上で取引を行ったユーザーの数)は確認できるため、自分が打った広告がうまくいったかどうかはわかります。潜在的な問題が発生していれば特定することもできるでしょう。

WebKitのブログによると、トラッキング・ピクセルのリクエストに対してもユーザーを特定するCookieは送信されないとのことです。

プライバシーは近年のApple最大の関心事

広告主がこれを喜ぶかというと…まぁたぶん嬉しくないでしょう。リアルタイムにユーザー個人の情報を得られなくなるわけで、特定のタイミングで特定の集団に対してターゲット広告を打つのが難しくなります。

なお、今回の試みはSafariにおけるプライバシー改善について当初Appleが考えていたものとはかけ離れています。今年の頭にAppleはSafariから「追跡しない」機能を「実際は効果がない」として削除しています。WWDC2018でAppleはIntelligent Tracking Protectionも紹介、ユーザーのオプトインのための24時間のCookieの保存期間を削除しています。今年のCESではプライバシーへのコミットを高らかに謳い上げていました(通常、CESではAppleの存在感はほとんどありません)。

すぐに、この新しい機能「Privacy Preserving Ad Click Attribution」はプレビュー版で利用可能になります。Appleはまた、W3C Web Platform Incubator Community Group(WICG)を通してこの方式をウェブ標準にする提案をしてもいます。

Source: Webkit via Engadget

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