初観測! プクっと形成される「砂の泡」

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
初観測! プクっと形成される「砂の泡」
重い砂の中で、軽い砂の「泡」が形成される。

まるで水の中に落ちる油の滴のように、異なる砂の中を動く「砂の泡」が初めて観測されました。

これまでの記事でお伝えしたように、小さな動く粒子の性質を理解するのは難しいことであり、私たちはいまだに砂のような物質について新しいことを学んでいます。最新の実験では、ある砂が異なる種類の砂の中で「泡」を形成するという、2種類の砂の相互作用が観測されました。このような顆粒状物質の動きへの深い理解が大きな成果につながるかもしれません。

興味深い「砂の泡」の動き

論文の著者であり、コロンビア大学の化学工学科のChristopher Boyce准教授は、2種類の砂のお互いへの動き方を研究する動機は「多岐にわたる」と語ってくれました。それは、建設業や調剤学、さらには代替エネルギーなどです。

実験は透明の長方形に入った、白い「重い」砂と黒い「軽い」砂で構成されました。黒い砂の方が白い砂よりわずかに大きいものの軽い粒子でした。機械が長方形を上下に振ると、空気が砂の中を通って上の方へ向かいます。研究者たちが観測したのは、軽量の黒い砂から成る粒状の「泡」と「指」が、重い白い砂の間を通って上と流れていく様子でした。



米国科学アカデミー紀要に掲載された論文によれば、その様子は「レイリー・テイラー不安定性」(軽い流体の上に重い流体がある際に、その境界面に凹凸などがあると流体に上下方向の流れが生じて不安定になる現象のこと)のようだったとか。こういった不安定性は、油の上に水を乗せた場合などに生じます。

しかし、「2種類の砂であって水と油ではないからこそ、この研究は興味深いんだ」とBoyce准教授は説明します。

工業環境で使われるかも

水と油は混ざらないものですが、この2種の砂は混ざっていきます。この場合、気体が軽い粒子の間を優先的に通って流れ、そして振動と合わさって、波のような形状に押し上げ始めるとコンピュータシミュレーションが証明しました。気体と軽い粒子の上へと向かう力が重い砂からの押し下げる力と組み合わさって、これらの波を指状に変化させ、それから「泡」をつまんでいきます。これらは気泡ではなく砂の「泡」です。科学者たちは気泡の形成を防ぐべく、慎重に噴流をコントロールしたとのこと。

単純なことのようですが、「2種類の顆粒状物質の境界面で「泡」の形成が目撃されたのは今回が初めてだ」とBoyce准教授は言います。

現実世界では起きないような非常に特殊な設定だと思われるかもしれませんが、同教授は「この現象は互いに反応するよう作られている化学薬品を混ぜるために工業環境で使われ得る」と語っていました。

研究チームは、他にはどんな流体的な動きが粒状固体に現れるのかを研究し続ける予定。新たな現象が見つかれば、何かしら応用する手も見つかっていくのでしょう。


Source: Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,

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