20万円以下で実際買う価値がある4Kプロジェクターは?

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  • author Alex Cranz and Raul Alexander Marrero - Gizmodo US
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20万円以下で実際買う価値がある4Kプロジェクターは?

まだ高い…けどなんとか買えそうな4Kプロジェクターでベストなのは?

テレビに比べればメジャーではないものの、プロジェクターを使うという人もそこまで珍しくなくなってきましたね。ただ、テレビに比べると依然高額なのは事実。そこで、高いんだけど絶望的なほどではない、そんな程よいレンジで画質が良く、セットアップが簡単なのはどのプロジェクターなのか?

米GizmodoのAlex CranzとRaul Alexander Marreroがテストしてくれました。


プロジェクターの購入はテレビよりも難しく感じます。テレビは家電量販店にでも行けば実物を見て、実際の画質を確かめることもできますし、買ったらスタンドに置いてケーブルを繋げば(キャリブレーションすることもお勧めしますが)すぐにセットアップも完了です。

しかし、プロジェクターではそうも行きません。照明も考えなければいけないし、正しいスクリーンの購入や焦点合わせもしなければいけないからです。では、破産しない程度に安くて性能のいいプロジェクターはどれなのか? 実際に検証してみました。

4Kプロジェクターは、探すだけの価値はあると思います! テレビは表示サイズが固定されていますが、プロジェクターならテレビサイズ(50インチくらい)にも、あるいは映画サイズ(100インチ以上)にもできます。また、プロジェクターとスクリーンは隠すことができるので、黒いモノリスが部屋のインテリアの主役にならずに済むという利点もあります。

プロジェクターが壁やスクリーンに映像を投影する方法は様々です。ハイエンドなプロジェクターはレーザーを使い、明るくて忠実な色を再現してくれます。しかしレーザープロジェクターはあまりに高額です。私たちが2000ドル(約22万円)以下のプロジェクターを探す時は、ランプの前に複数のカラーフィルターを通すことで投影するモデルを探しました。と言っても、これは構造の説明を大幅に省いたもので、実際にはもっともっと複雑で難解です。

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Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

安いプロジェクターの難点は、安すぎるものを買うと、映像の色が薄く、濁って暗いものになりがちなことです。だから、1000ドル以下のプロジェクターは決しておすすめできません。よほどのことがない限り、同価格帯のテレビの方がいいでしょう。

しかし、1000ドル~2000ドルのレンジであれば、素晴らしいモデルが5つあります。もちろん安いとは言えませんし、部屋にスペースがあるなら、同価格帯のテレビの方が良い映像を出せるでしょう。ですが、どんなテレビでも100インチの4K映像は出せません。

BenQ HT3550(1,500ドル、約16万6000円)、Epson 4010(1,800ドル、約19万9000円)、Optoma UHD60(1,800ドル)、ViewSonic PX272-4K(1,300ドル、約14万4000円)、Vivitek HK2288(1,300ドル)の5つは値段的に近いモデルです。これらの中でどれがベストかを調べるために、私たちは二つのことに注目しました:セットアップの簡単さと、キャリブレーションなしでの画質です。

セットアップが簡単なプロジェクターはどれ?

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写真はVivitek HK2288。プロジェクターのセットアップはホイールやノブなど、色々といじる必要がある。
Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

プロジェクターを面倒にしているのがセットアップの手順です。というのも、テレビ以上に部屋の照明が大切で、それにあったスクリーンも必要だからです。テストのため、すべてのプロジェクターは同じ暗室と300ドル(約3万3000円)のElite Screens esCinema Series 2で試し、可能な限り不確定要素を排除しました。セットアップのゴールは、プロジェクターを箱から取り出し、シャープでバランスの取れた映像に調節すること。そのためにはまず、スクリーンから適切な距離にプロジェクターを置き、スクリーンをできる限り完全に映像で埋め尽くせるようにします。次にプロジェクターの高さを正しく調節し、台形歪み補正(キーストーン)を行うことで映像を完全な長方形にし、最後にフォーカスを調節して映像をシャープにします。

いちばん安いVivitekとViewSonicに関しては、機能が必要最低限だったのは当然と言えます。上下の位置を調節するにはプロジェクターの脚のネジを外さないと行けないし、フォーカスを合わせるには分かりにくい場所にラベルづけされたノブを回さねばなりません。BenQはラベルが見やすく歪み補正の操作もより分かりやすいので、多少マシでした。

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Optoma UHD60。カメラのようにリングを回して焦点調節。
Photo: Raul Marrero (Gizmodo)

調節がもっとも楽しかったのはOptomaです。というのも、レンズの調節の仕方がプロのカメラっぽかったからです。ただ、それ以外の手順は他と同様で煩雑でしたが。

いちばん優秀だったのはEpson 4010です。他の候補と違い、Epsonはリモコンで調節可能です。つまり、ちょっと調節する度にいちいちプロジェクターの周りを動き回る必要がありません。置きたい所に設置したら、自分は普段観る場所に座って調節できるのです。

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Epson 4010
Photo: Gizmodo US

また、すべてが電子操作なので、いくつかの調節設定を保存できます。たとえばプロジェクターを部屋から部屋に移動させることが多いなら、それぞれの場所の設定を保存しておけば、ボタン一つで再設定が完了します。

勝者:Epson 4010

画質がいいプロジェクターは?

もう一つ考慮すべきファクターは、もちろん画質です。

一般的なテストではキャリブレーションを行った上でもっとも画質がいいモデルを探すのですが、プロによるキャリブレーションは高額です。スクリーンや本体の値段も考えると、そこまでしたいかどうか迷ってしまいます。なので、いっさい手を加えない状態の映像を比較してみました。

まず、それぞれのプロジェクターでもっとも良い映像のモード(シネマモード、ムービーモードなどの名前)を探し、次に色差計のSpectraCal C6、Murideo Six-Gパターンジェネレーター、そしてプロジェクターの明るさ、黒の質、色の正確さをテストするCalManソフトウェアを用意しました。これら3つの製品は連携して使用します。比色計はOLEDやLCDなどの光源からの出力と、照射されたスクリーンの明るさを計測し、カラースペースで該当する色と光の強さを調べます。計測されたデータはソフトウェアに送信され、明るさ、色相、彩度の詳細なデータが表示されます。その3つのデータはそれぞれZ、X、Y軸の位置情報として使われます。実際に表示された色が元の色からどれだけ違うのかを計測するためには、パターンジェネレーターを使ってクリーンなサンプルを表示させます。

私たちのテストでは特に色の明るさに注目しました。暗すぎるプロジェクターは色が鮮明でないからです。赤なら茶色っぽくなるし、青は藍色に見えます。色の正確さは色差(dE)で測ります。これは先ほど説明した3軸のデータを元に、実際の位置と理想の位置を比較する計算を行って算出されます。

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BenQ HT3550
Photo: Gizmodo US

dEの値が高いほど色は不正確になります。dEが5以上だと多くの人の目に分かるほどの差があり、3~5はほとんどの人にはわからず、3以下は専門のトレーニング(カラリストやキャリブレーター)を受けた人にしか分かりません。1以下の差なら、もうスーパーマンか色差計でないと違いは分からないでしょう。

初期の状態でキャリブレーション無しでは、どのモデルも 3以下は出せませんでした。私が行ったのは二つのテスト。まずは原色と二次色を5段階の明るさでテストする彩度スイープ、次は黒から白までのグレーを20段階にわけてテストするグレースケールスイープです。Optomaはそれぞれ6と7.4、Viewsonicは8.45と11.3、Vivitekは8.03と12.1でした。Epsonはグレースケールは6と健闘したものの、彩度では17.11でした。色相と彩度は忠実でしたが、光が強すぎました。アクの強い映像を出しましたが、正確ではありませんでした。これを疲れない絵にするにはキャリブレーションが必要でしょう。また、テレビのダイナミックモードのような青みがかった映像も気になりました。

結果として、もっとも色が忠実だったのは、色と明るさのバランスが良いBenQでした。

勝者:BenQ HT 3550

最終的な勝者は?

さて、残ったのはEpson 4010とBenQ HT 3550になりました。

Epsonはセットアップが簡単ですが、初期の状態では明るすぎます。それに、BenQに比べるとより大きくて目立ちやすいのも欠点です。BenQは初期の色はより良いし、ボディのデザインも小さくて魅力的です。しかし、セットアップの簡単さではEpsonの足元にも及びません。

私であれば最後の決め手は値段です。 BenQは安いだけでなく、映像の調節は少なくて済みます。ということは、プロに高いお金を払ってキャリブレーションしてもらう手間が省けるのです。確かにソファに座って調節することはできませんが、セットアップと焦点合わせの操作は難しくありません。

なので、2000ドルで買える手堅いプロジェクターは、BenQ HT3550に決定です。

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