クレイグ・フェデリギのシャツにも注目。
もうすぐWWDCですね。6月4日 午前2時(日本時間)から始まるキーノートまで、もう一週間切りました。 今年もギズモードはキーノートに合わせて、速報の記事をリアルタイムで公開していく予定です。
この記事をざっくりと…
・WWDCでは、iOS、watchOS、macOSなどのOS新バージョンが公開される見込み
・iOS 13は、ついにダークモードに対応? iPadのマルチタスキング機能などが追加される噂
・watchOS 6は「健康重視」のアップデートに注目。服薬管理アプリ「Dose」、月経管理アプリ「Cycles」の新アプリ追加か
・macOS 10.15は、iOSと横断したアプリ(Marzipanプラットフォーム)が拡充か
・新「Mac Pro」がチラ見せ?
・6K・31インチのApple純正ディスプレイもチラ見せ?
そもそもWWDCとは?

そもそもWWDCとは、Appleが年に1回開催している開発者向けのカンファレンス。毎年ここでiOSやwatchOS、macOSの新バージョンが発表されます。今年はマッケンナリーコンベンションセンターというホールにて、6月3日から7日まで開催されます。
そう5日間もあるんですね。我々がライブ中継でいつも見るのは1日目の1発目に行なわれるキーノート。これはいわば新OSや新機能の「もくじ」で、キーノート後に行なわれる「Platforms State of the Union」や、5日間のセッションでより深入りしたエンジニア向けの内容が説明されるというわけ。AppleのサイトからWWDCのスケジュールを見ると、キーノートが全日程のほんの一部ということがよくわかると思います。
では、この開発者向けのカンファレンス。開発者ではない我々ユーザーは、どこに注目して見ればいいのでしょうか?
iOSの見かた→「持続性」

ナンバリング通りいけば、今年のiOSは「iOS 13」でしょう。
今年の注目すべきポイントは、
「どれだけ多くのデバイスがiOS 13に対応するか」
ということ。
Appleは、今年の秋以降、たくさんの自社サービスをリリースします。たとえば3月に発表されたゲームサブスクの「Apple Arcade」や映像サブスクの「Apple TV+」がそうですね。Appleにとって、最新のiOSが動くデバイスを増やすことは、自社のサービスを安定して供給するための土台。自社サービスによる課金制ビジネスにシフトしようとするAppleにとって、いかに多くのデバイスにiOS 13を対応してくるのかは、今回の注目ポイントです。
ちなみに昨夜、iPod touchの新型がでましたね。かなりレガシーなデザインですが、これも、最新のiOSに対応したデバイスを増やすための施策だと読み取れます。
そのほか細かな新機能は、以下のようなことが噂されています。
・ダークモードの実装
・iPadでのテキスト入力のアンドゥ(やり直し)操作の追加
・Safariブラウザでのデスクトップモード表示の選択の改善
・設定アプリからのフォントの管理
・メールやプロダクティビティの改善(Pages、Numbers、Keynoteとサードパーティアプリとの連携など)
・リマインダーアプリの改善
・ボリューム操作UIの改善
・複数アイテム選択機能の改善
・スプリット・ビューでのステータスバーの表示変更
・「Hey Siri」の認識精度の向上
・キーボードの多言語対応やアプリからの印刷機能の改善
・iPadでのマルチウィンドウ機能
去年のiOS 12は、アプリ起動速度の向上など、OSを安定させるためのアップデートが多かったので、今年はそれによって後ろ倒しされていた「目に見えるアップデート」が多めになりそうです。
とくに、iPadのマルチウィンドウ機能が楽しみですね…。具体的な内容は謎に包まれているのですが、複数のアプリをよりスパスパ切り替えられる未来を楽しみにしています。
watchOS 6の見かた→「健康」

watchOS、もう6かっていう感じですが「watchOS 6」では、とくに健康・フィットネスにまつわる新機能に注目。
2015年から発売されているApple Watchは、今やロレックスやオメガなどの高級時計よりも売れている時計です。それはなぜか? 理由は単純で、ロレックスやオメガと真っ向から戦わなかったから、というのが大きいでしょう。
今年3月のThe New York Timesの報道によると、AppleはすでにApple Watchを威厳のあるファッショナブルなアイテムとして売りだす戦略を変更。当初、Editionモデルみたいな高級モデルもありましたが、ああいった路線よりも、フィットネスやスポーツを中心とした戦略にシフトしているそう。
つまり、フィットネス・スポーツ分野を軸に、人々がより時計を身につけたくなる体験をデザインしていくのがAppleの狙い。
すでに今のApple Watchでは、身につけておくだけで定期的に心拍のログをとり、平常時の心拍からずれた数値が続くと通知してくれる機能などがありますけど、今後はそういった「健康」の側面がより色濃くなるでしょう。
・服薬管理アプリ「Dose」
・月経管理アプリ「Cycles」
(どちらも仮称)
Bloombergによると、今年は少なくとも2つのアプリがローンチされる噂。その他、健康にフォーカスしたアップデートもあるかと思われます。
また、以下は細かいアップデートの噂です。
・Apple Watch単体でApp Storeにアクセス可能に
・Apple WatchとmacOSの連携強化。ユーザー名、パスワードなどのオートフィルも可能に
・「計算機」「オーディオブック」「ボイスメモアプリ」の追加
・新しいウォッチフェイス「Gradient」「California」「Solar Analog」「Infograph Subdial」
macOSの見かた→クロスプラットフォームアプリ

バージョンでいうと今年は「macOS 10.15」。Mojaveの次はどんな名前になるんでしょうね。
注目すべきは、iOSとmacOSを横断するクロスプラットフォームアプリの拡充。昨年のWWDCでは、コードネーム「Marzipan(マジパン)」と呼ばれる、iOSとmacOSのUI要素を統合する開発環境をリリースすることが発表されました。つまり開発者がmacOSとiOS向けに同じアプリを開発するとき、UIの設計にコードを書き分けなくてもよい、というのが大きなメリット。
すでにmacOS Mojaveでは、「ホーム」「株価」「ニュース」「ボイスメモ」の4つのアプリがこの統合環境で作られています。現在はAppleの純正アプリのみで使用されているこのMarzipanですが、Bloombergによると、一般の開発者にも展開されるかもしれないというのです。
一般に発表されればmacOSアプリが作り易くなり、結果的に僕らが使えるmacOSアプリが増えると。なので、ここらへんの発表は注目です。
また噂では、Marzipanで開発者されたApple純正のアプリがさらに3つ増えるという話もあります。
・Podcastアプリ
・Bookアプリ
・Musicアプリ(え、iTunes消えるの…?)
また、以下は細かいアップデートの噂です。
・iPadをMacのサブディスプレイ化する「Sidecar(仮称)」
・Siriショートカットに対応
・スクリーンタイムに対応
Sidecarは本当に楽しみですね。
「Mac Pro」でOne more thing…?

「Mac Pro」がチラ見せされる可能性、かなり高いです。チラ見せというのは、Apple的にいうと「スニークピーク」という名呼び方をしていますが、平たく言うと、すぐに発売はしないけどデザインだけ先に披露するよーっていうこと。HomePodとか、iMac Proとかがそれにあたります。
Appleは、2017年4月、一部のメディアに対してMac Proを開発していることを語りました。プロユーザーを取りこぼしたくなかったのか、その後、2019年中に発売されることも判明しました。
Bloombergによると、今回のWWDCで発表される可能性があるというのです。
確かに、現行の円筒型のMac Pro(ゴミ箱ともいう)が発表されたのは2013年のWWDCです。その前のシルバーのMac Proが発表されたのも2006年のWWDC。WWDCとMac Proには謎の縁があるのです。
ちなみに新型Mac Proは「モジュラーデザイン」とAppleは語っています。後からコンポーネントを換装できる仕様になるかもしれません。

合わせて、純正ディスプレイも発表されるのではと言われています。純正ディスプレイが発表されれば、2011年の「Apple Thunderbolt Display」以来。
6K・31インチになるという噂もあるので、MacBookユーザーがサブディスプレイとして買うには高級すぎる代物ですが、それでもRetinaの純正ディスプレイというのは今までなかった(LG製除く)ので、とても気になる…。
Source: TechCrunch, The New York Times, Bloomberg(1, 2, 3)