ソファー対応。
COMPUTEX 2019(5月末開催)で発表されたDell(デル)の薄型ゲーミングラップトップが、日本でも発売されることになりました。薄型でありならパワフルにアップグレードしたAlienware 15mと17mと、普及モデルのG7 17です。
特にm15/m17は、一足先にデビューしていたモンスターマシン=Alienware Area-51mの「レジェンド・デザイン」を採用していて、見た目的にもカッコよく進化。そのスペック面や使用感はこちらのレビューをご覧ください。
僕が気になったのは、m15/m17が姿勢や傾きを感知するためのジャイロ・加速度センサーを積んでいたところ。2-in-1や着脱式でもないのに、どうしてゲーミングラップトップが搭載しているの?

この疑問に答えてくれたのは、AlienwareのプロダクトマネージャーEddy Goyanesさん。
「パフォーマンスを使われ方に合わせて最適化するためさ。デスクなどに置いて使われていることを検知したら、MAXパフォーマンスを遺憾なく発揮する。ちょっと傾くような、たとえばソファーとかで使われていたら、バランスモードに切り替えてバッテリー消費や発熱を抑えるんだ」。
たしかに、ソファーでパフォーマンスを求めるゲームをプレイすることはあまりないですね。あるとしたら、軽いターンベースのゲームや動画視聴のためといった使い方。しかしこうなると気になるのは、バッテリー持ちですよね。これに関しては、「オフラインで画面を低輝度に設定しながら再生するとだいたい6時間だから、実環境ではもっと短いと思う」とのこと。
ここはゲーミングラップトップらしいスペック。ソファーでネトフリ見るために買うマシンではないようです。4K有機ELモデルがあるのに、ちょっと残念!

でもゲーミングラップトップとしての進化を発揮するのはデスク上です。Alienware m15/m17には、その際にCPUとGPUのパフォーマンスを最大限に引き出すための特殊機能があります。その名も「ハイパー高効率電圧レギュレーション(Hyper Efficient Voltage Regulation)」。
前モデルだとCPUとGPUにそれぞれ4フェーズの電圧レギュレーターしかなかったところを、m15/m17では(GPUがGTX 1660 Ti以上のモデルであれば)、CPUに6フェーズ、GPUに8フェーズのレギュレーターを割り振り。実はこれ、ラップトップ界では何気に世界初だそう。
でも結局気になるのは、それでどうなるの?というところ。この疑問にも、Eddyさんがわざわざ図まで描きながら説明してくれました。


波打っている2本の線はそれぞれ電圧の上下を表していて、上の線が4フェーズ、下の線が8フェーズでレギュレートした場合の電圧を表しています。で、線が下がった分が縞模様で埋められていますよね。この縞塗りされた箇所が、いわば「失われた電圧=失われたパフォーマンス」なんです。
というのも、CPUやGPUといったプロセッサーは基本的に、高いパフォーマンスを発揮するためには高電圧の供給を必要としていて、電圧レギュレーションがあまくて電圧が大きく下がったりすると、その分パフォーマンスは低下。なので、高い電圧を安定して供給できる8や6フェーズの電圧レギュレーションは、その分多くのパフォーマンスをプロセッサーたちから引き出せるんです。




ラップトップ界では世界初の技術とだけあって、Eddyさんもこのように誇らしげ。「競合他社のマシンが同じCPUやGPUを採用しているのは僕も知っている。しかしm15/m17は電圧レギュレーターが多いことで、プロセッサーのパフォーマンスを最大限引き出せている」。そしてもちろん電圧が上がる、ということは排熱も増えているので、冷却システムも前モデルからしっかりアップグレードしています。Eddyさんによると、ゲームによっては数十fpsの差が出るのだとか。同じパーツを搭載していても、扱い方でパフォーマンスが変わってくる。これは面白い。
そのほかスペックや使用感についてはこちらのレビューへどうぞ。
日本での発売は6月28日から! Alienware m15は21万2980円〜、Alienware m17は23万2980円〜というお値段になっています。ちなみに日本向けモデルはメモリが16GBに固定で(海外モデルでは8GBモデルもある)、キーボードは日本語のものを選ぶとキーごとのRGB照明がコントロールできないそうです(USキーボードを選べばキーごとのコントロールができる)。
そしてDellが発売する普及モデルのゲーミングラップトップ、GシリーズのG7 17は7月上旬から発売されるそうです。お値段はまだ未定ですが、Alienware m17よりお求めやすいはず。
Source: Dell