残念。
HPのSpectre x360 15は、今年はじめにでた新しいノートPCで、今回、米Gizmodo編集部がレビューしたのは、そこに有機ELディスプレイを搭載した新しいバージョンです。しかしタイトル通り、ある1点で台無しになっているというこのノートPC。
何がダメなの?
HP Spectre x360 15は、なかなかの端末。魅力的なデザインと、幅広いタスクをこなす馬力を兼ね揃え、そこに15.6インチの有機ELディスプレイが新たに加わることでさらなる進化を遂げています。
が、残念なのはトラックパッド。このせいで台無しになっている…。涙。
HP Spectre x360 15

概要:HPの最新プレミアムノートブック。新たに有機ELディスプレイを搭載。
価格:1,600ドル(約17.1万円)
いい:有機ELディスプレイ美しい。ほぼすべてのニーズに対応できるGPU「mx150」。キーボードよき。
残念:トラックパッド、トラックパッド、トラックパッド。
スペック、パフォーマンスは平均=十分
ラップトップ自体はこの春リリースしていたものの、今回レビューしたのは15.6インチの有機ELディスプレイが搭載されたもの。現行のラップトップでは、もっとも美しいディスプレイを持つマシンの1つです。ただ、この美ディスプレイを採用しているのはHPだけでなく、たとえばAlienware、Lenovoなども人気の15インチモデルで4K有機ELディスプレイを採用しています。リッチな色、深い黒が特徴です。
HP Spectre x360 15のよきライバルとしてDellのXPS 15 2-in-1がいましたが、Dellは昨年からプロセッサのアップデートも有機EL搭載もないので、いまはHPに軍配があがっています。15インチの2-in-1端末で有機ELディスプレイがいい人は、HPでどうぞ。もちろん、有機EL版は値段もアップして1,600ドル(約17.1万円)。非有機EL版ならば、Intel Core i7 CPUにAMD Radeon GPUのコンボで1,200ドル(約12.8万円)、 i7とNvidia 1050Tiのコンボなら1550ドル(約16.6万円)約からなので、何に価値を見出すかはユーザーしだい。ちなみに、レビューしたSpectre x360 15の有機EL端末のスペックは、i7-8565UにNvidia MX150 GPU、RAMが16GBで容量256GBでした。





i7-8565UにNvidia MX150 GPUのレビューマシンは、同レベルの13インチ端末よりも速かった! 冷却システムのおかげで、より速いスピードを長くキープできるのです。もちろん、15インチ端末と比べても最速クラスかといわれれば否、ゲーミング用端末はもっと速いですから。それでも、パフォーマンスとしては、平均または平均よりちょっと上に位置しています。動画の簡単な編集、中から低設定のゲームをプレイするなら十分。4K動画や、3Dレンダリング作業をする人なら、もう少しパワーあるマシンが欲しいところですね。
ディスプレイの明るさを200nitsに保つと、バッテリーのもちは動画の連続再生で8時間26分。残念ながら、これは去年モデルのSpectre x360 15 2-in-1端末や、去年のDell XPS 15 2-in-1端末よりも45分ダウンする結果です。
美しいのはディスプレイだけじゃない
デザインは他社(Dell XPSやAppleのMacBook Pro)よりも凝っている印象です。ヒンジ部分のエッジのカット、そこに配置された電源ボタン、その横にあるThunderbolt 3ポート。ここにあるんだ?と思いつつも、ポートを指で探している時に電源ボタンを誤って押すということもなく、最終的に電源ボタンの配置は好きな要素の1つに。ただ、問題はThunderbolt 3のドックやドングルがまったく使えないこと。位置とカットが邪魔して、刺さらないというね。

個人的に支持したい変化は、ウェブカメラをオフにする物理ボタンがあるということ。パチンとやれば、OSはウェブカムの存在を認識できなくなります。HPいわく、ウェブカムとマザーボードのサーキットを、ボタン(スイッチ)が物理的に遮断する仕組みになっているということ。
Dark Ash Silverというカラーも美しくて好印象。薄いベゼルが4Kディスプレイを際立てています。また、このベゼルはタブレットモードで使う時には、持つところになるので使い勝手よし。レザーのラップトップケース(ペン収納つき)が付いてくるのもいい!
Spectre x360 15は2-in-1端末の側面はもつものの、基本はやはりラップトップです。その証拠にキーボードがいい。十分にスペースがとられたキー配置のおかげで、ミスタイプすることはほぼなし。フルサイズのナンバーパッドも良し。バッテリーも十分許容範囲内。しかし、全体的に良い!と言いたい地持ちを全力で萎えさせるアレが…。トラックパッドです。最悪、悪すぎる。
トラックパッドなんとかして!

2019年の現代において、新製品レビューで1番残念なことがトラックパッドなんてことあります? 長年、Windows端末はApple端末に比べて、トラックパッドがいまいちと言われてきました。Appleはマウスとほぼ同じ感じで使えるよう、トラックパッド研究が進んでいると言われてきました。が、MicrosoftがWindows Precisionドライバーを開発し、トラックパッドの使用感がアップ。いまは、Apple端末との遜色なしという状態。なのに、なぜ? HPはWindows Precisionドライバーではなく、Synapticsドライバを採用しているんですね。で、それが悪い。動き遅い。正確じゃない。ダメすぎ。なぜこんなことになってしまったのか理解できません。
いい端末なのに…! いい端末なのに、トラックパッドのせいでそれが台無し。この1点だけで、購入を見送る人がいるかもと思うと残念すぎる。ちなみに、Appleユーザーはトラックパッド評価が厳しいらしく、同僚のSamは初トラックパッドがWindowsだったこともあり、私ほどSpectre x360 15で苦労していなかった様子。てことで、Windowsユーザーなら(またはマウス持ち歩く覚悟があるならば)HPのSpectre x360 15は間違いなくいい端末です。見た目よし、有機ELディスプレイも美しい。外見重視の人ならば、この美しさですべての難点がカバーされてしまうかも。
まとめ
・美マシン
・電源ボタンの位置がユニークながらも、それがいい!
・15.6インチの有機ELディスプレイ素晴らしい
・パフォーマンス、バッテリーは平均値
・トラックバットなんとかしてくれよ!
トラックパッドの使用感は、触ってみないとなんとも言えないところ。レビューした米Gizmodo編集部員でも、多少評価に差がでているようですし。ただ、長年Appleユーザーの自分は、きっとイライラを抑えられないんだろうなと思いますけど。
Windows乗り換えするなら、別の端末から始めるのが良さそうですね。