雨乞いの儀式・現代版。意図的に雨を降らせる「人工降雨」って何だ?

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  • author 渡邊徹則
雨乞いの儀式・現代版。意図的に雨を降らせる「人工降雨」って何だ?
Image: Mugendai(無限大)

意外と長い歴史があります。

もうすぐ本格的な夏ですが、ここ数年は本当に暑いですね。突如やってくるゲリラ豪雨はまるで亜熱帯地方を思わせる一方、カラ梅雨や貯水池周辺に雨が降らないことで、水不足の心配は常につきまといます。

IBMのWebメディアMugendai(無限大)では、意図的に雨を降らせる「人工降雨」という研究が紹介されていました。はたして、人が天気をコントロールするなんて本当にできるのでしょうか…。

戦後から始まった研究。今では50カ国が取り組む

インタビューに登場していたのは、気象庁や世界気象機関での勤務経験を持つ、名古屋大学の村上正隆教授。これまでにも、人工降雨の研究によりほぼ期待通りの効果を出している天気のプロです。

日本にいると気づきにくいですが、世界の水不足は想像以上に深刻です。国連によれば、2025年までに世界人口の3分の2に水不足の危険があるといい、人工降雨が注目されるのも必然といえます。その研究の歴史は戦後からと意外に古く、すでにタイ、北米、中東など50カ国が研究を進めているそう。

雨乞いの儀式・現代版。意図的に雨を降らせる「人工降雨」って何だ?
Image: Mugendai(無限大)

それにしても気になるのは、どうやって雨を降らせるのかということ。村上さんは以下のように説明しています。

ある時、過冷却状態にある水滴(零度C以下でも凍っていない水滴)でいっぱいになった冷凍庫にドライアイスの破片を落としたところ、無数の氷の粒(氷晶)ができることを偶然発見しました。

そこで小型飛行機で実際に零度C以下の冷たい層積雲にドライアイスを散布したところ、同じように過冷却の微小な水滴から大量の氷晶が生まれ、それが雪に成長して落下したのです。

すごい発見が、偶然の産物というのが面白いですよね。今では、ドライアイス以外にもヨウ化銀塩化ナトリウムなどが使われているそうです。

恵みの雨でも、いいことばかりじゃない? 兵器にもなり得るリスクとは

天気をコントロールできるようになり、水不足の懸念が少しでも解消されるなら、いいことづくめのような気がします。しかし村上さんいわく、人工降雨には「兵器」にもなり得るリスクが潜んでいるそうです。

人工降雨を含む気象改変は、台風ハリケーンの制御もその対象とされています。2001年の9.11テロの後、アメリカでは国土安全保障省が新設されたのですが、ここではテロ以外にハリケーンなど自然災害の予防も任務にしているそう。

村上さんいわく、あまりにスケールの大きな気象改変が実現すると、例えば意図的に大量の雨を降らせたり、水不足に追い込んだりと、国家レベルの「気象兵器」にもなりかねないとのこと。それに世界的な水不足が深刻化する今、国家間で水を奪い合う争いに発展する可能性も無視できないですよね。

村上さんは、決してそのような事態が起きないようにと、気象研究には透明性が重要であり、各国がオープンなWin-Winの関係にするべきだと指摘します。

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Image: Mugendai(無限大)

「雨を降らせる」という、生活への影響力が大きいだけに奥深い人工降雨の世界。他にも、2018年には中国が発表した、スペイン国土の約3倍もの大きさという人工降雨システムの話題など、興味深い内容のロングインタビューは、Mugendai(無限大)より続きをお楽しみください。


Source: Mugendai(無限大)

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