私もサポートしたよね、「究極のトラベルバッグ」。
クラウドファンディングを見ていると、やたらと大げさな文字が踊っているのに気づきます。「究極の〜」「世界初の〜」「世界最高の〜」「世界最速の〜」etc…。
クラウドファンディングにはまっていた頃、私もいくつか手に入れました。良いなと感じるものもあれば、大げさなキャッチフレーズに「だまされた〜」と感じるものもありました。
Kickstarterの新ガイドライン「ハッタリ禁止」
そこで、世界最高のクラウドファンディング・サイト「Kickstarter(キックスターター)」は動きました。クリエーターたちに、自分たちのプロダクトを「世界最高の〜」と主張するのではなく、現実的な言葉を使ってキャンペーンをするように求めたのです。
The Vergeによると、Kickstarterはフレーズをすべて禁止にしたわけではありませんが、誇張した表現を思いとどまらせるツールをローンチしたとのこと。

このツールは、例えば「世界最高の〜」や「世界最速の〜」といった大げさな表現を入力した時に変更を促すもの。現時点では英語のみ対応です。
ポリシーの変更はルールでなく、あくまでガイドラインでしかないので、クリエーターは必ずしも従う必要はないようです。しかし、Kickstarterのシステム・インテグリティ・チームを率いるMeg Heim氏は、プロジェクトはKickstarterのニュースレターや他のプロモーション資料に掲載されて宣伝される可能性が高いので、クリエーターは会社のアドバイスや変更には耳を傾けたほうがいいと言います。(マイルドな脅しっぽい…)
誠実な言葉で説明しよう
ちなみにこの変更は、プラットフォームがクリエーターに何を求めているのかのアイディアを与える「始めの一歩」で、「一時的な応急処置でも、取り締まりでもなく、クリエーターの長期的な助けになる」と思っているそう。
もまた、「〜になる」という断定的な言葉ではなく、「〜なるでしょう」や「〜と希望しています」「〜なることを夢見ています」といった言葉の使用を勧めています。Kickstarterで資金集めした後に製品化できるとクリエーターに思わせたくないのと、プロジェクトを成功させるために、どれくらいの資金を調達する必要があるのか現実的に考えて欲しいという理由だそうです。
これらのガイドラインに加え、次のようなルールも公表されました。
・ガジェットがソフトウェアとハードウェアの両方を必要とする場合、クリエーターは両方の側面を示して、それぞれの機能と相互関係を明確にする(どちらかが十分に開発されていない場合、その旨を開示する)
・クリエーターはフォトリアリスティック・レンダリングを使わず、編集は最小限に止める
これらのルールに従わない場合、プロジェクトは中止されるそうです。
これは支援者とクリエーターの間に健康的な関係を築かせてくれると思います。1つめのルールが徹底されれば、資金援助したは良いけれど延々と待たされてヤキモキさせられることは減ります。私は「世界初の自洗浄水筒」で予定より半年以上待たされて何度かクリエーターに確認の連絡を入れました。
それに、映画のトレーラー並みにクオリティが高い動画を見て、秒速でポチったのは良いけれど、手元に届いたら「思っていたより安っぽい」と少しがっかりしたことも…。クリエーターは騙しているつもりはないと思いますし、夢のプロダクトを実現させるために必死なのでしょうが、結果的にマイナスイメージを持たれてしまうのは、お互いに避けて欲しいですよね。
私としてはKickstarterの「究極の〜」「世界最高の〜」にワクワクを感じていたので、地に足ついたサイトになってしまうのは少し寂しい気もしないでもないですが、健全な関係に向かうという点では良い一歩だと思います。
Source: The Verge