もはや高額なアート!ウイルス感染したノートPC、約1億4500万円で落札

  • 30,274

  • author Jennings Brown - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
もはや高額なアート!ウイルス感染したノートPC、約1億4500万円で落札

アートか学問での使用に留めてね。

10年前に発売されたノートパソコン「Samsung NC10」は中古で2万円弱。でも、もっとも危険な6種のウイルスに感染していると、オークションで約134万ドル(約1.45億円)という価格で落札されてしまうのです。

サイバーセキュリティ企業Deep Instinctの依頼のもと、インターネットアーティストとして活動するGuo O Dongさんによって生まれたのが「The Persistence of Chaos」。エンジニアの協力を得ながら、6種類のマルウェアがこの2008年のノートPCにインストールされました。

Vergeによると、Guoさんが選んだPCウイルスは、およぼした経済損失が大きいもの。そのラインアップは、BlackEnergy、DarkTequila、ILOVEYOU、MyDoom、SoBig、WannaCry。たとえばWannaCryは、北朝鮮が関与した2017年5月のサイバー攻撃で、150カ国の20万台以上のコンピュータに感染したといわれています。

(オークションで売れてしまい姿を消していますが、かつてはここでThe Persistence of Chaosの様子がライブ配信されていました)

WifiやUSBに接続しない限り、ウイルスはPC内に留まったまま。オークションページには、免責事項として「先天的なセキュリティの脅威を孕んだものであることを理解していること」としっかり記載されています。

入札に参加することで、この作品をアートまたは学術的な理由によって購入すること、マルウェアを拡散させる意図はないことに同意したものとみなします。

アーティストは、サイバー脅威の最悪な状況を表した物理的なものを作りたかったことをVergeに明かしています。

コンピュータのなかで起きたことは実際、わたしたちに影響をおよぼさないという幻想を抱いています。でもそれはおかしな話です。

電力網や公共インフラに影響を与えるようなウイルスは、直接的な被害を引き起こす可能性があります。

ArtNetによれば、プロジェクトにかかった総費用は、およそ1万ドル(約100万円)。費用の多くは、確実にエアギャップするために用いられたそうです(コンピュータが一度もオンラインに接続できないようにするのは無料でないにせよ、そう高額にならないはずですが、彼らの公表した額を信じましょう。)。いずれにしても、オークションで膨大なROI(投資収益率)を得たことには変わりないみたいですね。

最終入札が行なわれたのは、2019年5月末の夜。Deep Instinct広報のJonathan Kaftzanさんはによれば、落札者に関する情報はなく、落札価格には同社も驚いていることを米Gizmodoの取材に明かしています。彼はまた、コンピュータ内のマルウェアはすべて古いもので、こうしたセキュリティ脅威に対するウイルス保護が用意されているため「害をおよぼす可能性はない」と言明しています。

「マルウェアの正体がわからず、ソリューションもなかった当時は、多大な経済損失を生んだものです」と、Kaftzanさん。Deep Instinct、アーティストのGuoさんによれば、6種類のウイルスによる被害額は950億ドル(約10兆円)以上であったと推定しています。

「大量のウイルスに感染した10年前のPC」という実際には嫌がられそうなものが、アートとしてその価値が認められるのは、興味深いですね。どんな人が買ったのかも、すごく気になります...。

    あわせて読みたい

    powered by