AppStore帝国に苦言。削除されたペアレンタルコントロールアプリの企業が圧力をかける

  • 6,553

  • author Victoria Song - GIZMODO via New York Times
  • [原文]
  • 中川真知子
AppStore帝国に苦言。削除されたペアレンタルコントロールアプリの企業が圧力をかける
Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

ペアレンタルコントロールとは親が子供のスマホ利用を制限する機能。

今年4月、Appleは、一部のペアレンタルコントロールのアプリをApp Storeから削除しました。Appleは子供達をスマホ漬けにしたいのかな、なんて心配になりますが、そのような手段に出た理由は、一部のペアレンタルコントロールアプリが、MDMを使ってユーザーの個人情報を危険にさらしていることに気づいたからなんだそうです。

MDM(Mobile Device Management)ユーザの位置情報やアプリの使用履歴、メールアカウントなどの情報にアクセスして、端末を管理する技術で、企業の社用iPhoneなどの管理に使われるものです。AppleはこのMDMが一般ユーザーのiPhoneにインストールされることは好ましくない、としてペアレンタルコントロールアプリを削除した理由を説明しています。

ユーザーの機密情報を守るために、ガイドラインに則って削除しただけであって、Appleはペアレンタルコントロールに肯定的。実際にiOS12から「スクリーンタイム」という機能も開発していますし。しかし、この「スクリーンタイム」を優遇したいからこそ、他のペアレンタルコントロールアプリを排除したのではないか、という意見もあるのです。

前置きが長くなりましたが、ペアレンタルコントロールアプリの開発者たちが団体となり、ウェブサイトを作るとともに、自分たちのアプリがAppleデバイスで問題なく動くようにするためのAPI(Appleが提供する開発者向けの機能)を作るように提案しているわけです。

提案されているAPIは、サードパーディのアプリメーカーがAppleの独自技術を使ってユーザーのスマホ利用時間をモニタリング可能にするもので、提案書には「APIは、アプリとデバイスの使用データへのアクセスを可能にするだけで、Appのデータは公開されない」と書かれています。Appleは「スクリーンタイム」機能を開発しているのだから、その技術を共有すれば、開発者がAppleのプライバシー規定に反することもなくなるというのが彼らの考えです。

App Storeの囲い込みが難しくなってきた

これはApp Storeの囲い込み戦略に圧力をかけるものとなるでしょう。去年11月から、AppleのApp Storeとアプリ価格の30パーセント手数料が独占禁止法違反に当たるか審議されていて、先月5月にも米最高裁判所はこの訴訟は継続可能という判断を下しています。

それを受けてAppleは、App Storeの運営方法を擁護する内容をホームページに記載。そこで、同社の厳格なキュレーションがセキュアかつプライベートで高品質な経験を顧客に提案していると主張しました。さらに、同社は週に10万ものアプリをレビューしていて、そのうち40パーセントが小さなバグやプライバシーの問題で却下されているとも伝えています。

多くのユーザーがApp Storeにはマルウェアに感染したアプリが少ないことを高く評価している一方で、一部のユーザーは純正App Store以外からプログラムをダウンロードする選択肢がないことに不満を持っている様子。Appleのライバルたちも同様の不満を抱えています。例えば、音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、最近、Appleが同社の厳しいガイドラインを利用してApple Musicを優位にしていると、欧州委員会に独占禁止法違反で提訴しました。ただ、Appleとしては、自らのサービス推進のためにガイドラインを曲げることを喜んでいるようです。

今年のWWDCで、キッズカテゴリーのアプリに埋め込まれている、サードパーティ企業によるトラッキングを制限することを公式に発表しました。よりプライバシー強化に力を入れることを表明しているAppleがAPI共有に対して首を縦にふるのかどうか、議論の余地がありそうです。

Source: New York Times

あわせて読みたい

powered by