AIのせいで雇用が減る!っていうけど、実はそれただの「経費節減」じゃない?

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  • author Brian Merchant - Gizmodo US
  • [原文]
  • R.Mitsubori
AIのせいで雇用が減る!っていうけど、実はそれただの「経費節減」じゃない?
Image: JimCooke/Gizmodo US

ロボットが人間の仕事を奪う?「イイエ、ソレハ、ニンゲンデス」。

最近よく、「近い将来、ロボットが人間の仕事を奪う!?」なんて記事の見出しを見かけますよね。欧米の大手メディアも、先を競うように「マジでやばいよ!」という論調でこのネタを取り上げているんです。

・すぐ、お利口なロボットに仕事とられちゃう、かも(CNN)

・ホワイトカラーのロボットがやってくる(The Wall Street Journal)

・そう、ロボットが来る:人と機械共存時代のお仕事(Wired)

・ロボットに仕事とられる?そのうちね(ニューヨークタイムズ)

・ロボットがあなたの仕事を狙ってる」(VICE)

・ロボットが人間の仕事を奪い始めてる。警報級」(米Gizmodo)

こんな感じ。白状すると、私自身も同じような記事を何度も書いたことがあります、ハイ。正直なところ、このテーマはインパクトがあって、クリック数が稼ぎやすいので、「使える」というのが業界の本音なんです。

でも、今回はあえて「ロボットが人間の仕事を奪う」説に「NO」と言おうと思います。私、気づいちゃったんですよ。ロボットが人間の仕事を奪う、っていうのはつまるところ、「経営サイドが従業員の代わりにロボットを使う」ということなんじゃないか、って。

ロボットはどこからやってくるの?

そのきっかけの1つが、アメリカのシンクタンク「ブルッキングス研究所」の上級研究員が書いた記事を読んだことでした。ウォールストリートジャーナルに掲載された記事には、AIやロボットがどのように、どこの誰の仕事を奪い去るのか、という最新の研究データが載っていました。「職業の4つに1つが奪われる」とか、「運転手や工場労働者が狙われる」とか煽るように書いてあったのですが、その割に肝心なことが書いてなかったのです。それは、「ロボットはどこから来るのか」ということ。

だって、ロボットが求人サイトで自分に合った仕事を見つけて、「俺、これやろーっと」って入ってくるわけじゃないですし…大量のロボットが倉庫に押し寄せてきて、「はい、今日から私たちがやりまーす。人間のみなさん、出て行ってくださーい」なんて話も聞いたことないじゃないですか。

要は企業の人件費削減

実際、ロボットやAIを使って自動化をすすめているのは、人間です。たとえば、経営者側が「人件費15%抑えたいなー」って考えて、「うちのロボットなら30人分の仕事しますよ」ってすすめるハイテク企業の営業マンがいると、「じゃあ、ロボット入れて従業員30人切ろうか」という流れになっちゃいますよね。

たとえば、ある企業が人件費削減のために「30代から40代の労働者をリストラする」と言うと経営者が叩かれがちです。でも主語を「ロボット」にして「ロボットに工場労働者の仕事が奪われた」と言い換えると、カムフラージュされた感じがしませんか。なんとなく得体の知れない「未来」に仕事とられたという印象で…。

今はマスコミだけじゃなくて世界銀行とか、IMFとか、そういう世界的な権威のある機関も同じような論調で「大変だーロボット様が来るぞー」って煽るだけ煽って、肝心な点が抜けているような気がします。大手の研究所でも、自動車会社とか産業界の大手から資金提供を受けていれば、その辺りをぼかして書くしかないでしょうし…。

Video: CNN/YouTube

でも、そろそろ現実をしっかり見て考えたほうがいいと思うんです。人間から仕事を奪うのは、今のところ、まだ人間なんです。世間の論調に流されて、「ロボットまじ怖っ」とかSF気分でいると、あっという間に自分だけ「明日から来なくていいよ」になっちゃうかもしれません!


ここ最近の悲惨な交通事故のニュースを見ると「一刻も早く自動運転車を」と思いますが、一方で無人の鉄道車両が逆走したなんてニュースを見ると「やっぱ人間じゃないとな」と手のひら返しになってしまいます。ロボットが人間の仕事を奪う、なんていうのは、まだまだずっと先の話なのかもしれませんね。

Source: YouTube

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