【ネタバレあり】映画『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』レビュー。これが『エンドゲーム』の完結編!?

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  • author 傭兵ペンギン
【ネタバレあり】映画『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』レビュー。これが『エンドゲーム』の完結編!?
Image: ©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.

『エンドゲーム』の「アフターマス」といっていい。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開が終わりを迎える中、ついに公開となったマーベル・シネマティックユニバース(MCU)最新作『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』。もうご覧になりましたでしょうか? まだという人はすぐにこのページを閉じて、映画を見てからこれを読んでいただきたい。

今回のレビューは、ガッツリ内容に踏み込んだものとなっています。あくまで見た人向けの内容ですので、ネタバレありで書いていきます。

繰り返しになりますがネタバレがある内容ですので、まだ見ていないという人はすぐにページを閉じて、できる限り早く映画をご覧ください。

エンドゲームの続編として

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Image: ©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.

今作はシリーズとしては前作『スパイダーマン/ホームカミング』の続編ではありますが、スパイダーマンは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『エンドゲーム』の2作に登場しており、宇宙に行ったり、指パッチンで粉末になったり、そこから5年後に復活したり、女性ヒーロー軍団に助けてもらったり、トニー・スタークの死を見届けたりといろいろありました。

そして今作は特段前作で何があったかといった振り返りはせず、『エンドゲーム』の直後からスタートしています。というわけで、MCUはあまり見てないけど『スパイダーマン』のシリーズだけ追ってる人にはちょっと混乱する内容だったかもしれませんが、なんとなくは理解できたはず。

個人的にすごく気になってた5年死んでたピーターと同級生との年齢差問題は、前作の主要キャラはみんな死んでたということであっさりと片付けられていましたが、下級生が突然同級生になって恋のライバルとして登場したりと、しっかり面白く扱えていたと思います。

しかし、とにかく今作で重要だったのはなにより、師であり父親のような存在でもあったトニー・スタークの死。そもそもはピーター・パーカーは、父親に代わって自分を育ててくれたベンおじさんも亡くしているのだということも観ている側としては頭によぎるので、かなり辛い(ちなみに、コミックではベンおじさんが強盗に殺されてしまうのがヒーロー活動開始のきっかけですが、映画ではそのあたりは語られていません)。

そんな中、遺言でハッピーに預けられていたトニーのサングラスが登場。トニー・スタークはコミックではあまり眼鏡やサングラスをしているイメージのキャラではありませんでしたが、映画版ではロバート・ダウニー・Jrがかなりかっこよく身につけていて、彼を象徴するようなアイテムとなっていましたね。

そんな形見のサングラスは「次のアイアンマンに」ということでピーターに贈られたわけですが、それを着用し『アイアンマン』の劇中でも流れてたAC/DCの曲をかけながらトニーの機材を使ってコスチュームを作り、その姿にハッピーがトニー・スタークを見るというシーンはウルッときてしまうものでした。ハッピー役のジョン・ファブローが上手すぎる

しかし、その形見は次のアイアンマンにならなければという重責が付随したもので、それが繰り返し描かれていました。こんな具合に『エンドゲーム』の続編であり、完結編といっても過言ではない作品だったと思います。コミックでは『エンドゲーム』のような大きな出来事(クロスオーバーイベント等)の後に、イベント名に「アフターマス(余波)」というタイトルがついたエピソードが展開されるのが定番なのですが、まさにこの『ファー・フロム・ホーム』は『エンドゲーム:アフターマス』でしたね!

敵か味方かミステリオ

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Image: ©2019 CTMG. © & ™ 2019 MARVEL.

そんなピーターの前に登場するのが、別の地球からやってきたスーパーヒーローのミステリオ。劇中でも言われてましたが、一見するとアイアンマンとマイティ・ソーを組み合わせたようなデザインのコスチュームを身にまとっていてカッコいい。

しかもそのクエンティン・ベックを演じているのは名優ジェイク・ギレンホール。スーパーヒーロー映画の企画が出るたびちょくちょく名前が出ていた人物で、アニメ『スパイダーバース』でも名前が上がっていました。そんな彼がついにヒーロー映画に!

ピーターを支えてくれる新たな師というような男で、サングラスをかけるとどことなくトニー・スタークを思わせる雰囲気も出ていて、これはピーターも彼に「次のアイアンマン」を任せてしまおうとなるのはよく分かる……!

予告の段階から『エンドゲーム』で説明された多元宇宙からのヒーローという形で宣伝されており、こういう奴が出てくる世界なら、トビー・マグワイア版スパイダーマンやアンドリュー・ガーフィールド版スパイダーマンも出てきて『スパイダーバース』がやれるんじゃないかとファンの間ではだいぶ盛り上がったわけですが……まぁ全部上手なウソでしたね!

ご存知の状態で劇場に見に行った人も多いと思いますが、ミステリオはコミックではスパイダーマンの定番ヴィランで、劇中と同じく特殊効果を使って悪事を働く男

コミックでは俳優を目指しながらスタントマン兼特殊効果マンとしてハリウッドで働く中で、自分の持ってる知識と技術を使えばヴィラン兼ヒーロー有名にになれるということに気づきます。スパイダーマンの格好をして窃盗を働きながら、その上でミステリオとしてスパイダーマンを捕まえて一躍有名になろうとするも、スパイダーマンと戦う中で(調子に乗って)計画を全部喋ってしまって逮捕。それ以来スパイダーマンを恨み何度も戦いを挑んできているというキャラクターです。

一方映画では、よりMCUとの繋がりを強めた形で映画スタッフではなく、スタークの会社の社員だったが情緒不安定だったがためにクビになった男で、他の元社員と共にヒーローをでっちあげて有名になることを目論むという設定でした。

バトルシーンの幻術も非常にミステリオらしくってカッコ良かったのですが、個人的にはモーションキャプチャー用のスーツにもミステリオの意匠が入っていたところが好き。映画のメイキングでよく見かける決してかっこよくないスーツなのですが、ジェイク・ギレンホールが着てるとなんかかっこよく見えちゃう不思議。

ジョン・ワッツ監督の映画は子供(若者)が怖い大人にひどい目に合わされる作品ばかりでしたが、今作もその流れで、傷心のピーターにとどめを刺しにくるような展開で監督の強いこだわりを感じる作品でしたね。言い換えれば今回もまたヴィランがとにかく魅力的で、物語を引っ張っている作品だったと思います。なんといってもMCUは序盤はヴィランが印象薄だったので、このまま良いヴィランを出し続けて欲しい所。

マルチバースじゃないけどマルチバースっぽい

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そんなミステリオの最期は、スパイダーマンをはめて世間に彼がヴィランだと思わせ、さらに正体を明かすという流れでコミックのストーリーを踏襲しながら、非常に面白いオチになっていたと思います。

そしてその映像を公開した番組の司会者はなんと、J・ジョナ・ジェイムソンじゃありませんか! 彼はコミックでは当初、ピーター・パーカーが写真を売って生計を立てていたデイリービューグル誌の編集長でスパイダーマンが嫌いでバッシング記事を展開していた人物。

その後、市長になったり、ニュースチャンネルの司会者になったり、ブロガーになったりしていましたが、今作ではアレックス・ジョーンズの陰謀論メディア『InfoWars』のパロディと共に登場していたのが面白いところ。

しかも演じているのは、J・K・シモンズ。なんと、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズで、ジェイムソンを演じていた人。サム・ライミ版の完璧なジェイムソンぶりが最高でしたが、まさかまた演じてくれるとは……!

マルチバース(多元宇宙)展開ではない映画でしたが、J・K・シモンズがジェイムソンを演じてると、やっぱり今後はマルチバース展開もあるんじゃないかと思ってしまいますね。実際観たい。

しかしミステリオの正体を、ニック・フューリーが気づかないなんておかしくない?というところは、かなり無茶苦茶な方法で納得させたあたりも上手い。MCUの次の作品は正式発表はされていないものの、撮影が進んでいる『ブラック・ウィドウ』になりそうですが、ラストのシーンは果たして関係のあるものなのかどうかも気になるところ。

とにかく、アクションもかっこよく、前作よりちょっと大人になったけどまだまだ青春物語として作られていて、さらにヴィランも面白い上に、ちゃんと『エンドゲーム』を畳んでくるというアクロバティックなことをやってくる凄い映画でした。本当にジョン・ワッツ監督は上手い

そして続きが気になりすぎるオチで、なんなら来年にでもすぐ公開して欲しいところ。ちなみに、コミックではスパイダーマンの正体が世間に明らかになった時には、メイおばさんが殺されてしまうなどのかなり辛い展開があったので、ちょっと覚悟はしておいたほうがいいかもしれませんね……!

映画『スパイダー・マン:ファー・フロム・ホーム』は現在公開中。IMAXや4D、さらにはScreen X(270度の3面パノラマスクリーン)などさまざまな上映方法が用意されているので、それぞれ楽しみたいですね!

Source: 映画『スパイダー・マン:ファー・フロム・ホーム』公式サイト

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