毒きのこが新薬の可能性、昆虫とハイタッチ…? 講談社の学術クラファンサイトがエッジーすぎて面白い

  • author 岡本玄介
毒きのこが新薬の可能性、昆虫とハイタッチ…? 講談社の学術クラファンサイトがエッジーすぎて面白い
Image: 講談社

科学ファンが学術研究をサポートする仕組みが出来た!

クラウドファンディング」と聞くと、スタートアップ企業が作った新型ガジェットや発明品に対して出資金を振り込み、目標額に達して製品化したら手元に届くサービスだなって思いますよね。

ですが最近は、化学や工学、数学や天文学などの研究プロジェクトを支援しよう!というクラファンも徐々に生まれています。たとえばそれが、最近開設されたばかりの学術クラファン・サイト「Bluebacks Outreach」。書籍や雑誌の講談社が運営しています。

こんなプロジェクトがある

執筆時には7つのプロジェクトしかありませんでしたが、中には立命館大学の教授による「数奇な運命をたどった『酒呑童子絵巻』を修復し、 "みんな" で共有・活用したい。」というものや、同じく立命館大学の准教授による「新薬の可能性は『毒きのこ』にあり。創薬の未来につながるデータベースをつくりたい!」、ほかには津田塾大学の教授による「あの『イグノーベル賞』受賞者二人による『人を笑わせ、考えさせる』研究を支援!」なんていうプロジェクトが並び、面白そうな科学プロジェクトを気軽に支援できる仕組みが作られていました。

触覚フィードバックで昆虫とハイタッチ…?

7つの中でとくに気になったのは、立命館大学の小西教授による「ミクロの世界との遭遇 触覚をもったマイクロロボットハンドがあなたの触覚とリンク。」というもの。これは極小のロボット・ハンドで触った小さな物体の、触覚フィードバックを得るという研究です。

これがもし実現すれば、長さ数mmのマイクロ・フィンガーにより昆虫とハイタッチしたり、人間の体内を触診できたりと、可能性が無限に広がりそうなプロジェクトとなっています。出資額に応じて、リターンは報告書の送付やマイクロ・ハンドをフィギュア化したサンプルが貰えたり、実演会や試作体験に参加ができたりと、これまた気になる見返りが並びます。

学術系クラファンが重要な理由

説明ページでは、講談社が科学新書シリーズ「ブルーバックス」を発行していることから、このサービスが生まれることになった、と書かれています。一見して関係のなさそうな出版社ですが、そんな繋がりと、科学に対する熱意があったのですね。

研究者たちも、資金を捻出するためにはやれ実績やら、やれすぐに結果を出せやらと申請書をたくさん書かされ、たくさんのハンコを求められる気苦労や壁が立ちはばかりがちです。ましてや研究の規模が小さければ、または偉い人に認められなければ、何も出来なくなってしまうのです。

そんな研究を救うのが、好奇心旺盛の、一般の科学ファン、ということなんですね。

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Image: 講談社

学術系クラファンはもっと増えるか?

また、こうしたクラファン・サイトはほかにも日本初の「academist(アカデミスト)」もあり、今後こうした動きが増えそうな気がします。もし学術系が浸透すれば、科学以外の分野に特化したクラファンもどんどん生まれるかもしれませんね。

今後も「Bluebacks Outreach」ではプロジェクトが随時追加されてゆくものと思われます。興味深い科学プロジェクトがどんどん出てくると思うので、マメにチェックして支援してみてはいかがでしょうか?

Source: Bluebacks Outreach, academist

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