16K解像度に対応した新規格「DisplayPort 2.0」が重要な理由

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  • author David Nield - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本直樹
16K解像度に対応した新規格「DisplayPort 2.0」が重要な理由
Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

スペックはすごいぞ!

DisplayPortの名前を聞いたことがない人もいるかもしれません。HDMIのライバルのこの規格は、ハイエンドのモニタ、専用グラフィックスカードなどなど、プレミアムなプロ向けテクノロジに限定されています。そんななか、DisplayPortの新バージョンが発表されました。これはこれまでで最大のアップグレードで、将来的に多くのデバイスで利用されるだけの性能を備えています。

DisplayPortのこれまで

VGAやHDMIにくらべてマイナーなDisplayPortは、HDMIと同じくVGAやDVIを置き換えるために2000年代前半に構想されました。

DisplayPortは、Dell、HP、Lenovo、Oculus、Apple、NVIDIAなどVESAグループによって支えられています。実は、DisplayPortを支援している企業の多くは、予備にためにHDMIも支援しているんです。

なお、DisplayPortがコンピューターとモニタの接続を念頭に置いているのに対し、HDMIはどちらかというとテレビとエンターテイメントの接続にフォーカスしています。

DisplayPortを見たことがある人なら、標準サイズのDisplayPortコネクタかMini DisplayPortコネクタという、2サイズのコネクタのどちらかを見ているはず。しかし、現在そのテクノロジーは別の標準に移りつつあります。

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Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

当初からこの規格では、ビデオとオーディオを同時に、あるいはどちらか一方だけでも送信できるように設計されていました。技術仕様は主にソニー、フィリップス、マクセル、ラティスといったエレクトロニクス企業によって開発され、DisplayPortのバージョン1.0が2006年中旬に登場しました。

当時の標準規格では10.8Gbpsの帯域幅を提供し、DVIの倍のスペックを実現しました。また数年のうちにバージョン1.1とバージョン1.1aが登場し、2010年にはDisplayPort 1.2が登場。DisplayPort 1.3とDisplayPort 1.4は2014年と2016年に標準化され、10年のライフスパンとともに帯域幅も拡大されました。

DisplayPortが最大の成長を遂げたのは、ゲーム分野です。例えばDisplayPortが必要なNvidiaのG-Syncでは、映像のフレームを書き換えるときに発生する見た目の不自然さを低減してくれます。そしてDisplayPortが次に実現しようとしているのは、その地位をさらに高める高解像度と高リフレッシュレートです。

なお、DisplayPort 2.0は当初2017年のローンチが予定されていましたが、より長い開発期間をとるために(あるいはHDMI規格と歩調をあわせるために)延期されていました。

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Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

DisplayPort 2.0は何が進化したのか?

DisplayPort 2.0はDisplayPort 1.4aから、大幅な進化をとげています。最大帯域は25.92Gbpsから77.4Gbpsとなり、4K HDR解像度では最大リフレッシュレートが144Hzとなり、シングルディスプレイでの最大解像度は16K(15,360 x 8,460ピクセル)/60Hzになりました。

あるいは、90Hzで3台の4Kディスプレイ、もしくは120Hzで2台の8Kディスプレイを動作させることもできます。8Kディスプレイはかなりレアですし、16Kディスプレイはいうまでもありませんが、これはDisplayPort 2.0が将来どんな環境でも利用できることを意味します。ただし、DisplayPort 2.0を搭載したハードウェアは2020年後半まで登場しません

もちろん下位互換性も確保されているので古いDisplayPortも利用でき(速度や帯域は限定されますが)、USB-CやThunderbolt 3のサポートも継続されるので、時期がくればDisplayPort 2.0は幅広く利用されるはずです。

では、実際にDisplayPortは必要なのでしょうか? 最新のHDMI 2.1規格(テレビで採用が始まりました)は最大10Kの解像度に対応ですが、DisplayPort 2.0の方が上です。また、DisplayPortは複数ディスプレイを利用する際にも便利です。特にデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続はモニタだけでなくVRでも役立ちます。

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Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

最上位のゲームやコンテンツを開発していない限り、DisplayPort 2.0が積極的に必要になることはないでしょう。しかしUSB-Cの継続的なサポートのおかげ(ケーブルやコネクタの話です)で、DisplayPort 2.0はその利用範囲を広げられる可能性があります。というのも、DisplayPortケーブルとコネクタは引き続き存在しますが、USB-Cケーブルでノートパソコンとモニタを接続し、DisplayPortテクノロジを利用することもできるんです。

またデータの同時転送もできますが、これは最大解像度とリフレッシュレートに影響をあたえます。一方、すべてのUSB-CポートがDisplayPortをサポートするわけではもちろんなく、MacBook Pro(限定的に)やNintendo Switch、Samsung(サムスン)のGalaxy S10のようにデバイスがサポートする必要があります。

最終的にDisplayPortが幅広いユーザーに受け入れられるかどうかは、スマートフォンやラップトップ、モニターメーカーのサポート次第です。一部の人は高スペックな規格に喜んでお金を出すでしょうが、その他の一般人は不要な解像度やリフレッシュレートよりも懐具合が気になるはずです。

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