ついに世界一!
スーパーヒーローたちが悲しみの中、時間をさかのぼり全宇宙の敵サノスに打ち勝つ映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』。この作品が、ついに今まででもっとも経済的に成功した映画となりました。とても長い道のりでしたが、ついに「エンドゲーム(終着点)」に辿り着いたのです。
そして本当に、勝者は常にミッキーマウスでした。
27億9000万ドル
『エンドゲーム』は、劇場での再公開を一度経て、4月の公開から3カ月で全世界の興行収入が27億9000万ドル(約3,000億円)を超えることとなり、これまででもっとも収益性の高い劇場公開となりました(Box Office Mojoによると昔の歴代ランキングと組み合わせてインフレ調整をすれば16位ですが、それでも快挙です)。
10年の積み重ね
これは、10年に渡るマーベル・スタジオの映画制作と宣伝の集大成となった『エンドゲーム』が、27億8900万ドルという最高興行収入をもってして、ディズニーが今年初頭にフォックスを買収したあとから所有している『アバター』をついに追い越した、という意味になります。
この記録はマーベルにとって、明らかな偉業達成です。彼らによる文化圏の支配を立証するものでもあり、過去最大級のメディア独占企業の資源を後ろ盾にして、何ができるかを示した記念碑でもあります(米Gizmodoなりのアメリカンジョークですよ、多分)。
アンジェリーナ・ジョリーもMCUに参加
またこの記録は便利な領収書みたいなものでもあり、コミック・コン(イベント)のホールHにアンジェリーナ・ジョリーを招く以上の効果をもたらします。ジョリーは、ジャック・カービーがマーベルのライバルであるDCコミックで創った無名のキャラクターに対抗して、カービーが繰り返しのように創った、これまた無名のキャラクターを演じます。
理由はよくわからないものの、これはファンにとっても大ごとなようで、しばらく前から多くの人々が興奮しつつ応援しています。やはりブランドへの忠誠心は中毒性が高いようですね(これもジョークですね、多分)。
『アバター』もお祝いしてくれた
記録達成が意味するのは、マーベルにはまだまだ多くの映画を、ディズニーが集められるだけの資金と才能に頼ることが出来る、ということでしょう。
またおそらく、今日もどこかでジェームズ・キャメロン監督が、ホンのちょっぴり追い越されたことにイラっとしつつも、『アバター』の続編制作に勤しんでいるかもしれません。でも次回作で『エンドゲーム』を抜き返すかもしれませんけどね。
そして今、『アバター』のTwitterが少し外交的に、アイアンマンが惑星パンドラの「魂の木」にお祝いされている、不思議なコラボ画像を投稿しました。
Congratulations, @MarvelStudios! pic.twitter.com/DWZDX0uDVi
— Avatar (@officialavatar) July 22, 2019
ディズニーの快進撃は止まらない
「サンディエゴ・コミック・コン」の週末、しかもマーベルが壇上で大きな発表をする日に興行収入世界一のニュースが舞い込むのは怪しいタイミングですが……それはさて置き、最近ウォルト・ディズニー社がお祝いしたのは、これだけではありませんでした。
Box Office Mojoの報告では、批評家の評価はパっとしなかったものの、ジョン・ファヴローによる古典アニメの人気作 『ライオン・キング』 のCGリメイクは、公開の週末に記録的な1億8500万ドル(約200億円)を稼いだ、とあります。
ちなみに7月公開の最高記録は、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』で、これはまだディズニーの手に落ちていないシリーズです。2011年からシリーズは止まっているものの、ディズニーとしては欲しいシリーズでしょうね。
過去のアニメの実写化で進撃するディズニー
この世界一は、どういう意味を持つでしょうか? ディズニーは90年代に開花させたアニメ・ルネッサンスを、大胆なリメイク戦略で再び巻き起こすのではないかと考えられます。
すでに今年は、『アラジン』と『ライオン・キング』が公開され、次は『ムーラン』が控えており、現在は配役を選考中だという『リトル・マーメイド』も実写化が決定しています。あんまり良いアイディアではないかもしれませんが、『ポカホンタス』の実写化はいつになるでしょうか? まぁ推して知るべしですが、ミッキーマウスの世界では何でもアリですからねぇ。