2019年にSNSでできなくなったことまとめ。去年までできてたのが不思議な気もする…

  • 21,741

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
2019年にSNSでできなくなったことまとめ。去年までできてたのが不思議な気もする…
Image: Sean Gallup/Gettyimages

つまり、人を傷つけることは、ダメなんです。

SNSは便利な分、トラブルも多い…皆さんご存知のとおり。次から次へと問題が起きて、それにいちいち対応しなきゃならなくて、まさにエンドレスのイタチごっこです。問題が起きるとSNS各社は対応に追われて、とりあえず必要最小限の対策をとって「我々はこれだけのことをやりました!」って自画自賛アピール。最近、よく見かけますよね。

先週、インターネット業界最大手の1つ、Twitterが「悪意あるコンテンツ」を退治するため、規約を改正したと発表しました。同社のブログ記事によると、対象となるツイートは「宗教を理由に他者を侮辱する内容」を含むもの。これに対し、市民運動グループが、「同サイトを完全に改善するものではないが、ヘイト感情や活動グループをプラットフォームから排除するためのものは、歓迎する」と表明しています。

ここ数カ月、SNS大手はそれぞれのサイトを改善しようと悪戦苦闘しています。問題が起きた場合、風評被害の拡大を防ぐためには何らかの手を打たなければならなくて、Twitterの規約改正もそのうちの1つ。実は、世界にある大手各社が「私達、こんなに頑張ってるんです!」と何度も発表しています。「全然知らなかった」という方のために、最近発表された変更事項をかいつまんでご紹介しましょう。どれも、「最初からやっとけよ」的な感じですが…。

Twitter

Twitterは何年もの間、ウェブサイトを「果てしない絶望の源」にしないために動いていましたが、歩みが遅く、苦戦している模様。今年の初め、ジャック・ドーシーCEOが、自虐的ともいえるマスコミ向けのプレスツアーを実施しました。「なぜサイトを修正できないのか」という内容の質疑応答が続くなかで、CEOは自身のパフォーマンスを「Cランク」と評価し、「嫌がらせ行為の被害者が大きな負担を背負うことになってしまい、それが大きな失敗だった」と認めました。

Twitterは先日、悪質なツイートを削除するという新しいポリシーを発表しましたが、そのほかの変更事項もいくつか紹介しましょう。

誤った健康情報の拡散防止:5月中旬、Twitterはワクチン情報の関連キーワードを検索した場合、厚労省のワクチン情報を最上位に表示する機能を追加しました。確かに、偽情報が蔓延している状況を考えると、「いやもっと早くやるべきだったんじゃ…」と思いますが。まあ、ね…。

白人至上主義の許容を検討:Twitterは、SNS上で白人至上主義を許容すべきか否かを調査することにしました。同社幹部のヴィジャヤ・ガッデ氏は5月末、テック系ニュースサイトのマザーボードに対し、「反論や会話は善を促進する力で、脱ラジカル化の基盤として機能することができる」と考えを語っています。

「公益」になると判断された問題ツイートはラベル付きで残す:Twitter上の「公共の会話の健全性」を維持するため、規約違反だと思われる内容でも、著名人によるツイートなど、「公益になる」ツイートは削除せず、ラベル表示すると発表しました。Twitterは「荒らし」がいてなんぼ、と自認しているんでしょうかね。

Instagram

自傷行為に関するコンテンツの管理:2月、Instagramは自傷行為に関係するコンテンツ(関連画像を含む)を取り締まり、検索や「発見」タブでの自傷関連コンテンツの表示を中止しました。いいね! でも遅いよ! でもいいね!

「いいね!」数非表示の実施テスト:他の変更と比べると地味な印象ですが。ユーザーの関心は高いんじゃないかな…。Instagramは4月、アカウント所有者以外のユーザーが画像につけた「いいね!」を非表示にするテストを開始すると発表しました。つまり、「いいね!」数を非表示、ということ。Instagramのアダム・モセリ代表が開発者会議中に明かしたもので、「ユーザーにはもっと、大切な人とつながることに、時間を使ってほしい」と望んでいるのだそうです。

極右論者などのアクセス禁止:Instagramが親会社のFacebookとともに、ようやく陰謀論者や過激派をアクセス禁止することになりました。また、同社の広報担当者はヘイトスピーチや暴力を誘発するコンテンツを禁止するポリシーを公表しました。Facebookの広報担当者は5月、米Gizmodoに対し「イデオロギーに関係なく、暴力やヘイトの促進、あるいはかかわりを持つ個人や組織を取り締まっている」と話しました。「広範囲にわたって潜在的な違反者を見極めた結果、彼らのアカウントを削除することに決まった」とのこと。確かに、これまでもヘイトを禁ずるポリシーはあったのですが、実際に有害ユーザーを実質取り締まることは、つい数か月前までありませんでしたね。

偽の健康情報は、問答無用でアウト!:親会社のFacebookは5月上旬に記者会見を開き、ワクチン関連の偽情報を制限するため、リーチを制限するなど、より強硬なアプローチをとっていくと話しました。ただ、反ワクチン派のコンテンツは残す場合もあるということです。

いじめ対策:7月、Instagramは2つのアプローチでネットいじめ対策を始めました。ユーザーが投稿しようとしているコメントが有害、あるいは不快なものだとAIが判断した場合、事前に修正を促す通知が出ます。また、特定のユーザーからの投稿を非公開にすることもできるようになりました。ダイレクトメッセージの既読通知や、アクティブ状態にあるか、といった情報も相手に知られずに済むようになります。これが功を奏すといいですねえ。

Facebook

マーク・ザッカーバーグ氏はとりあえずの対策と、持続可能な対策と、どんな手を打ったらいいか決めかねているみたいですね。責任逃れしていると思われたくないから、プラットフォームを修正するためのイニシアチブはずっと発信してますけど。「民主主義がじわじわ浸食されている」という印象から脱却するためでしょうね。

あからさまな白人国家主義と白人分離主義の禁止:今までスルーだったってこと…?

極右論者などのアクセス禁止:Instagram同様、今年5月にようやく実施。もう、さんざん物騒な陰謀論をまき散らして、フォロワーもがっつりついてから…、時すでに遅しかな。

「プライバシー保護」へ方向転換:マーク・ザッカーバーグ氏は、Facebookが今後は「プライバシー」に力を入れていくと発表しました。道徳的に問題ありとされてきた、「公共の会話の場」という、Facebookの長年にわたる方針とは真逆の概念です。セキュリティの問題とか、散々ありましたからね。

コメントのアルゴリズムを修正:Facebookは6月、「情報の完全性を示し、公開されるコメントの質を改善するために」、「安全で信頼性の高いコメント」が上位に来るようパブリックコメントのランキングシステムを更新したと発表しました。安心して眠れるようになるなら、何でも歓迎です。

集団虐殺への関与を防ぐための取り組み:6月、Facebookもまた「現実世界の暴力に取り組んでいます」と声を大にして主張しています。なんて勇敢なんでしょう!

健康関連の誤情報を、できるだけ小さく扱う:最近のFacebookは、ニュースフィードで健康関連の誤情報を完全に禁止するのではなく、「最小化」するという大胆かつ勇気ある動きを発表しました。最新の「奇跡の治療法」を知りたい人には、朗報ですかね。

YouTube

小児性愛者の片棒を担がない:いまやGoogleの傘下にあるYouTubeですが、子供が搾取される問題で広告主が撤退する事態に見舞われました。「小児性愛者の温床」と揶揄されたYouTubeは2月に未成年者の動画に対するコメント無効化、ライブ配信の制限、「おすすめを減らす」といった新たな取り組みを発表しました。

特定のヘイトスピーチ問題を管理:YouTubeは6月、ヘイトスピーチ問題について「我々のポリシーを進化させ、我々のクリエイターや当社自身を高水準で維持するため」、「より厳しく」対応すると発表しました。また、ナチズム称賛動画や特定のグループが他よりも優れているとする動画が「年齢、性別、人種、カースト、宗教、性的思考、社会的地位などに基づく差別や排除を正当化する」として、禁止しました。いやいや、ナチスを排除するのに14年…フットワーク軽いんですねえ…。

Pinterest

ワクチン反対派を全面禁止:ワクチン反対派の誤情報に翻弄されたPinterestは、思い切ってワクチン関連の検索結果をすべて禁止しちゃいました。正直、この問題をうまくコントロールできているサイトは今のところありませんし、これが一番いいアイデアだったりして!?

一番の解決策が、「全部禁止しちゃえ」なんて、SNSはもう打つ手なしのお手上げ状態なんでしょうか。良好な環境を提供するには悪の芽を取り除かなければなりませんが、その結果、収益面でマイナスになることだってあるでしょう。でも、彼らにはそれだけの力があるはず。経営陣は「がんじがらめだ」とぶつくさ言うかもしれないけど。

いつも、どこかで誰かが炎上してるわけで。そんなSNSに嫌気がさしたらどうしたらいいんでしょう? そりゃ、もうログオフして、実家のお母さんに電話でもするのが、一番いいんじゃないでしょうかね。