1つのキーで100種類の入力。未来のキーボードは、カスタマイズ可能になる?

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1つのキーで100種類の入力。未来のキーボードは、カスタマイズ可能になる?
Image: Gizmodo US

問われる、難易度。

人によって"完璧"なキーボードは違うものです。グイッと押し心地のあるものが好きな人もいれば、とにかくタイピングが楽で軽いキーがいい! という人もいますよね。

コアなキーボードファンのあいだで広く支持されているのは、カチッカチッと鳴るIBM Beam Springのキーボード。そんなBeam Springの現代版ともいえるスイッチ「SILO」が、カリフォルニア・サンノゼ郊外にあるオープンソースのキーボード愛好家によって立ち上げられたInput Clubによって生み出されました。

その特徴は、アクチュエーションがカスタマイズ可能なキーボードであること。キーを押す圧によって入力情報を変えることもできるといいます。...一体どういうことなのでしょうか?

カスタマイズ可能な「アクチュエーション」

通常、キーを押すと底のほうまで下がってから跳ね返るようになっていますが、その作動をアクチュエーションといい、それによって入力が行なわれる位置のことをアクチュエーションポイントと言います。SILOのスイッチにはカチッと鳴るタイプリニアタクタイルの3種類あり、いずれもキーを押したときのアクチュエーションの制御や反応が従来のものとは違うといいます。

キーボードによってアクチュエーションポイントが違うので、キーを押すときにかける圧の強さや、キーが上下に動く移動距離はキーボードによってさまざまです。たとえばCherry Green switchは、キーを下まで押しこむ距離は長くないものの、圧をかける必要があります。いっぽうでKailh’s speed switchesはそこまで圧をかける必要はありませんが、キーを押し込む距離が小さいため、比較的速くタイピングができるといわれています。

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Photo: Input Club

こうしたアクチュエーションポイントをカスタマイズ可能にしたスイッチは、Input Clubが初めてではありません。

RealForceのRGBキーボード(2017年)のほか、今年5月にSteelSeriesが発表したApex Proもあります。 RealForceのキーは、東プレのキーボードをもとにしたメンブレン、メカニカルスイッチのハイブリッド。いっぽう、SteelSeriesのOmnipointスイッチは、Cherry Redをもとにしたリニアスイッチで、アクチュエーションの位置を調整するのにマグネットを使用しています。

マグネットのポテンシャル

マグネットは、ホール効果を活用したもので、基本的にセンサーの電圧はマグネットとの近接具合によって調整できます。これはコンピュータの磁気ラッチに用いられて、スリープ状態を知らせるのに役立ちます。センサーに関しては、過去数年でずっと正確になり、いまやキーボードのように細かいコントロールが求められても対応できるようになっています。

このマグネットは、Input ClubのSILOスイッチでも使われます。ひとつひとつのスイッチそれぞれにマグネットを持つようになるとのこと。

マグネットのメカニズムによって、スイッチのハウジング内のスペースが解放されるため、Input ClubはBeam Springと同じようなスプリングを詰めることができます。Siloスイッチには、カチッという音が気になるという人のために、ほかの2種類のリニア、タクタイルもあります。

マグネットによってできることはまだあります。キースイッチのハウジング底面から金属製のピンが突き出さないため、ボードにハンダ付けする必要はなく、新たにスイッチを交換したり回転させたりすることも可能になります。

さらにマグネットは、スイッチに複数のアクチュエーションの位置を与えて、各位置で何が起こるか指示することができます。Input ClubのAndrew Lekashmanさんは、メールで米Gizmodoへの取材に対して、スイッチごとに少なくとも100種類のアクチュエーションポイントができると述べています。

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Photo: Input Club

カスタマイズは、難易度が高い

ボタンをプログラミングすることで、1つのキーを押すだけでアドレスを入力できたり、コピー&ペーストからマクロ作成したり...カスタマイズ化によってできることは多くのPCユーザーにとって魅力的だといえます。

ところが、このカスタマイズ化は誰でもすぐ簡単にできるものではなく、時間をかけて慣れる必要があるようです。ただ、今回取材したLekashmanさんは、カスタマイズ化こそが未来のタイピングで、人々がどのようにコンピュータを使うかも大幅に変わると考えています。

Lekashmanさんは、作動点を調整するソフトウェアはまだ開発中であって、多くの人にとってフレンドリーなUIを目指す必要があると述べています。また同氏いわくWindows、Linux、macOSでも利用可能になるとしています。

最新のスイッチは現在のところ、KickstarterでKeystoneキーボードとして販売されています。 価格はおよそ100ドル(約1万800円)ですが、キーの数やRGB/ホワイトLEDを選択するかによって120〜180ドル(約1万2900円〜1万9400円)程度になります。Input Clubでもユニークなキーボードが取り扱われているので、アーリーアダプターな方々は必見です。

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