ヘドバンするオウムを科学的に研究したら、わりと深かった

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
ヘドバンするオウムを科学的に研究したら、わりと深かった
GIF: Irena Schulz

才能とか個性なのかと思いきや(そうじゃなかった)。

みなさんは、音楽に合わせて踊るオウムのことをご存知でしょうか。いまから5年前、片足をあげながらヘドバンすることで世界的に有名になったのが、オウムの一種である「キバタン」のSnowball(スノーボール)です。

ダンスをすればエサをもらえるわけでもないのに、彼はどうして曲に合わせて踊るのでしょうか...? 科学者らによって、スノーボールの踊り方の分析が行なわれました。

「こうした行動を示すのは、人類に近い種の生き物だではないかと推測する人もいることでしょう。ただ、チンパンジーはこのような動きをしないのです」と語るのは、サンディエゴ州立大学のR. Joanne Jao Keehn特任助教。論文の筆頭著者として、米Gizmodoの取材に答えてくれました。

同氏いわく「オウムは特殊です。音楽に反応して踊ることができるのは、オウムの神経・認知能力が関係しているのではないかと考えられます」とのこと。

さかのぼること2008年9月、飼い主であるIrena Schulzさんが当時12歳のスノーボールのダンスを撮影したものから、研究者らによる分析は始まりました。ちなみに飼い主のSchulzさん自身は普段ダンスをするタイプではなく、時折スノーボールに「良い子ね!」と声をかけるだけだといいます。

彼のダンスはヘドバンを含めて全部で14種類の動きがあって、上記の動画の通り、研究者らはスノーボールの踊り方に名前をつけました。Current Biologyで掲載された論文によれば、スノーボールは、Cyndi Lauperの"Girls Just Want to Have Fun"やQueenの"Another One Bites The Dust"に合わせて踊ったといいます。

スノーボールのダンスに関しては「明らかに意図的な動きではあるが、移動などの目的を達成するうえで効率的な手段ではない」ものだと定義づけられています。また彼が踊り続ける長さは、人間ほどではないこと、また誰かが一緒に踊ろうとすると踊り方を変える傾向があることも観察されています。

そもそもスノーボールは、どうやって踊り方を身につけたのでしょうか。人間のダンスの真似をしたのか、単にクリエイティブな性格なのか...。一般的には、動物たちが特定の動きをするときはエサをもらえるときに多いですが、スノーボールの場合は特に当てはまらないようです。

そこでJao Keehn氏ら研究者は、人間とオウムに共通する5つの特徴に注目しました。それは音声学習、非言語の動きの真似、長期的な社会的繋がりの形成、複雑な連続性を学ぶ能力、意思疎通のため特定の動きに注意を払う能力。

また基本的に、ダンスは知性を示すものではなく、複雑な社会的行動と結びつくものだと考えられます。

カリフォルニア大学サンディエゴ校 心理学助教のAdena Schachnerさんは、今回の研究には従事していない立場で、米Gizmodoの取材に対して次の通り説明しています。

オウムの踊るという行動は、単純で非柔軟なメカニズムから起きているのではなく、音楽と調和するような、複雑で多様な行動を柔軟に生み出すことができる、何らかの神経メカニズムによって引き起こされることを意味します。

スノーボールに限らず、踊るオウムはほかにも存在するという話を研究者から聞いているとしたうえで、彼女はこう言いました。

オウムには、人間のダンスによく似た何かしらの能力があるというように考えられます。このことはまた「世界中の人間(そして、おそらくオウムたち)はなぜ音楽に合わせて体を動かすという能力とモチベーションがあるのか」という大きな問いにたどり着くともいえるでしょう。

たしかに踊りたい気持ちと、リズムに合わせて踊る能力、このふたつを持ち合わせないと人間でもダンスってできないものですよね。専門家らによる研究は、まだまだ続きそうです。

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