アメリカの成人でHIV検査を受けたことがある人の割合は40%未満

アメリカの成人でHIV検査を受けたことがある人の割合は40%未満
Photo: Jonathan Leibson / ゲッティイメージズ

低い...。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の新しい報告によれば、米国内の成人でHIV検査を受けたことがある人の割合は40%足らずだと判明しました。しかも、HIVの感染率が過度に高い地方のある州では、その割合はさらに低いとのこと。

この報告は近年、HIVの新規感染者が数多く診断された地域に住む成人を対象とした2年間(2016、2017年)の全国調査データに基づくもの。対象地域は20の州にある50の郡とワシントンD.C.、アラバマ州とミズーリ州を含む地方でのHIV感染率が特に高かった7つの州です。調査の一環としてボランティアは過去1年以内、そしてこれまでにHIV検査を受けたことがあるか質問されました。

あまりにも低い検査率

その結果から著者らは、アメリカ国内で過去1年以内にHIV検査を受けたことがあるのはたった10%、これまでの人生において受けた経験があるのは38%だったと推定。検査を受けた割合が高かったのは、男性同士でセックスするなどHIVへのリスクが高いと考えられるグループでした。HIVの新規感染者が多い郡もまた、検査を受けた割合は高かった模様。地方においてHIV有病率の高い7つの州においては生涯で検査を受けた割合は35.5%と低かったのです。

研究の対象となった地域は、2030年までにHIVの新患を完全に撲滅とまではいかなくても激減させるための連邦政府による健康イニシアティブの対象とされている地域であるだけに、この結果には考えさせられます。現時点において、見通しはあまり明るいとは言えないのです。

「このような調査結果は、the Ending the HIV Epidemic initiativeがフォーカスする57の地方自治体においてHIV検査の推奨を十分にできていなかったことを示している」と著者は記しています。

死の病ではない

かつては死の病と言われていましたが、今は違います。感染者であっても抗レトロウイルス療法を受ければ、その余命は非感染者とほぼ変わらない水準まで延びるようになりました。さらにこういった治療薬は、ウイルス量を減らして他人への感染の可能性を低下させます。そしてこの慢性的な疾患を完全に消滅させる方法を見つけるためのうまくいきそうな取り組みもあります。

それでも流行を終わらせるとなると、HIV治療法を発見するよりも単純に新患を防ぐことの方が現実的に影響力があります。それにそのためのツールはすでに人類の手中にあるのです。コンドームのようなセーフセックスの実践はもちろん大事ですが、HIV感染リスクの高い人を守る暴露前予防投薬(PrEP)という予防法もあります。

しかしながら、人々がHIV検査を怠っているのなら、この病を抑制し予防しようとする取り組みは効果がないままです。13歳以上のアメリカ人のうち110万人がHIVにかかっているかもしれず、HIV陽性のうち14%もの人が自身の状態に無自覚だと推定されています。治療されていないHIVは最終的にはAIDsや珍しい感染症といった深刻な合併症へとつながりますし、感染の初期は自覚症状がなく、あっても最初はインフルエンザに似ていて気付かないもの。

セックスをしなくてもHIVは感染します。そういった現実があるため、CDCは13~64歳であればHIVと他の性感染症の検査を定期的に受けることを推奨しています。最近検査を受けていないパートナーがいたHIV感染のリスクが高い人はもっと頻繁に検査を受けるべきでしょう。

Source: CDC(1, 2)

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