504kmの距離を28分で繋ぐ!
イーロン・マスクが構想を発表したのち、2013年に手を挙げて設立されたHTT(ハイパーループ・トランスポーテンション・テクノロジーズ)。彼らは大きなチューブの中の空気を減圧して、その中を音速(時速1,225km)に近いスピードで人や貨物の入ったカプセルを移動させる、という次世代交通システム「ハイパーループ」を作ろうとしています。
そのコンセプトとメカニズムは、こちらの動画で大まかに説明されています。
そして現在のデザインは、こんな感じ。
「五大湖ハイパーループ・システム」計画
そこで今、HTTはアメリカとカナダの国境にあるザ・グレート・レイクス(五大湖)にそのハイパーループを通そうとしており、アメリカの下院から「五大湖ハイパーループ・システム」計画の法整備などに使う資金が提供されることになった、とFutureTimeline.netが伝えています。
これは、政府がハイパーループを通すべく、法整備や新旧の規制の溝を埋める支度金を用意したというもの。そこでまず、運輸省が次世代の交通手段であるハイパーループを通すため、法整備と規制の枠組みを新設するにあたり、予算法案である「2020年運輸・住宅・都市開発歳出法案」を可決しました。
次いで運輸省にある機関のひとつ非伝統的新興交通技術(NETT)評議会に対し、ハイパーループの安全と環境に関する議定書を策定する予算500万ドルが下りたのでした。
2都市間は28分で往来

計画は、平均時速1,175kmでシカゴとクリーブランドを結びます。HTTが作った画像によると、およそ504kmの距離を28分で繋ぐようですね。
互いを往来する人が増えれば雇用やビジネスなども活性化することでしょう。その影響は、おそらく何百万人にも波及するだろうと考えられています。それにクリーブランドからニューヨークはほぼ東に一直線なので、いずれニューヨークにも80号高速道路に沿って繋がって欲しい。
移動ポッドの素材はマーベル世界から来た
面白いのは、HTTは「Quintero One」という移動ポッドを、鋼鉄より強くて5倍も軽い「ヴィブラニウム」というカーボン・ファイバー素材で作っていること。
そうです、ネタ元は『ブラックパンサー』の出身国ワカンダが原産で、キャプテン・アメリカの盾にもなっている元が隕石の超鉱石ですよね。もちろんオマージュですし、そもそも材質が違いますが(本来は金属)、マーベルが由来の新素材ポッドに乗って毎日移動するってのは、ファンからしたらタマりませんよね。
Source: YouTube(1, 2), FutureTimeline.net, Transportation.gov