レーザー光線ピュピューン!でも本当はこんな音じゃないんだよ

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 山田ちとら
レーザー光線ピュピューン!でも本当はこんな音じゃないんだよ
GIF Image: Cameron Geddes via Gizmodo US

そりゃかっこいいけど。

SF映画や近未来アニメでおなじみの「ピュン!」、あるいは「チュン!」と高音で耳元をつんざくあのレーザービーム音

でもレーザーポインターを使っても「ピュン!」とは鳴りませんよね?

強力なレーザー光線は確かに音を発しますが、映画のような「ピュン!」でもなければ、光線そのものが音を出しているわけでもありません。音が出るとしたら、それはレーザー光線を作り出している装置か、レーザー光線がなにかと接触したことによるものです。

そもそもレーザーって?

まずはレーザーについてちょっと小難しい話。

物質はたくさんの原子の集まりで、原子のまわりには電子がとりまいています。電子は特定の「エネルギー準位」と呼ばれる軌道に沿ってしか存在できません。電子にエネルギーを加えると、より高いエネルギー準位に持ち上げられます。その後、低いエネルギー準位に落ちていく過程で光子を放出して光ります

この光を人工的に作りたい場合は、調整した光子をぶつけてエネルギーを加えることで波長が整った光子が放出されてレーザー光が得られます。この基本的な原理を利用して作られた装置のことをレーザーと呼びます。

最近のレーザー発生装置は、だいたい1枚の鏡ともう1枚の半透鏡が向かい合った構造になっています。その間に媒質(結晶やガスなど)が設置され、なんらかの電流がエネルギー源として注入されます。エネルギーを得た媒質は発光しますが、光は2枚の鏡の間を何度も往復して媒質の中を通り、媒質の原子から光子の放出を誘導します。半透鏡から装置の外に取り出された光のことをレーザー光と呼んでいるわけですが、このほかにもいろいろな種類のエネルギー源や媒質を使うことによって、レーザー光の色や持続性や強さを調整できます。

光ってそもそも無音だよね

ではレーザーって一体どんな音?

音は空気の振動によって生まれます。でも光は電磁波です。だから、レーザー光そのものは音を発しません

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音声を含む映像はこちらで確認できます。

でもレーザー光線を作り出す装置は実際かなりうるさいようです。映像は以前こちらの記事でもご紹介した「Berkeley Lab Laser Accelerator(バークレー・ラボ・レーザー加速器)」、通称「BELLA」。

ヨーロッパにあるXFEL(X線自由電子)レーザーはさらにうるさいそうですが、おもに装置自体の音と、内部を冷やすために循環している水の音なのだそうです。

XFELには電子を加速する粒子加速器もついていて、これを液体ヘリウムで冷却するためにコンプレッサーが必要なので、よけいに機械音がうるさいそうです。

破壊の音

レーザー光線が様々な媒質にぶつかって生じる音もあります。

BELLAレーザーの映像の冒頭で聞こえる「パシッ、パシッ」というかわいたドラムビートのような音。これはプラズマが起こすショックウェーブの音なんだそうです。

この場合、画面の左から右へとレーザーが走っていて、直径20ミクロンのビームに収束されています。その際ものすごく強力な電磁場が発生して、まわりの原子から電子をはぎとります。電子をはぎとられた原子がプラズマとなり、音よりも速いスピードで膨張していくので、ショックウェーブが生じるというわけ。画面右手に見える美しい光のリングもこのプラズマによるものです。

高エネルギーパルスレーザーともなるとかなり大きな衝撃音が。

映像の後半では、BELLAレーザーに現像していない黒いままのポラロイドを当てた瞬間、「パアンッ!」とまるで銃声のような爆音がとどろきます。レーザー光線が当たった物の原子から電子を削っていくわけですけど、これが高エネルギーレーザーだと音速より早く破壊が進んでショックウェーブが生じるんですね。おぉこわい。

とにかく、レーザー光線は「ピュン!」ではなく、どっちかっていうと「パアンッ!!」です。最新技術が誇るレーザー光線の威力こそは、あながちSF映画の光線銃と違わないのかもしれません。

Reference: XFELとは(理化学研究所)

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