どこまでホントか眉唾ですが、とりあえず毎日食べてみよう。
「Fertinuts」と呼ばれる調査プロジェクトにて、ナッツ類をたくさん食べる男性は、昇天時の快感と肉体への欲望をブーストアップさせられる証拠が見つかったのだそうです。
ですがまだ興奮するべからず。その結果と背後にある関係から、いくつかアヤしいと思われるお話も潜んでいるので…。
ミックス・ナッツを食べまくる調査
スペインにて行われたこの「Fertinuts」は、健康な男性100人近くが参加したランダム化比較試験でした。内容は、男性の半分は一般的な西洋式の食事に加えて14週間、毎日少なくとも60gのミックス・ナッツを生で食べるようにいわれ、残りの半分は、できる限りナッツを避けて、普通の食事に専念するよう指示されました。
研究の前後、被験者は性生活についての質問に答え、血液検査にて自然に生成される2種類の化合物、一酸化窒素とE-セレクチンの濃度を調べられました。研究者らは、勃起を可能にする陰茎内の血管の健康状態を示す指標として、この値を用いたのでした。
試験開始前、ふたつのグループの間では、血液内の成分に大きな差は見られませんでした。しかしその後、ナッツ組は平均して「快感をもたらす機能」と性欲が大幅に増加したと報告しているのです。
この結果をnutritionsに寄稿した著者は、研究をこう書いています。
結論として、我々の研究はミックス・ナッツを追加した健康的な食事の遵守が、勃起および性欲の改善に役立つことを示唆しています
以前にも似た研究があった
実はこの研究は、勃起不全だった男性が毎日100gのピスタチオを3週間摂取すると、症状が改善することを明らかにした初期の臨床研究と一致しています。
また同じ条件の被験者を対象にした、以前の研究では、ナッツを食べる被験者に、精子の質、量、機能の改善が見られたと報告されています。
新たな謎が生まれてしまった
とはいえ、食事や栄養に関する研究でよく見られるように、彼らの発見にはいくつか重要な注意点があります。
そのひとつはまず、どちらの組でも一酸化窒素とE-セレクチンの濃度に変化が現れなかったという事実があります。そもそもナッツがどのようにして男性の勃起を改善するか? という検証がチームの掲げる理論の主題だったのに、それらの効果がどのようにして起こったのかが謎になってしまいました。
ふたつの事柄がリンクされている理由が不明だからといって、それらの関係が無効になるわけではありません。ですがそこには、もっと平凡な説明の余地が残されている筈です。例を挙げると、たとえば男性たちは自らナッツを食べていることを知っていたわけで、実は自己申告による性的能力の向上はプラシーボ効果、つまり思い込みだった可能性もなくはないのです。なので本当はナッツが、身体に生物学的変化を起こした事実はなかったのかもしれません。
スポンサーへの忖度の可能性アリ
しかも決定的にアヤしいことに、この研究の資金の一部は、世界中のナッツとドライフルーツの企業800社以上で構成される業界団体、国際ナッツ・ドライフルーツ協議会(INC)から提供されているのです。論文に書かれた利益相反行為(利害の対立)いわく、研究者のひとりはINCから資金を受け取っていない科学アドバイザーで、別のひとりは過去にナッツ業界から研究費を受け取っていたと記載がありますが…真相はいかに?
産業界からの資金提供は、研究、特に栄養研究の至るところで見られます。だからといって、こうした研究結果をすぐゴミ箱にポイするべきではありません。ですが多くの場合、非産業資金による研究よりもはるかに活発で、結果に対して批判的ではない、という傾向があります。
ということで、この研究にはまだナッツを食べながら再考する価値はあると思われます。
まだまだほかの研究もある
ですがまだ、ほかの研究よりますと、ナッツ類が豊富な地中海グルメは、特に食事や血液循環が貧しい男性とパートナーとの性機能を助けることが出来る、と提案されています。そのほかにも、ナッツを食事に採り入れることで、全体的な健康上のメリットがあることを示す研究もあります。
いずれの研究もスポンサーがどこかはわかりませんが、鵜呑みにしてアーモンドをガツガツ喰らいまくったら、思い込みで冴羽遼のようになれるかもしれませんし、種馬のようにはならないかもしれません。
まぁそんなに健康に害を及ぼす食べ物ではないので、いっちょ試してみてはいかがでしょうか。ナッツという言葉はスラングでキ○タマという意味もあるので、何らかの共通項があるのかもしれませんし?
Source: nutritions, NCBI (1, 2, 3), OXFORD ACADEMIC, INC,