逆に何が撮れないというのか。
ソニーのコンパクトデジカメRX100シリーズから、新型「RX100 VII」が発表されました! RX100は1インチセンサーを搭載した高級コンデジで、今回で7世代目。
見た目はいつも通りのRX100ボディ、でも中身はエッラい進化してきてます。ソニーのレンズ交換式カメラの最高峰「α9」と同じ構造のセンサーを採用し、もうこれ何が撮れないの?とすら思わせてくれたRX100。
今回、発表に合わせて触ってきました。ハンズオン、いってみましょう。
目指したのはミニα9

この「RX100 VII」を一言で表すならば、同じくソニーのハイエンドミラーレス「α9」のRX100移植版です。秒間20コマ・ブラックアウトフリー連写と、60回/秒のAF演算ができるセンサーなど、ミラーレスのゲームチェンジャーめいていたα9。これらの性能がぜーんぶRX100に乗っちゃったんですよ。嘘みたいだけど、嘘じゃあないのですよ。

RX100 VIIは、α9と同じ、メモリー一体積層型CMOSセンサー「Exmor RS」を搭載。RX100 VIから解像度に変化はないものの、とにかく連写性能やAF/AEの処理性能がアップしています。
RX100 VII(新) | RX100 VI(旧) | |
---|---|---|
連写 | 20コマ・ブラックアウトフリー | 24コマ |
AF測距点数 | 位相差357点 コントラスト425点 | 位相差315点 コントラスト25点 |
AF速度 | 0.02秒 | 0.03秒 |
瞳AF | 静止画:人物(右目/左目切換)/動物 動画:人物(右目/左目切換) | 静止画:人物 |
有効画素数 | 約2010万画素 | 約2010万画素 |
レンズ | 24-200mm F2.8-4.5 | 24-200mm F2.8-4.5 |
AF/AEの演算処理を最大60回/秒で行なうことで、連写中でも背面モニターがブラックアウトしない仕様に。つまり、シャッター半押ししてのAFや連写体験、被写体への食いつきなどはα9と同じレベルといって差し支えなし。イメージセンサーの進化としては2世代前の「RX100V」ぶりとなります。
何よりリアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AF/動物瞳AFがすごいです。実際の撮影もこの通り。ブラックアウトなしでバッチバチに連写して、ビッキビキにピントが合う。タッチで被写体を認識したら寄っても引いてもしっかり追従してくれるし、瞳AFはこの動画のように左右前後にもしっかり食いついてきます。アルゴリズムを最適化したおかげだそうですけど、もうピントが迷うって体験が過去になりそう。

ポップアップ式ファインダーには高画質モードが追加。従来表示と見比べてみるとジャギーがおさえられて、クリアさがアップしてます。バッテリー消費が増えちゃうので、デフォルトは通常画質になってるそうな。フレームアウトしがちな被写体を追う時なんかは、ファインダーがあると集中できますね。

24-200mm F2.8-4.5の高倍率レンズや、画像処理エンジンBIONZ Xは、前モデル「RX100 VI」とまったく同じ。光学などの進化はほぼなく、イメージセンサーとアルゴリズムの調整によって、AFや連写といったα9の特化部分を宿してきたモデルといえるでしょう。走り回る愛犬や運動会の子供など、このボディでここまで動きモノを捉えられるとは。コンデジAFの新境地ですよ、こやつ。
非ターゲット層すら惹き付ける、ガチの動画性能

で、このカメラのもう1つの特徴が、動画撮影。もう、おまけの動画機能じゃあないです。スチル目的で使ってたら、いつの間にか動画撮影が好きになっちゃうような、そんな仕上がりに。

まず、動画ガチ勢やVロガーに嬉しいのは、マイク端子の追加でしょう。要望もすごく多かったそうですが、RX100のサイズをキープでマイク端子を詰め込むのに苦労したそう。マイク端子の搭載すなわち動画への本気度の表れ。
そしてリアルタイムトラッキングおよびリアルタイム瞳AF。こちらは動画撮影でも威力を発揮し、RXシリーズとしては初めて動画撮影での瞳AFに対応しました。とくにリアルタイムトラッキングは動画撮影にすこぶる便利で、動き回っている被写体はもちろん、フォーカスしたいものを変えた時にもタッチ1つでピントを合わせてくれます。人物なら瞳AFのおかげで、バチッと目にピントがキますしね。
手ぶれ補正も強化。ILC/DSCでは初めて、4K動画撮影時のアクティブ手ブレ補正モードに対応しました。従来比で約8倍の補正力。広角で歩きながら撮影する分には、非常にブレがおさえられていました。4KではなくフルHD撮影時の手ブレ補正はさらに強化されているので、4Kは必要でもないって人はフルHDで撮影してブレ補正に特化するのもアリ。

グリップ、マイク用ブラケットがセットになった「シューティンググリップセット(別売)」を装備すれば、安定感もマイク向きもバッチリ。また、超小型カメラ「RX0 II」で使えた動画編集アプリ「Movie Edit add-on」にも対応しました。アプリ側で電子手ブレをかければ、画角は狭くなるもののさらにブレをおさえられます。

地味に嬉しいのが、縦位置での撮影への対応。メタ情報を付与することで、スマホに転送したときも縦動画として編集できます。これはありがたい!
あとは新たにインターバル撮影(1~60秒)にも対応。タイムラプスもお任せあれ。そのほか、S-Gamut3/S-Log3、S-Gamut3. Cine/S-Log3への対応は前モデルから継続。あ、Fnボタンが地味によくなってて、静止画と動画時で別項目が登録できるようになりました。動画への注力っぷりが垣間見える改良点かと。
このカメラはビデオブロガーもターゲットになってるんですけど、これだけ撮れちゃうと静止画目的で「RX100 VII」を手に入れた人も動画撮影が好きになる危険性…もとい可能性が十分にあると思います。動体を狙ってもピントバッチリだし、200mmのズームで色々寄れちゃうし、手ブレあるし。それを縦動画で撮影してサっとスマホに転送、SNSにアップなんてフローもアリアリのアリ。うわーやりたい。
ポケットサイズらしからぬ連写、AF、動画性能

画質的な部分でのスペックアップこそないものの、前モデル「RX100 VI」と一緒に使ってみると、そのAF性能の違いは笑いが出ちゃうほど。こんなにピントが合ってしまうなら一体何が撮れないんだと、α9を触ったときに感じた気持ちと同じ感情になれるカメラです。よくRX100ボディでやってのけた!
で、撮れすぎて楽しいというのは動画も同じ。AFも手ブレも良し。もっとガチるならグリップやマイクもある。旅行時のVログ装備にしてもすごくコンパクトだし、Vログのつもりがないときの動画撮影でも、そもそもAFがしっかりしてるから撮っていて楽しい。Vログ的なことしたいけどそのためにカメラを持ち歩くのは…と思っているそこのあなた、コレですよ、コレ。まぁ僕なんですけどね。
「RX100 VII」の発売日は、2019年8月30日(金)。7月31日10時より予約スタート。オープン価格で、想定価格は14万5000円前後。グリップ、マイク、予備バッテリーを同梱したシューティングセットは、オープン価格、想定15万5000円前後。また、RX100シリーズ共通で使える合皮素材のジャケットケース「LCJ-RXK」も同時発売します。価格は8,900円。ケース状態で充電やマイク装着、チルト可。
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Source: ソニー