今度は成功! 次はもっと大きくジャンプするぞ!
7月24日、SpaceXが次世代ロケットの試作機「Starhopper」の非係留(地面につながれていない状態)飛行テストを行ないました。しかし、初めて命綱なしで20m上昇するべきところ、なぜか頭から盛大に炎が吹き出しあえなく中止に……。しかし早速、再挑戦が行なわれ、今度はちゃんと成功することに!
リベンジはすぐ果たせた
今年4月には、地面につながれながらの初ホップに成功した「Starhopper」。ですが今回のテストは、ガス室が高圧だったため頭から炎を噴出させて中止となったテストの、翌日に行なわれることとなりました。
SPACENEWSいわく、今度はその命綱なしで空へ向かって20m浮き、数秒後にはまた無事に地面に着陸を果たしたことが伝えられています。このテストは現地時間で7月25日の午後11時45分頃、南テキサスのボカ・チカにあるSpaceXの発射試験場で行なわれました。
この成功はSpaceXにとっては重要なステップとなり、今後はホップどころか大きなジャンプへと繋がるでしょう。これで次世代ロケット「Starship」開発が、また一歩前進したことになります。
迫力の打ち上げ映像
CEOのイーロン・マスクは、エンジン・カメラとドローン・カメラによる映像を公開。間近で見ると凄まじい迫力なのがわかります。
Drone cam pic.twitter.com/gVdMrMgUZq
— e^?? (@elonmusk) 2019年7月26日
これらの映像からは、Starhopperがゆっくりと上昇する様子がわかります。そしてラプター・エンジンから湧き出す大量の排気ガスで、完全に隠れて真っ白な画面になってしまいました。この試作機の自由飛行(というより浮遊?)は、およそ10~15秒続いていたようです。
空飛ぶ給水塔
Starhopperは頑丈な円筒形をしているので、その形状からしばしば給水塔と比較されることも。イーロン兄貴はこれを面白がり、こんなツイートも投稿するくらい。
Starhopper flight successful. Water towers *can* fly haha!!
— e^?? (@elonmusk) 2019年7月26日
Starhopperの飛行は成功。給水塔は飛べるんだね。ハハ!!
辺り一面が火の海に
Everyday Astronautが投稿した映像では、大量の煙で実験の様子はイマイチわかりませんが、テスト直後に周りの地面が広範囲で火事になっていくのが確認できます。映像は4:41:12辺りからどうぞ。
SpaceXは発射台が炎に包まれる規模を過小に見積もっていたのでしょうね…。
今後の展望:ニューヨークとパリを30分で移動するように!?
Starhopperは、SpaceXが計画している「Starship」と「Super Heavy Rocket」ロケットの試作機で、第2段階を担う完全再利用型。今後2~3年後には、「ファルコン9」に取って代わることになると考えられています。その暁には、この次世代打ち上げシステムが、衛星を地球軌道に運び、貨物や人員を国際宇宙ステーション、そして月や火星に運ぶことになります。
またStarhopperは、100人の乗客を長期の惑星間飛行に乗せるように改造することも可能であり、さらには地球上での2地点間輸送にも利用できるのだそうな。これだと、たとえはニューヨークとパリの間を、たったの30分で移動することになるのです。将来の移動は飛行機ではなくロケットが当たり前、なんてことになったらイイですよねぇ。
次は目標200m!
ということで、SpaceXは、今回初めて成功させた自由飛行を踏み台に、さらに野心的な飛躍を目指しています。イーロン兄貴は、「今後1~2周間で200mのホップを行なうよ」と豪語しています。成功を祈りましょう!
200m hop in a week or two
— e^?? (@elonmusk) 2019年7月26日