もっと早く、もっと効率的に酔っ払えるバー専用の顔認識システムが登場

  • author Melanie Ehrenkranz - Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
もっと早く、もっと効率的に酔っ払えるバー専用の顔認識システムが登場
Image: DataSparQ

少しでも早く酔っ払いたい人にとっては朗報かもしれません。

顔認識システムはこれまで、偏っていて、不当で、欠陥があって、超強力だと証明されてきました。監視や抑圧、権威主義の道具として使われてきた顔認識システムが、次はバーで酔っぱらったあなたを追いかけ回すことになりそうです。

イギリスのデータサイエンス企業DataSparQ社が、バーのカウンターに近づいてきたお客さんを顔認識機能でビデオ画面に記憶させて、注文待ちのリストに追加してくれる「AI Bar」と呼ばれるシステムを開発しました。早く飲んで酔っ払いたいお客さんにとっては、混雑したバーのカウンターに並ぶ時間が短くなり、経営者にとってはより多くのオーダーをさばくことができるようになる、一見するとウィンウィンな画期的システムです。

同社のプレスリリースによれば、このサービスは標準的なウェブカメラとディスプレイ画面を使用するのだとか。

いつ飲み物をゲットできるかわかる効率的なシステム

Video: DataSparQ/YouTube

仕組みはこんな感じ:カメラが並んでる人の顔を認識し、それぞれの顔を小さな緑色の丸で囲んだ映像をカウンターの背後に設置してあるスクリーンに映しだします。スクリーンの右側には、顔のサムネイルと注文したドリンクが出てくるまでの時間が表示されます。

またAI Barが特定の人に25歳未満というフラグを立てると、FaceTabと呼ばれる機能がその人の顔を画面に追加し、バーのスタッフに身分証明書を確認するよう促します。同社のリリース文によると、年齢の確認をすませた人だけが飲み物をオーダーできるそうです。

気になるプライバシーは大丈夫なの?

このシステムは、注文した人がカウンターからちょっと離れても、顔を短時間覚えているそうです。動画では「顔の画像は保存されません」と主張していますが、プレスリリースでは、顔の画像とデータは「24時間以内に削除される」と述べていることから、おそらく短い時間、情報はどこかに保存されていると思われます。

情報がどこに、どのようなかたちで安全に保管されているかについて、DataSparQの広報担当者が米Gizmodoにメールで伝えたところによると、スクリーンに映し出されたバーのライブビデオ映像は、配信後にローカル上ではなくメモリ内に保存されるとのこと。ただし、スクリーンの右側に表示される人物の顔画像のサムネイルはローカル上に保存され、セッション終了時(「ほとんどの場合、夜の業務終了時」と担当者)に削除されるそうです。

広報担当者によると、これらの画像は西ヨーロッパのデータセンターにあるMicrosoft Azureコグニティブサービスクラウドの「実行キューの生成を可能にするIDと類似性スコアに応答する」APIに送られますが、IDと画像はセッションが終了すればローカル上とクラウドから削除されるそうです。

ただしセッション終了前に情報を削除したい場合は、バーの従業員にアプリを使って画像とIDを削除してもらう必要があります。システムの干渉を受けないままバーにいたい人は、「撮影されるのを避ける」という無茶ぶりにこたえなければいけないようです。「このゾーンに入ると、AI Barの行列に追加されます」という床の注意表示を例に挙げ、カメラの範囲外にいるとわかる表示がされるはずと同広報担当者は述べてはいますが…。

顔認識システムの精度は80%以上で、なにかの間違いで同じ人物を二度識別してしまった場合(途中でサングラスをかけた場合とかね)は、「機械が学習できるように」バーテンダーがアプリを使って間違いを訂正するとのこと。

このテクノロジー自体は、お客さんにとってバーカウンターでの地獄のような行列を回避でき、また、店にとっては賑わう時間を少しでも長くできるため、目的としては素晴らしいといえるでしょう(結果として利益にもつながりますし)。DataSparQのマネージングディレクターであるJohn Wyllie氏はプレスリリースの中で、来年中にシステムを全国展開するために交渉中だと述べています。

で、結局のところなんのための顔認識システム?

行列に並ぶのは最悪で、混雑したカウンターでは、誰が最初にサービスを受けるのかについて、ちゃんとした公平なシステムはほとんどありません。でも、喉がカラカラで切羽つまった状態の顔がスクリーンに映し出されて、バーにいる人たち全員に見られるなんて、酔いもどこかに吹っ飛ぶってもんです。

パーッと楽しむはずの場所で、顔認識システム入れれば並ぶ時間短くなるよと言われても、いや、それ監視されてディストピアみたいになるだけじゃんっていう…。

ついでに、このシステムがなんなのかについてハッキリさせておくと、これはバーテンディングを自動化するための最初のステップです。

そして、率直に言って、友だちと飲みに出かければ、ルールもなにもあったもんじゃない行列にうんざりすることくらい想定できます。ごった返す人をかき分けてカウンターまで辿り着くのはちょっと大変かもしれませんが、監視システムに追いかけ回されるよりはよっぽどマシですよね。

Source: DataSparQ

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