ユーザーにとっては願ったり叶ったり。
音楽ストリーミング業界にてバチバチとユーザーを取り合っているApple(アップル)とSpotify。
しかし、SiriからApple Musicは再生できるのに、ライバルであるSpotifyが再生できない仕様になっており、Appleの優位性に対してSpotifyのお怒りが続いています。過去にはApp Storeにおける「Apple税」が我慢ならんと、Spotifyは欧州委員会に独占禁止法違反の申し立てをしたこともあります。
しかしここにきて、雪解けの動きが少しありそうです。The Informationよれば、AppleとSpotifyはSiriでのボイスコマンドを利用した楽曲、プレイリスト、アルバムの再生について、現在、協議しているそうなんです。つまり「ヘイSiri、○○をSpotifyでかけて」が実現することによって、両社が和解する可能性が伝えられています。
なぜSpotifyは再生できないの?
そもそもなぜ、SiriでSpotifyのコマンドがないかというと、これはSpotifyに限らず音楽アプリがSiriに対応していないから。2016年のこと、AppleはiOS 10の発表と同時に「SiriKit」という開発者キットを公開しました。ここで初めて、Apple以外のアプリをSiriから操作できるように。しかし、ここで対応したのは、メッセージアプリやライドシェアアプリなど、6つのカテゴリのみ。ここに音楽の操作は含まれていませんでした。
しかし今年6月のWWDCで発表された「iOS 13」では、SiriKitに変更がくわえられており、音楽アプリやPodcastアプリにも対応。Siriでのボイスコマンドでの再生や停止ができるようになります。AppleとSpotifyはこの新機能について、話し合いを進めていると報じられています。
なお報道によれば、たとえSiriがSpotifyに対応したとしても、Apple Musicはデフォルトの音楽配信アプリであり続けるとしています。
HomePodでも?
SpotifyがSiriに対応すれば、もうすぐ日本で発売されるHomePodでも、わざわざiPhoneからAirPlayで飛ばして再生する必要がなくなる可能性もあります。「Siri対応」と「HomePod対応」は同義ではないため「HomePodでSpotifyが使える!」と言える日が近いうちにくるのかはわかりませんが、Spotifyユーザーにとっては幾分かHomePodを買う後押しになるはず。
ユーザーにとってはもちろんSiriでSpotifyが再生できれば一番いいのですが…これは、Appleの度量が試されるケースなのかもしれません。
Source: The Information via MacRumors