メッセージもスペックもアツいッ。
ハイアマ人気の高い「EOS 7D Mark II」といえば、キヤノンAPS-C機のフラッグシップモデル。しかしその発売は2014年で、オールラウンダーなミドル2桁「EOS 80D」も2016年発売と、この層の刷新がここしばらくなかったキヤノンでした。
今回新たに発表されたAPS-C機の光学一眼レフカメラ「EOS 90D」は、そんなハイアマやプロサブをメインターゲットとしたモデルですが、それだけにあらず。キヤノンいわく、この子は「APS-C一眼レフの完成形」とのこと。完成形とな!
スペックを眺めるだけでうっとり

「EOS 80D」の後継には違いないのですが、まぁこのスペックの惜しんでないことと言ったら。画素数は約3250万画素。3000万画素超えのAPS-Cカメラは、これが世界初になります。連射はファインダー時10コマ、ライブビューAF固定で11コマ。メカ・電子先幕シャッターは最高1/8,000秒、電子シャッターで1/16,000秒と、すべてが80D超え。エンジンはDIGIC 8。
AEセンサーも新しくなり、ファインダーでも顔検出、顔優先AFが有効に。ミラーレスの感覚だとピンと来ないかもですけど、光学ファインダーを見ながら顔認識が効くのって、なんか不思議な感覚でした。ファインダーだからカクつきもないしくっきり映るし、これは良い。気持ちが良い。
ハイエンド機に近づいた操作感

本体も眺めていきましょうか。重量は80Dよりも20g軽い、約701g。グリップ感はとてもよく、深めのシボは指先にグッと食いついてくれます。


ユーザーからの要望も多かったという、独立型のマルチコントローラーを搭載し、従来のコントローラーと合わせて2つのマルチコントローラーを装備。ファインダーを見ながら測距点を動かすような、光学カメラ的な使い心地に貢献してくれます。

こんな風に、モニターを見ながら測距点を動かすのにも良し。キヤノンがバリアングルモニター付きEOS一眼レフにこのマルチコントローラーを搭載したのは初めて。

シャッターといえば、シャッターボタンにもこだわりが。上位機種と同じ機構を採用していて、半押しと全押しで圧力が変化し、半押し状態を維持しても余分な力がかかりません。すなわち連射向き、動体性能高し、と。
ほかには1点AFよりも狭い範囲で測距するスポット一点AF、最大25,600のISO感度、4K30pの動画撮影なども完備。4K動画はクロップありなしの選択が可能で、寄りたい時と引きたいときとで柔軟な選択が可能です。Bluetooth通信にも対応し、スマホとのデータやり取りもパワーアップ。




縦位置グリップや音声入出力端子などももちろん健在。欲しいものはだいたい揃っていますが、SDカードスロットはシングルです。
惜しまないで作られた、APS-C機の完成形
前モデルの80Dどころか、イメージモンスター7D Mark IIをも超える、まさにAPS-Cの完成形にふさわしい性能じゃあないですか? 昨今はフルサイズやミラーレスが盛り上がってますが、APS-Cはフルサイズの下位互換ではなく、光学ファインダーだからこそ撮れるものがある。キヤノン的にも、そうしたメッセージを発信したいと発表会で述べていました。アツい。

個人的には、この時代に光学ファインダーの新型機が出ることがまず嬉しいですね。しかも、ちゃんと性能を突き詰めてくれてる。じかに被写体を見るという光学ファインダーのメリットは尊重しつつ、連射やAFといったミラーレスに軍配が上がりがちな部分は技術で引き上げていく。
2019年に生まれた光学ファインダーのカメラとしても、バッキバキに仕上げてきた1台だと感じました。もちろん「これでフルサイズなら…!」と思う人の気持ちもわかるとして。でも3000万画素ですよ? 画質的な不満とかもうないっすよ。うへぁー。
その他のスペックや価格、発売日は以下にまとめました。光学ファインダーで見える世界が、ここまで撮れる。やってくれましたよキヤノン氏。
7D Mark II | 90D | 80D | |
---|---|---|---|
映像エンジン | DIGIC 6 | DIGIC 8 | DIGIC 6 |
有効画素数 | 約2020万画素 | 約3250万画素 | 約2420万画素 |
ファインダーAF | クロス測距点最大65点、顔AFあり | オールクロス45点 顔AFあり | オールクロス45点 顔AFなし |
ライブビューAF | デュアルピクセルCMOS AF | デュアルピクセルCMOS AF AFエリア分割数 最大143点 | デュアルピクセルCMOS AF AFエリア分割数 最大35点 |
常用最高ISO感度 (静止画) | ISO 16000 (最大拡張ISO 51200相当) | ISO 25600 (最大拡張ISO 51200相当) | ISO 16000 (最大拡張ISO 25600相当) |
連写 | 最高約10コマ/秒 | 最高約10コマ/秒(ファインダー、AF固定/追従) 最高約11コマ/秒(ライブビュー、AF固定) 最高約7コマ/秒(ライブビュー、AF追従) | 最高約7コマ/秒(ファインダー、AF固定/追従) 最高約7コマ/秒(ライブビュー、AF固定) 最高約5コマ/秒(ライブビュー、AF追従) |
最高シャッター速度 | 1/8000秒 | 1/8000秒(メカ/電子先幕)、1/16000(電子) | 1/8000秒(メカ) |
モニター | 3.0型 約104万ドット | 3.0型 約104万ドット バリアングル | 3.0型 約104万ドット バリアングル |
動画 | Full HD 60p/50p | 4K 30p/25p クロップ有無を選択可 | Full HD 60p/50p |
サイズ、重量 | 約148.6x112.4x78.2mm、910g | 約140.7x104.8x76.8mm、701g | 約139.0x105.2x78.5mm、730g |
マルチコントローラー | 1つ | 2つ | 1つ |
発売日:2019年9月中旬発売予定
価格
・ボディ 約15万円
・18-135mmキット 約19万7500円
2019年08月28日 15:05 訂正: 7D Mark IIのファインダー顔AFが「あり」のところを「なし」と誤記がありました。訂正いたします。
Source: キヤノン