まるで巨大なパイ菓子。NASAの火星探査ローバー「キュリオシティ」が複雑な層の巨岩を発見

  • 11,599

  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
まるで巨大なパイ菓子。NASAの火星探査ローバー「キュリオシティ」が複雑な層の巨岩を発見
Image: NASA/JPL-Caltech/MSSS

今度の発見はキラキラしていませんが。

かつて火星の地表にてキラキラした岩を見つけ、そのあと遠くの方に光る謎の物体を捉えた火星探査機のCuriosity(キュリオシティ)

現在も火星を探査中のキュリオシティ先輩ですが、今度は数十の堆積層からなる巨礫(きょれき)サイズの岩を見つけました。チームはこれを「Strathdon(ストラスドン)」と呼んでいますが、この発見により、NASAのキュリオシティがいる地域は、一般的に認識されているよりも地質学的に複雑であることが見出されました。

粘土が豊富な土地

ここ数カ月、キュリオシティはゲイル・クレーター内の「クレイ・ベアリング・ユニット」と呼ばれる、粘土が豊富に埋没されている地域を探索してきました。シャープ山の斜面に沿って位置するこの地域は、かつて湖や小川があった場所ですが、現在では粘土鉱床の形で残っています。

この地域を調査することで、科学者たちは、火星が地表にを湛えられた、そしておそらくは生命さえも維持できたであろう、火星の遥か遠い昔を垣間見ることを期待しています。

巨大なパイ菓子「ストラスドン」

そんな最中で、キュリオシティは数十の堆積層からなる大きな岩に遭遇したのでした。チームによって「ストラスドン」と名付けられたこの脆い岩は、層になった波状の列を持つ巨大な中東のパイ菓子「バクラヴァ」の塊のように見えます。

NASAによりますと、これらの特徴は風や流れる水、あるいはその両方による劇的な環境が、この地域に独特の地質学的特徴をもたらしたことを示している、といっています。

キュリオシティの粘土層探査で共同リーダーを務めている、カリフォルニア工科大学のヴァレリー・フォックス博士研究員が、NASAのプレスリリースでこう述べています。

我々はこの岩石から、古代の湖の環境がどのように進化してきたか見て取れます。湖は静的なものではありませんでした。

火星がただ湿った環境から乾いた土地へと変化したという単純な見方から、もっと複雑な歴史を辿ってきたという見方にシフトさせてくれています。

190809_curiosity2
Image: NASA/JPL-Caltech/MSSS

2019年7月9日、キュリオシティは搭載されたマストカメラを使い、「ストラスドン」の写真(上記)を撮りました。それからNASAはこの画像を調整して、地球上の通常の昼間の状況で岩や砂がどのように見えるかを再現しました。

翌日、キュリオシティはロボット・アームに取り付けられたマーズ・ハンド・レンズ撮像装置(MAHLI)を使い、10cmの距離で岩を撮影(下記)しました。

190809_curiosity3
Image: NASA/JPL-Caltech/MSSS

360度のパノラマ写真も

その数週間前、キュリオシティが「クレイ・ベアリング・ユニット」内を探検していたとき、探査車は「ティール・リッジ」と呼ばれる砂利の岩の横に立ち止まり、360度のパノラマ写真を撮りました。

この画像は6月18日に撮影されたもので、こちらも地球のような照明条件下で見えるように色補正されています。

Video: NASA Jet Propulsion Laboratory/YouTube

まだまだ現役。後輩もやって来る予定

にわかには信じられませんが、火星で7年間を過ごした今でも、キュリオシティはまだ新しくて予想外のことを発見してくれています。内蔵された原子力発電システムは、あと数年はもつはずなので、私たちは将来まだまだ多くの発見を期待することが出来るでしょう。

そして、さらにエキサイティングなことに、NASAは「Mars 2020」というまだ正式名称のない新たな探査車も投入し、これも火星の地表を走ることになります。開発は順調に進んでいるようなので、今後も火星の新発見に胸を躍らせることになりそうですね。

Source: NASA, MARS Curiosity Rover, YouTube

    あわせて読みたい

    powered by