ハンディクリーナーの下克上。
食洗機、乾燥機つき洗濯機、ロボット掃除機。「共働き3種の神器」とか、「令和3種の神器」とか言われている人気の家電ですね。
で、ここにShark(シャーク)のハンディクリーナー「EVO Power Plus(シャーク エヴォパワープラス)」が4種目の神器として活躍しているのがわが家なんです。
問題はロボット掃除機。ロボットだけじゃカバーできない場所がいっぱいありますからね。ロボット掃除機を持っていても、今までの掃除機は残しておくのが普通だと思います。わが家はメゾネットなのですが、階段はロボットじゃ掃除できません。
ですがこのハンディクリーナー「EVO Power Plus」を購入したのを機に、今まで使っていた掃除機(コード式紙パックキャニスター)を捨てました。ハンディクリーナーなのに万能なんだもん。...まぁ欠点もあるのですが。それでは自腹のEVO Power Plusをレビューしていきます。
「ふつうの掃除機」に昇格するハンディ掃除機
掃除機捨てちゃったけど、ハンディクリーナーだけで大丈夫なの?
本来、ハンディクリーナーで家中をすべて掃除するなんて無理です。ところが、このEVO Power Plusは「フローリング用延長ノズル」を取りつけることで、「ふつうの掃除機」に昇格します。つまり床掃除ができちゃう。
ダイソンみたいに、掃除機に短いノズルをつけてハンディクリーナーにすることはあったけど、ハンディクリーナーが普通の掃除機に格上げされるシステム、はじめてでは? 下克上だ...。
サイズ感はこんな感じです。
ダイソンのようなスティック型のコードレス掃除機に比べると全長が短いので、ちょっと腰に負担はかかってるかも。でも狭い廊下だとこのほうが意外と取り回しがいいんですよね〜。
あ、そういえば気になるのは駆動時間。コードレスハンディクリーナーなので当然バッテリー式です。バッテリーは1つで12分もちます。え、12分だけかよ...!と思いきやこのバッテリー、もう1つ付属していて充電ドックで2つ同時に充電可能です。つまり両方満充電なら交換しながら24分使えます。ちなみにわが家の場合、床を全部EVO Power Plusで掃除しても20分くらいしかかからないので余裕でした。
あくまで簡易的な床ノズルなので注意点も。先っぽが上下方向にしか可動しません。たとえば階段の角なんかはノズルを外して掃除するとか、工夫は必要です。
ハンディ掃除機以上、普通の掃除機未満の吸引力
床用としての吸引力はどうなのか。
今まで使っていた掃除機は紙パックのキャニスター式だったので、さすがにそれと比べてしまうと吸引力は劣ります。僕のイメージですが、新大学生向けの「一人暮らし家電パック」のなかに電子レンジとかとセットで入ってるやっすい掃除機と同じくらいの吸引力。
具体的に言うと、フローリングの細かいホコリや髪の毛はもちろん吸い込みますし、キッチンに落ちたお米やコーヒー豆もなんとか吸引してくれるって感じです。吸い込みの様子は動画でどうぞ。
フローリングの床をこのぐらい吸ってくれるなら全然OKです。むしろこの本体サイズでよくがんばってくれます。
しかし、わが家で鬼門なのはソファーの前に敷いてあるラグ。前の掃除機ではギリギリ吸い取れてましたが、毛足の長いラグの中に落ちたゴミってなかなか吸わないんですよね。フローリング用のノズルなのですが、試しにラグのゴミをEVO Power Plusで吸ってみたのでご覧あれ。
おおい...何往復してるんだ...。吸いきれたように見えるけど、奥に入ったゴミがしぶとくて、途中でノズルを外して直接吸いました。最終的に吸いきってはいますけど、時間がかかります。
そもそもラグに関しては、コロコロをかけてから掃除機をかける、などの高等テクニックがあるみたいなので、掃除機だけで何とかするのは間違っているのかもしれません。
わが家はこのラグ以外はフローリングなので、特に苦労することなく掃除できました。
ハンディクリーナーとしては十分すぎる吸い込み
あんな長いノズルをつけても吸引力があるのは、もちろんハンディ掃除機としての本体のパワーがすごいから。
iMacの裏とか、カメラを飾ってる棚の上とか、ガジェット好きな我々としては特にこまめにホコリを取りたいところ。強大な吸引力でUFOにさらわれる地球人のごとくホコリが吸い上がっていく感じです。
すきま用のノズルがついていて、細かいところを掃除するときに便利。その他、布団ノズルや衣類にも使えるマルチノズルも付属。
ちょっと残念だったのは排気口が本体真横にあること。排気口が掃除する場所に近すぎてホコリが舞い上がっちゃうことがあるんですよね。もうちょっと排気される方向は気をつかって欲しかった…
「軽さ」と「ゴミ捨て」と「メンテ」部門、はーい優勝!
床もいけるハイパワーなハンディ掃除機ってことはわかっていただけたと思うので、僕がいちばんテンション上がったところ、言わせてください。
まず軽さ! 軽い! 正義!
620gですよ? 十六茶(630ml)よりも軽いんですよ? フローリング用延長ノズルをつけると820gですがやっぱり軽い。
この軽さはこれから掃除を始めるという時の、あの憂鬱なめんどくささを中和してくれます。充電スタンドからサッと抜刀してスイッチオン、クイックルワイパーみたいな軽快さで棚から床までキレイにしてくれます。
「重たいカメラ持ち歩かなすぎて結局あんまり写真撮らない現象」と同じで、ガジェットって軽いに越したことないと思うなぁ。
あとはゴミ捨てがすごい!
ワンプッシュで、一発でゴミタンクが空になります。いやダイソンとか他の掃除機もそれを謳っていますが、ハンディクリーナーの小型タンクだからできる芸当がこれです。
EVO Power Plusのゴミ捨ては、蓋が開くだけじゃない。タンクごと外側にブンッと展開する遠心力で中のゴミの塊がぽーんっと飛んでくんですよ。
あと、開くときにタンクのフチの部分がフィルターにこびりついたホコリもこそぎ取ってくれるので、ワンプッシュの後のタンクは本当にキレイ。あ、こぼれないように狙いを定めるのが難しいので、もっと大きいゴミ箱に捨てたほうがいいですよ。
次にメンテ! ゴミ周りはぜんぶ水洗いできるのがいい。
フィルターもジャバジャバ洗っていい。分解もぜんぶワンタッチ。タンクが小さい分、こまめにメンテはしたいところ。水洗いでざっくり済ませられるのはありがたいです。
ただ、フィルターの隙間のホコリを取るのはちょっとだけ根気がいるかも。つまようじか綿棒でほじくると、ごっそり取れて気持ちいいです。
これまでの満足感が台無しになる最悪の欠点が1つある
Shark EVO Power Plusは間違いなく僕が使った掃除機史上もっともスマートでクールな一品なのは間違いないのですが、ごめんなさい、最悪の欠点があります。
充電ドック、後ろの方に交換ノズルを1種類だけ立てておくことができる穴があるんですよ。最高ですよね? 当然、よく使う床用の長いノズル、立てたいですよね?…立たないんですよぉ…これが…。
溝にちゃんとささらないのです。
どうしてこうなったのかとても謎。フローリング用延長ノズルは本体から抜けにくいように固定するためのツメがあるのですが、どうやらこれがドック側の穴に干渉してるみたいなんです。そ〜っとバランスをとれば立たないこともないのですが、少し触っただけで倒れちゃいます。後ろのスペースを取ってしまうので立てられたとしても置き方に困る。
購入するときにシャークの販売員の方に聞いた話ですが、実はこのフローリング用延長ノズルがついたEVO Power Plusは日本向けの派生モデル。もともと日本のユーザーからの要望で実現したんだと言っていました。だから充電ドックの穴までこのノズルに最適化することができなかった、ということなのかもしれません。まぁあくまでハンディクリーナーですから、このノズルはオプションですよってことでしょう。
しょうがないので、フローリング用延長ノズルは毎回クローゼットから引っ張り出して使っています。めっちゃ悔しい。全然スマートじゃない。
ロボット掃除機の出番すら減った
わが家にはAnkerのロボット掃除機が1台あります。EVO Power Plusを購入したときは、ロボット掃除機が基本で補助的に細かいところだけEVO Power Plusで掃除することになるんだろうなと思っていました。
でも自宅に導入して使ってみると、EVO Power Plusが完全にメイン機として活躍していて、ロボット掃除機がサポート役になっているのが実態なんですよね。
本来、掃除機がけは大変だからロボットに任せよう、という発想だったのに、掃除機が軽すぎてロボット動かすほど大変な仕事じゃなくなってしまったんです。
むしろロボットのゴミタンクをこぼさないように慎重に処理したり、ロボットのローラーブラシに絡まった髪の毛をいつかキレイにしないと…みたいなのを想像すると、ロボット動かすほうが憂鬱かも。あくまでわが家の部屋サイズの場合ですけど。
うちは普通の掃除機は捨てちゃいました。ロボット掃除機の出番すら奪うかもしれないEVO Power Plus。4種目の神器として、どうでしょう?
Source: Shark