アメリカで電子タバコによる初の死亡者がでる

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アメリカで電子タバコによる初の死亡者がでる
Image: Justin Sullivan/Getty Images News/ゲッティ イメージズ

電子タバコは可燃性タバコより害は少ないっていうけど…。

先週の金曜日、イリノイ州公衆衛生局はある患者が電子タバコに関連すると思われる謎の肺の病気で苦しんだのちに死亡したことを発表しました。米国疾病対策センターによると、同様の可能性の症例が全国で100例以上報告されているとのこと。

電子タバコやベープ使用後の数日から数週間で呼吸器疾患に

イリノイ州公衆衛生局は、電子タバコを利用後に重度の呼吸器疾患で入院していた患者が亡くなったことを報告しました。この患者の具体的な年齢や性別は明らかになっていません。しかし最新情報によると、同州ではこれまでに22人が電子タバコやベープ使用後の数日から数週間で呼吸器疾患にかかったことが確認されており、さらに12人にも同様の症例の可能性があると調査しているとのこと。

これらの被害者の年齢は17〜38歳で、ほとんどの人が咳や息切れ疲労などの症状を徐々に悪化させていて、中には嘔吐下痢を起こす人もいるとのこと。

この症例が初めて報告されたのはウィスコンシン州で、6月下旬のこと。イリノイ州は2番目でした。8月はじめ、アメリカ疾病管理予防センターは他の州の医師や保健当局者にも同様の症例がないか調査するように呼びかけました。今の所、アメリカ国家安全保障局(NSA)は15州で149件以上の可能性を発見。その数は今も増え続けているとのこと。イリノイ州公衆衛生局のNgozi Ezike所長は声明で次のように伝えています。

人々が経験している病の深刻さは警告を発されるべきですし、電子タバコを使用することの危険性も声に出して伝えていきたいです。私たちは疾病管理予防センターからのチームにこれらの症例を調査するのを手伝ってもらいます。彼らは火曜日にイリノイに到着しています。

原因はテトラヒドロカンナビノール…?

それにしても、本当に電子タバコがこんな恐ろしい事態を引き起こしているのでしょうか? でも、感染性アウトブレイクのような可能性を除外すれば、実際にこれらすべての症例を結びつけている唯一の明確な関連性が最近のベープ歴なのだそうです。そして多くの犠牲者が大麻のハイになる原因である化学物質のテトラヒドロカンナビノールを含有する製品を使用していたと報告されています。

専門家は、引火性液体を含む可能性がある気化性THC化学成分と、粗悪な電子タバコの組み合わせが、これらの症例でみられる吸引による損傷の原因であると主張しています。しかし、被害者はさまざまなデバイスを使っており、全ての症例にTHCや、合成カンナビノイドが関与していたわけではないとの報告もあるので、ハッキリと「この製品と化合物に責任あり」とは言えない状態のようです。それに、これらの症例が共通の原因をもつ疾患でなく、類似した症状をもつ別の疾患である可能性だってあるんですよね。

最近の死亡例はベープそのものに関連している最初の症例の可能性が高いそうですが、近年は研究者や医師らが痙攣を含む広範囲の健康への影響を報告し始めています。

従来のタバコより影響はないなんて言われていましたが、長期にわたって慢性的に電子タバコを使うと健康に問題が出る可能性があることを示す証拠も増えてきています。

まぁ、健康被害にあいたくないなら、紙タバコだろうと電子タバコだろうと、タバコである限り何らかの害はあるし、吸わないのが1番って話なんでしょうね。それにしても、吸って数日から数週間で重度の呼吸器疾患って…。下手したら紙タバコより怖いんですけど…。