飛行時間は10分だけ。
皆が知っている古い格言で、「一度で上手くいかなければ何度でもやれ」というものがあります。人には、時としてブーツの紐を締め直し、ZAPATA社が作る「Flyboard Air」に乗ってドーバー海峡横断に再挑戦しなければいけないこともあるのです。
2度目の正直
7月のこと、設立者のフランキー・ザパタ氏が挑戦したこのドーバー海峡横断は、給油に失敗し途中で水に落ちて失敗してしまいました。ですが The Guardianによりますと、このフランス人発明家は、ついに日曜日に2度目の挑戦に成功したとのこと。これで「Flyboard Air」を完全なる恐怖の軍事兵器にする可能性の有効性が認められることとなりました。
では動画にて、その再挑戦が成功する様子をチェックしてみましょう。
ザパタ氏は40歳の予備兵で、自分の設計による「Flyboard Air」に乗って約35kmの距離を飛行。道中半ばで背中に背負っていた燃料ケロシン補給のため一度待機していた船の上に降りました。フランスのサンガットとイギリスのドーバーは、「Flyboard Air」の速度で20分かかるのです。設計上この乗り物は連続して10分しか飛ばないのですが、もしもっと飛べたら、すでにフランスが世界征服を完了させていたことでしょうね…。
ザパタ氏はこの再挑戦を成功させ、SFの世界から飛び出したのち、BBCにこうコメントしました。
私たちは、この機械を3年前に作りました、そして今、我々は運河を渡ることが出来ました。クレイジーですよね。これが歴史的なイベントであるかどうかは、私が決める立場にはありません。歴史がそれを告げるでしょう
軍事補助金で作った
彼は2011年に、水圧を利用して空中浮遊する「Flyboard」を作り、それから3年かけて「Flyboard」を発展させ、タービン・エンジンで空を飛ぶ乗り物「Flyboard Air」を生み出しました。ですがその開発費用の一部は、昨年にフランスから受け取った総額約140万ドルの軍事補助金だったのです。
そしてThe Guardianいわく、先月彼は7月14日のバスティーユ・デイでシャンゼリゼをライフル(願わくば無装填の)を持ったまま見物人の上を飛び回りました。そこでフランス陸軍大臣は、この装置を 「飛行する兵站(戦場で物資を輸送)用プラットフォームとして、あるいは実際に攻撃用プラットフォームとして」 使用できると主張したのでした。
これはもしや、宙に浮いて攻撃してくるスーパー・ソルジャーが戦火に投入されるのでは?と心配になった皆さん、そこは恐れるなかれ。2017年、ザパタ氏はアメリカ軍とコレに似た戦闘マシーンを開発していたのですが、もし10分の制限を超えられる技術が完成していたら、世界はとっくに第3次大戦に突入していたことでしょう。
今後どう発展するかは、推して知るべしですけどね。
Source: YouTube, The Guardian, THE VERGE, BBC, ZAPATA