奇跡の素材グラフェンは、蚊を寄せ付けない効果もあった!

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
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奇跡の素材グラフェンは、蚊を寄せ付けない効果もあった!
Photo: Brown University

まじ奇跡。

…最近、蚊の勢いすごくないですか? 夏の終わりで奴らも焦っているんでしょうが、何がなんでも吸ってやる!いけー!みたいな気迫を感じますね。ならばこっちも本気で防御するのみ。最新技術でね。

夢の素材グラフェンで蚊を撃退

ブラウン大学が、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of Americaにて発表した最新の研究論文によれば、グラフェンが蚊の撃退に効果ありなんだそう。グラフェンといえば、炭素原子が六角形格子構造で結びついているシート状物質で、超伝導性も発揮できる夢の素材と言われています。

個人的には、未来的な何かを聞くときによくでてくる能力未知数のすごい素材という印象ですが、その印象間違ってませんでした。ブラウン大学の研究チームが、このグラフェンを使った有害な化学物質から肌をまもる生地が、蚊の撃退にも有効だと発見。

2重バリア! …だけど弱点も

研究チームが、グラファイト vs. 蚊で発見したことは大きく2つ。まず、蚊は血を吸うために皮膚に針をさすわけですが、この針が酸化グラフェンの層を貫通できないということ。もう1つは、グラファイト層をプラスした服を着ていると、貫通以前にそもそも蚊が布にとまらない=寄ってこないということ。これは、人間が発する蚊を引き寄せてしまう物質(汗など)をグラファイト層がブロックすることで、蚊に気づかれないため。

つまり、グラファイト層は、物理的に蚊の針から肌を守るだけでなく、蚊を引き寄せる物質が外に漏れることもブロックする、2重のバリア性があるということ! さすが奇跡の素材グラファイト。と思いきや、何事にも弱点はあるんですね。グラファイト生地の場合、それは水。

通気性か蚊バリアか

研究で蚊バリアとして使われた酸化グラフェン素材、完全に乾いた状態じゃないと効果を発揮しませんでした。つまり、濡れると=雨がふったらバリアがとけてしまうのです。対応対策として、研究チームは酸素分を減らした新たな酸化グラフェン素材を制作。これだと濡れても蚊バリアとして作動しましたが、通気性はゼロに。夏場の通気性ゼロはつらい。服の中汗ビッチョリだけど蚊に刺されないのがいいのか、風通しよく快適だけど蚊に刺されるか…。どっちも嫌! 研究チームどうか研究を続けてがんばってください!

蚊は刺されて痒いだけじゃありません。病原菌を媒介するという大きな害があります。WHOいわく、蚊が病原菌を媒介することで毎年数百万人が死んでいるといいます。蚊バリアの研究が進めば、人類の健康に大きく貢献する可能性があるのです。

もうね、ほんっと蚊が嫌い。

Source: Brown University