Osmo Pocketか、それともコイツ。どっちがいいだろう?
スマホ用ジンバルの世界も一段落したと思っていました。バランス&モーターの制御は行き着いたところがあって、あとは撮影アプリの充実だけでいいんじゃないかって。すなわち、壊れるまで買い替えなくていいんじゃないかって思ってたんです。
でも昨年末くらいからですかね。折りたたみ式で運びやすいスマホ用ジンバルが台頭してきたんですよ。今まではリュックじゃないと運びにくかったけど、折りたたみ式は小さなバッグでもOK。あー、次のトレンドはここかー。

そしてトレンドを作るし、ほかからやってきたトレンドもしっかり押さえてくるDJI。今回お披露目になったスマホ用ジンバルの「Osmo Mobile 3」で折りたたみ構造を取り入れてきましたよ。

新型「Osmo Mobile 3」は、本体とソフトポーチがセットになった通常盤が1万3500円(税込) 。Osmo Mobile 2よりもさらに安くなりました。また本体とキャリングケース、グリップ三脚などがセットになったコンボ版が1万5660円(税込)。本日より予約販売スタート。
今回は発売に先駆けて、Osmo Mobile 3をハンズオンしました。
たためる以外にも、完全新設計のハードウェア

初代Osmo Mobileには、カメラを搭載した「Osmo」というオリジネーターがいました。ドローン用のカメラを搭載したジンバルで、画質はよかったけど、高かったし撮影スタートするまでのセッティングも面倒だった。そこでスマートフォンを挟み込むタイプのOsmo Mobileが生まれたのですが、ベースがOsmoのままだったんですね。
2代目のOsmo Mobile 2はバッテリーの持ちがよくなった。底面部に三脚穴を装備するなど、Osmo Mobileを超える性能の持ち主でしたが、ハードウェアにコストダウンが明らかなところもあってもんにょりした人もいたそうな。

さて、3代目のOsmo Mobile 3です。今回はグリップもなにもかもホルダーもなにもかも、今どきのスマートフォンに合わせた専用設計品。オリジナルOsmoからの卒業を果たしたおめでとうモデルなんです。ハードウェアは、2のツルっとした表面から、ザラっとした表面になり、本体のカラーは同じグレーでも3は赤みが増しました。
いちから設計することで構造上の無駄を省けるし、効率も求められる。もち、旧来のスタイルも、古くからある三脚やカーマウントが使えるというメリットがありますが、スマートフォン用ジンバルは単体で使うユーザーが多いでしょうし、決め手とはならんのでしょうね。
結果として、質量はOsmo Mobile 2の485gから405gと着実にダイエット成功。使用時の重量バランスがいいのか、もっと軽くなったという印象を受けます。
祝! トリガーボタンの復活!

Osmo MobileにあったけどOsmo Mobile 2ではなくなってしまったトリガーボタン。めでたくも復活です。コレがあると、ジンバルロックやセンタリングの操作性が段違いなんですよ。いいんですよ。
Osmo Mobile 3のトリガーボタンを1回押すと、被写体追尾機能の「ActiveTrack」がON/OFF。長押ししてジンバルをロック、2回押してセンタリング。1回押して次に長押しでジンバルの動きがスピーディになるスポーツモード。3回押してカメラ切り替え。
グリップをしっかりと握りながらこれだけの操作をするには、やっぱ人差し指で引くトリガーボタンが最適なんですよね。

また、Osmo Mobile 3の新機能として、Mボタンを2回押すと横位置と縦位置を自動で回転。Osmo Mobile 2のように、いちど電源を切ってからロックを外し、手動で縦/横を回さなくてもいいんです。手でスマートフォンをぐるりと回してもOK。

メインコントローラは従来どおりですが、設定を変えることでメニューの呼び出しも可能になりました。極力片手でフルコントロールできるようにしたんですって。
コンバージョンレンズをつけてもバランスを取ってくれる

そして全僕が拍手を送りたいのがコンバージョンレンズをつけてもバランスをとってくれるところ! 前モデルと比べて、ホルダーの左右に余裕ができたので、カメラに重いものを付けてもバランスを取ってくれるんです。
ホルダーへの装着位置は真ん中ではなく、レンズ側に寄せる必要があります。しかしミリ単位での微調整などは不要ありません。


持っていないためにテストできなかったのですが、縦に長い望遠系は難しいかもしんない。前方向に重心が移動しちゃうから。
でもそこそこ大きな広角系はイケた。イケました。
コントロールアプリはDJI GOからDJI Mimoへ

Osmo Mobile 3使用時にコンビを組むアプリは、Osmo PocketやOsmo Actionと同じ「DJI Mimo」となります。横位置撮影の場合は右側で撮影モードを切り替え、左側で画質そのほかの設定を行ないます。

先行ハンズオンで使用したのはβ版アプリだったため、文字とボタンが重なるなどのバグがありました。正式版はちゃんと直ってるはず。そして今なお続く美自撮りブームに対して、ビューティファイモードを引き続き搭載しています。デジタル技術、ソフトウェア技術ってすごいな!ってくらいにVR美容手術を行なってくれますよ。
フツーに歩きながらの動画を撮ってみました。あえてスリ足をするなど、縦ブレ低減のための撮り方というのはしていません。
3軸ジンバルはZ軸(縦)のブレは吸収できない構造となっているので、このあたりはほかのジンバルを使っても同じような動きになっちゃいます。仕方なし。
大きく動かない状態でのスローモーション撮影は、Osmo Mobile 3の得意なところ。いや、ほかのジンバルも得意分野ですが。
ハイパーラプスもOsmo Mobile 2ゆずりのもの。

じゃあソフトウェアで何が違うのかってゆーと、DJI Mimoならではの簡易撮影・編集機能の「STORY」モードが選べるところですね。TwitterやTikTokなどのベリーショートムービーを大量生産したい方にはおすすめ!って、同じアプリ使ってるOsmo Pocketでもできるじゃんか!
Osmo Pocketか、それともコイツか

だから、どーしても、自分の心と財布に向けてこの問いをしなければならないのです。
Osmo Mobile、Osmo Mobile 2を持っている人であれば買い換える価値はあると断言できます。しかしより小さいOsmo PocketとOsmo Mobile 3のどっちがいいかとなると、こころゆくまで悩んだほうがいい。あとあと後悔しないために。
ということでラストアドバイス。Osmo Mobile 3がOsmo Pocketに勝っているトコはこんなトコです。
・カメラ性能の高い最新ハイエンドスマホの高画質を活かせる。
・ワークパンツなどのボトムを穿くことが多ければ、Osmo Mobile 3。ポケットに入る。
・安い!(1万3500円。ケースや延長グリップ三脚などがつくコンボは1万5660円)。
・バッテリー長持ちすぎ(15時間駆動)。
これらのポイントを重視しないのであれば、Osmo Pocketでもいいかもしれません。カメラとジンバルが一体化したオールインワンモデルの良さもありますから。
Source: DJI