ALS患者の首の上げ下げを助けるSFチックな首支えロボット

  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
ALS患者の首の上げ下げを助けるSFチックな首支えロボット
Image: Columbia Engineering (YouTube)


ALS、またの名をルー・ゲーリッグ病と呼ばれる筋萎縮性側索硬化症は神経変性の病気で、筋肉の力がなくなっていくことにより、患者はやがて頭部を自力で支えられなくなってしまいます。そんなASL患者たちのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を改善するため、コロンビア大学の研究者とエンジニアたちが人工的な首の筋肉として機能する首支えロボットを開発。これによって患者の頭部は支えられ、誰にとっても当たり前な日常の動作を行なえるようになります。

こうしたロボットが必要な理由

現在、ALSの根治的な治療法はありません。薬物療法は手足のマヒを遅らせるだけなので、患者は最終的には頭部を支えきれず、アゴが胸部にのることで呼吸障害、嚥下障害そして言語障害といったさらなる合併症が起きます。首を支える頸椎カラー自体は新しいアイデアではありませんが、的確に支えるため固定されている必要があるので、病気が進行すると着け心地が悪くなってしまうのです。

Image: Columbia Engineering (YouTube)

まるでSFの世界から飛び出てきたロボット外骨格のような頸椎カラーですが、コロンビア大学Robotics and Rehabilitation Laboratoryのエンジニアと神経学者らのチームが開発した同器具の役割は単に装着者の頭部を上向き支えるだけにとどまりません。 機械式アクチュエータ、センサー類、さらには脳が装着者の首の筋肉に送っている電気信号を検出する筋電計を組み合わせることで、この頸椎カラーはALS患者の頭部の能動的な可動域の70%を補えるんだとか。

メリット

この頸椎カラーは呼吸障害といった危険な副作用を排除、そのうえ患者は食事がしやすくなり、アイコンタクトをとりやすくなるため家族や医療専門家との会話もしやすくなります。病状の進行によって話すことができなくなっても、頭を上向きに保てば自身の視線を、スティーヴン・ホーキング博士が使っていたようなコンピューターベースのコミュニケーションツールのジョイスティックとして使えるとのこと。

このテクノロジーの予備研究の詳細はAnnals of Clinical and Translational Neurology誌に発表されています。研究者らはALSの患者11人と同い年の健康的な被験者を比べて、このロボット頸椎カラーが患者の病状の兆候と進行の度合いを検出するツールとしても使えるとも発見しています。さらに開発者たちは、頸椎のケガなどから苦しんでいたり脳性マヒのように他の神経学的な病気のせいで首をあまり動かせないことに対処していたりする患者など、ALS患者以外も活用できると考えています。

Source: Columbia University, ROAR LAB, Wiley Online Library, YouTube

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