お馴染みのロボットもチョロっと登場します。
せっかく映画館に行ったのに、THXの音響を使った作品が満席で見られなかったときの残念な経験ってありますか? 最近はTHXが認可した映画館は少なくなってしまったそうなのですが、あるところにはあります。
そして近々、あの腹の底に響くような、独特のTHXサウンドの新バージョンが登場するそうで。いまYouTubeでそのトレイラーを見ることが出来ますよ。
出来るだけ映画館に近い環境を再現したい
この動画は、スマホやノートPCの小さいスピーカーでは、映画館で見る7.1サラウンドの音響ほど感動はありませんが、デッカいヘッドホンを耳に当て、部屋を暗くして、床にペプシを撒き散らせば半分くらい映画館気分を味わうことが出来るでしょう。もし居間に4Kテレビと高性能なサウンドバーがあれば、ポップコーンにかかった偽物バターの臭いがないだけで、かなりイイ線まで再現できると思います(アメリカの映画館ってそんな感じなのか…)。
ミクロの世界から宇宙規模まで、壮大なスケールになっていますね。
THXって何だ?
THXは、ルーカスフィルムのレコーディング・エンジニア、トムリンソン・ホルマンによって1983年に作られました。その目的は、映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の音が劇場で正確に再現できるように、というもの。
THXは、映画館の音響性能からスクリーンやプロジェクターの画質、さらには劇場内の背景から聞こえてくる雑音の量まで、すべてを考慮した品質管理と認証システムです。THXに認可された劇場とそうでない劇場では、おそらくほとんどの観客には違いは聞き取れないことでしょう。ですが、何がTHXを映画ファンたちの間で有名にしたかというと、ルーカスフィルムのレコーディング・エンジニア、ジェームス・A・モーラーが作った、本編前に上映されるあの象徴的な低音の伸びる音(と硬質なロゴの映像)でした。
トレイラーの進化
ディープ・ノート・トレイラーは、年月を重ねるに従い進化してきました。最初は単純な青い箱に囲まれた、巨大THXロゴだけだったのが、徐々に複雑なCGアニメで劇場のサラウンド音響システムを見せつけるものとなりましたよね。あのロゴとディープ・ノートは、映画の予告編と同じように映画を見るための一部だったのですが、時が経つに連れあの音と映像は姿を消して行くように……。
最後に銀幕の前で見たのがいつだったのか、思い返してみると、もう何年も前だったのではないでしょうか? それに今となっては、THXに認可された劇場を探すのも一苦労です。
悲しいかな、ドルビーやDTSなどほかの認定プログラムとの激しい競争によって、THX認定劇場の数は激減し、映画ファンがホームシアターやBlu-rayのような技術を使うようになると、THXもまた家庭に向かったのでした。
何度も買収されてきた
THXは2002年にシンガポールのクリエイティブテクノロジーに買収されたあと、認可プログラム、ホームシアターや携帯端末にまで拡大しました。そして現在の持ち主はRazerとなっており、マルチメディア製品や消費者向け製品の認定も続けつつ、映画業界や映画館での存在感も維持しています。
しかしTHX認定映画館が近くにあるかどうかは、皆さんが住んでいる場所に左右されます。この新たなディープ・ノート・トレイラーを生で味わうには、場合によってはネット検索を駆使し、多少遠くまで足を運ばないといけないかもしれません。日本ではイオンシネマとユナイテッド・シネマのいくつかでTHXが採用されているようです。近くにお住まいなら、苦もなく大画面で見られるんですけどねぇ。