禁止したくなる気持ちもわかってしまうというね。
テクノロジーは暮らしを便利にするだけでなく害にもなる。現代人はスマホに依存している。ということで、近年の流行り(?)のデジタルヘルス。スマートフォンには使用状況のレポート機能や、目を休めるように通知をいれるなどの機能が増えています。そんな中、そんなもんじゃデジタルヘルスは生ぬるい、法で支配すべきだという声がアメリカであがっています。
心理学つかっちゃダメ
7月末にJosh Hawley上院議員が打ち出したのは、「Social Media Addiction Reduction Technology Act(ソーシャルメディア中毒軽減テクノロジ法案)」、通称SMART Act。内容は、ソーシャルメディア企業が心理学や脳生理学を用いて利用者によりサービスを使わせようとするのを禁ずるべきというもので、早い話がSNSを長時間利用させるようなサービス仕様をやめさせるべきというもの。
この禁ずべき仕様には、たとえば終わりなくスクロールすればするだけコンテンツが表示される無限スクロールや、動画の自動再生機能などが含まれます。そのほか、サイト規約同意などのアイコン(「はい」「いいえ」など)を同じ大きさ、同じ形、色というデザインにするなども法案に盛り込まれています。
個人では太刀打ちできない魅力
SNS企業側からすれば、これらの仕様はサービスエンゲージメントを高めるデザインであり、無限スクロールが便利で好きだというユーザーも少なくないでしょう。Hawley上院議員が法案を訴えた公聴会では、Center for Humane TechnologyのTristan Harris氏が、こういった仕様によっていかにプラットフォームがユーザーをコントロールしているかを説明。いわく「スワイプダウンで再読み込みという機能は、まさにスロットマシンのよう。ラスベガスと同じ人を惹きつけてしまう性質があります。無限スクロールも、底のないグラスで水やワインを飲んでいるのと同じこと」
この法案、SNS機能の禁止だけでは終わりません。可決されれば、SNS企業に対して、ユーザーにサービス利用時間を設定させること、使用状況レポートの提出なども義務付けされます。
法で取り締まるなんて随分エクストリームだなとは思いつつ、そうでもしないとずっと見ちゃう!という気持ちもわかります。ユーザーとのエンゲージメントを高める仕様のせいで、エンゲージされまくってますからね、もうイチ個人の精神力では太刀打ちできないのタスケテ!という気持ちもわかります。もうね、世の中はそんなとこまできてしまったのよ…。