ネットの海は玉石混交、なれども。
神々が混沌からあれやこれやを創造したように、秩序だった環境だけでは変化は望めません。YouTubeのCEOであるスーザン・ウォジスキは、YouTubeが「議論の余地のある、または不快な動画」を、オープンなプラットフォームとして残しておく必要があると語っています。
The Vergeによると、ウォジスキはクリエイター向けのリリースの中に「オープン性へのコミットメントは容易ではありません」「幅広い視点を聞くことは、最終的に私たちをより強く、より多くの情報に基づいた社会にします」と述べています。
最近、ある保守的なYouTubeコメンテーターがVox(アメリカのデジタルメディアVox Media)への同性愛嫌悪について動画でコメントし、同動画に対するYouTubeの対応に批判が集まったという話がありました。最終的にYouTubeは、動画は解説モノとして成立しているため許容できると判断。プラットフォームおよび社内のLGBTQコミュニティからかなりの反発を受けています。
ウォジスキいわく、問題のある動画はYouTubeコンテンツ全体の1%未満とのこと。ですが、潜在的な害と信頼の点で影響がないわけではないため、YouTubeは視聴回数増加の可能性がある動画を削除するインセンティブを持ち得ないと考えているそうです。それらが真実であるとも限らないし、何より信頼を損ねることは広告主自身を傷つけますからね。
YouTubeが健全さを保つため、ウォジスキは4つのRを提唱しています。
・禁止されているコンテンツの削除(Removing)
・権威ある声を上げること(Raising up)
・問題のあるコンテンツの拡散を減らすこと(Reducing)
・信頼できるクリエイターに報いること(Rewarding)
オープン性と責任の適切なバランス。それが大切なのは重々承知してますが、プラットフォームが巨大であればあるほど線引も難しいのでしょう。Twitterも色々と苦心してるみたいですし。がんばれビッグプラットフォームたち。
Source: The Verge