ソニーの新フルサイズミラーレス「α7R IV」レビュー:捉えた世界は、明らかに世紀が違う

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ソニーの新フルサイズミラーレス「α7R IV」レビュー:捉えた世界は、明らかに世紀が違う
Photo: 武者良太

ここまでのスペックは必要なのか。と思う自分と、ゾクゾクと鳥肌立ってる自分、両方います。

新しいデジカメに求めるものってなんでしょう。画質? 機能? ブランドの歴史? みなさんそれぞれの評価軸があるでしょう。ユーザビリティ重視の方も、単焦点を使うのかズームを使うのが超望遠を使うのか、合わせるレンズによって評価の仕方がぜんぜんことなるでしょうし。

さて令和1年9月6日。Sony(ソニー)の新フルサイズミラーレス「α7R IV」がついに発売です。

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Photo: 武者良太

アップデートの大きなポイントは画素数UP。α7R IIIの有効画素4240万画素から、6100万画素へとよりきめ細やかな表現力を持つようになりました。画像1枚あたりのピクセル数、9504×6336ピクセルですよ。α7Rシリーズおなじみのピクセルシフトマルチ撮影をしたら約2億4080万画素の19008×12672ピクセルにもなっちゃう。えげつなー。

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Photo: 武者良太

もう、ここまでくるとそうそう違いなんてわかんないんじゃないかって。レビュー用に借りるまではそう思っていました。

α7R IV

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Photo: かみやまたくみ

これは何?:有効約6100万画素のフルサイズミラーレス

価格:39万9000円(税抜)

好きなところ:センサーがもたらす多幸感

好きじゃないところ:運用の敷居が高い

リサイズした何気ない一枚に潜む、尋常じゃない立体感

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ISO100 F4 1/15 24mm SEL24F14GM
Photo: 武者良太

ファインダーをのぞいたときに「ちょっとすごいかも」と思い、モニターに映して見て「なかなかだなあ」と感じて。上から目線だったのはそこまで。自宅で4Kモニターに表示してみたらうわあすっごい。前景、被写体、背景。各レイヤーがクッキリと分かれてる

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ISO320 F1.8 1/40 35mm SEL35F18F
Photo: 武者良太

掲載画像は横1920ピクセルにリサイズしていますが、それでもフォーカスの合った部分の引き立て方が尋常ではありません。

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ISO400 F4 1/15 35mm SEL35F18F
Photo: 武者良太

いや、α7R IIIの解像感も素晴らしいのです。当分現役間違いなし。でも個人的には「ゆっくりじっくりと撮るならα7R IIでもいいかな」という判断をしちゃう。しちゃった。

しかし、α7R IVが捉えた世界は、明らかに世紀が違う。ここまでの解像感が必要かどうかは皆様の判断におまかせしますが、画質最重視派の方々はいますぐポチるべき。1日でも多く、1秒でも長い時間をα7R IVと過ごしたほうが人生の彩りも違ってきますぜ。

dot by dotな拡大表示でニヤけてくる

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ISO100 F5 1/20 90mm SEL90M28G
Photo: 武者良太

高画素になればなるほど、わずかな手ブレや被写体ブレでもんにょりした写真となりがち。だからでしょうか。ある程度良さげな写真でもニヤけてきちゃうんです。

「ああ、ちょーっとブレあるなー。下手だなー僕は」といいながらも、α7R IVというデバイスの凄さでニヤニヤ。大きなモニタでドッドバイドットで見ていると、エンドルフィンの滲みを感じてくるんです。

特にコントラストが強いシーンでニヤニヤ。ダイナミックレンジも広くなっているから、RAW現像でもニヤニヤ

すっげえ個人的にいうと6100万画素は不要です。個人的には、ですよ? でもα7R IVがもたらしてくれる多幸感は、α7R IVのセンサーによるものが大半なんですよ。

動物瞳AF+高解像+広ダイナミックレンジ=猫探しの旅に出たい

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ISO100 F2.8 1/100 90mm SEL90M28G
Photo: 武者良太

ソニーには世界に誇るべき超絶グレイトマキシマムなマクロレンズSEL90M28Gがありますが、あえてコイツをつけてスナップしたくなるんですα7R IVは。

だってさあ。動物瞳AF、すごいのだもの。まだまだパーフェクトとはいえないけど、それでも眼をつぶってぐっすり寝ている猫の眼も捉えるんですもん。

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Photo: 武者良太

んで拡大表示して毛艶チェックするしかないじゃないですか。新しい趣味に目覚めそうじゃないですか。

しかし君はストリートに住んでいるのだろうけど、キューティクルも感じるいい毛並じゃないのさ。いいモン食っているっぽいなあ。

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ISO100 F1.4 1/320 24mm SEL24F14GM
Photo: 武者良太

なお中華街・横浜大世界入り口の獅子オスカルの眼は認識せず、フツーのAFでピンがきました。猫や犬と比べると眼が離れすぎ、かといって人間として捉えるには口が大きすぎ、だからでしょうか。

高感度の強さは従来どおりで暗がりでも積極的になれそう

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ISO12800 F2.8 1/125 90mm SEL90M28G
Photo: 武者良太

今どきのフルサイズは常用感度なISO12800。でもノイズリダクションの性能が悪いと、やっぱりザラザラしちゃうんです。

α7R IVはα7R IIIに感じた、高感度のノイズ耐性の方向性を受け継いでいるかのよう。瞳孔が開いたところのにゃーの写真だって気負わずに撮れるのだから大したもんです。固い描写だけどね。

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ISO104000 F11 1/640 24mm SEL24F14GM
Photo: 武者良太

高感度で少し気になったのが現像ソフトの対応状況。レビューを行なった8月中旬時点ではソニーの純正ソフト「Imaging Edge」しかα7R IVのRAW現像に対応していなかったのですが、拡張ISO(ISO104000)だと塗り絵感が。走査線みたいな横筋も出ちゃってます。チューニングがまだ追いついてない感…! 発売に合わせてアップデートがくるのではないかと思いますが。

僕のウデだとだいたい3.5段ぶんの手ブレは補正してくれた

手ブレ4分1秒約三段分僕の腕では約4段分の2分の1秒はダメだった_R
ISO100 F1.4 1/4 24mm SEL24F14GM
Photo: 武者良太

高感度に強いとはいっても、美しい夜景を撮りたいならISO値は極力低く抑えたいもの。じゃあ、と注目しなければならないのが手ブレ補正のポテンシャルです。

公称では最高5.5段のボディ内5軸手ブレ補正となっていますが、 足を肩幅に開いて、脇を締めつつ無駄な力を抜くなんてことをせずに撮ったところ、24mmレンズで1/4まではブレを感じない写真 となりました。

ちゃんとスタンスを決めてとればもう1段はいけるかも?

ピクセルシフトマルチ撮影で何を撮るべきかは悩む

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ISO100 F10 0.8 90mm SEL90M28G
Photo: 武者良太

ふつーに撮っても6100万画素。十二分すぎます。

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ISO100 F10 0.8 90mm SEL90M28G
Photo: 武者良太

さらにセンサー位置を細かくずらしながら16枚連射して、重ね合わせるピクセルシフトマルチ撮影だと、得られた約9億6320万画素のデータを元に約2億4080万画素(19008×12672ピクセル)の写真を作り出してくれるのですが...。ここまで細かくなると、何を撮っていいのか正直わかりません。

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左が6100万画素のズームイン/右が約2億4080万画素のズームイン
Photo: 武者良太

それぞれの画像をおもいっきりズームしてみると、情報量の差はめっちゃ明らか。しかしここまでくると、顕微鏡的な使い方をするのでなければあまり価値を見い出せないところもありまして。

α7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影は「極まってる!」と感動したのですが、α7R IVは人類がそうそう使いこなせないレベルになってしまった気がする。

ファイルサイズだってちょっとヤバい6100万画素 RAW画像はファイルサイズ120MBほど。これが16枚ぶんあるんですよ。JPGで出力したときのファイルサイズは200MBほどに収まるとはいえ。

20~30万円の現像機が必要になりそう

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Photo: 武者良太

そうなのです。より高解像になったことで、ファイルサイズもよりビッグになりました。4000万画素級ならそこそこのスピードで現像できていたウチのCorei5 6500・32GB RAM・GTX1060 6GBのデスクトップPCが、ぜーはーぜーはーと息を切らしまくり。ピクセルシフトマルチ撮影の現像なんて、分単位で待ち時間が発生。カップラーメン作れちゃう。

一歩先ゆく画質の「夢のデジカメ」

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Photo: 武者良太

大きく、重くなりましたが、同時にグリップが改善されて小指が余りにくくなり、動作もさらにスピーディになりました。α7R IV本体は正しいベクトルでの進化を果たしました。発表会のときにソニーの方が「持ち歩ける中判クオリティ」と言っていたのですが、それも事実。一歩先ゆく画質ともなりました。

でも、快適に運用するとなると、α7R IVとレンズだけではダメじゃないかと。最新世代のi7かi9、そして2070...いや2080クラスのグラボを積んだPCが必要じゃないかって気がしてなりません。ビジネス向けPCのオーナーであるならば、α7R IV+αの予算計画を考えたほうがいいと思いますよ。モノとしての魅力がすっばらしいからこそ、運用環境もしっかりと整えたいものです。

しかし「4K 60fpsの動画を編集できるマシンがあるから」「i9のMacbook Proでいいの?」「ゲーミングPCを新調しようと思っているんだよね」という方ならば、もしくは「サイコーの写真を選びぬくから現像の待ち時間なんて気にしない」という方であれば、男の24回払いであっても買っちまいな!

α7R IVという片手で持てる究極のデジカメは、あなたのめっちゃクリエイトしたーいってな願望を、あなたが夢想しているよりも高い次元で叶えてくれる夢のデジカメでもあるんだから。43万920円(ソニーストア・税込)は勇気が必要なプライスだけど、だからこそマジメに写真に取り組むって覚悟もできるってもんだわさ!

Source: ソニー

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