Apple Watch Series 5レビュー:ベスト、なのはwatchOS 6のおかげ

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
Apple Watch Series 5レビュー:ベスト、なのはwatchOS 6のおかげ
事実、これが今ベストなスマートウォッチ。Androidユーザーの方ごめんなさい。 Image: Victoria Song/Gizmodo US

ってことは、Series 3とか4でも別にいいってこと?

今年もApple Watchがアップデートされ、Series 5になりました。画面が常時オンになったり、ヘルスケア系機能がさらに充実したりしてますが、実際買い替えるくらい良いんでしょうか? 米GizmodoのVictoria Song記者がレビューしています。


Apple Watchは今、押しも押されぬベストなスマートウォッチです。って、面白くもなんともない結論ですが、これはどうしようもない事実です。フェイスが丸いのがいいとか違うOSがいいとかあるかもしれませんし、バッテリーライフが短すぎるとか文字盤のデザインが少ないとか不満をぶちまけることもできますが、Apple Watch Series 5(以下Series 5)が最高であることには変わりありません。今回のアップデートは劇的な変化というより小さな改善をまとめたもの程度でしたが、それでもApple Watchは、他の数あるスマートウォッチより優れているんです。

Apple Watch Series 5

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Image: Victoria Song/Gizmodo US

これは何?:ディスプレイが常時オンになった、Apple最新のスマートウォッチ

価格:GPSオンリーモデルが400ドル(日本価格4万2800円)、セルラーモデルが500ドル(日本価格5万3800円)。チタンとかセラミックみたいなプレミアム素材だともっと高いです。

好きなところ:女性の健康管理機能。手堅いwatchOS 6とiOS 13のアップデート。LTPOスクリーンの技術。

好きじゃないところ:いまだに毎晩充電が必要なこと。

とはいえ、今すでに先代のApple Watchを持っている人なら、そのApple Watchが死にそうとかじゃない限り(またはお金をガンガン燃やしたいとかじゃない限り)、Series 5にアップグレードする理由はそんなにありません。というのは、Series 5の素晴らしさの大半は、watchOS 6によるものだからです。watchOS 6にアップデートするだけで、女性の周期記録、ノイズモニタリング、計算機、App Store、コンパス、Siriの新機能(といってもGoogle、Amazon Alexaには差を付けられてますが)、などなどが手に入ります。

常時オン、やっぱり便利?

Series 5に4万円以上払う最大の理由があるとしたら、それは常時オンになったディスプレイでしょうね。常時オン自体はApple独自でもスマートウォッチ最新でもなく、Androidウォッチではもう何年も前からたくさん出ているし、FitbitもVersa 2で搭載してました。それでもSeries 5の場合、常時オンを生かしたより良い使用感を実現しています。

常時オンを実現するための技術のひとつが、LTPO(low-temperature polycrystalline oxide、直訳:低温多結晶酸化物)です。かんたんに言うと、スクリーンのリフレッシュレートを1Hzから60Hzまで変化させられるんです。ディスプレイが常時オンでもバッテリーがなくならないように、Series 5のセンサーはより省エネになっていて、ユーザーが見ていないときは画面表示が暗めに切り替わります。たとえば新しい「メリディアン」の文字盤の背景色は、見ていないときは白から黒に変化し、秒針表示が消えます。でも常時オンの文字盤はVersa 2みたいに退屈なモノクロじゃなく、カラーの部分はちゃんとカラーのまま、天気とか消費カロリーといったコンプリケーションも見ることができます。

もうひとつAppleが気にかけてくれたらしいのは、みんながわりと他人の端末を盗み見てることです。これは実話ですが、私の友だちは、パートナーのApple Watchに知らない用事のメッセージがポップアップしたのを見て、浮気に気づいたそうです。Series 5では今まで通り通知とかコンプリケーションを見られるようにしつつ、「機密コンプリケーションを非表示」オプションを追加しました。これをオンにしておくと、手首を下にしている間は、メールメッセージとか心拍数、カレンダーイベントといったデータが見えなくなります。細かいかもしれませんが、仕事とか状況によってはけっこう大事な機能じゃないでしょうか。

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各文字盤に、見てないとき用の省エネバージョンがあります。これは「カリフォルニア」の省エネバージョンです。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

ディスプレイが常時オンだと、映画見るときとか寝るときに邪魔にならない?と思われるかもしれませんが、それは大丈夫です。Series 5では環境光センサーも常時オンになり、ベッドで寝ようとしてるときは部屋が暗いのを検知して、画面が暗くなります。実際やってみると本当にちゃんとその通り機能するし、念には念を入れるなら、前からあるシアターモードにすればOKです。

常時オンのために買い替えるほどでは…

ただ個人的には、常時オンディスプレイは良いとは思うんですが、私の日々の生活に必須ではないと思いました。私は何年もスマートウォッチをレビューしてきたんで、手首をたたく動作が刷り込まれています。でもアナログ時計に慣れてる人なら、こっちのほうが良いのはわかります。常時オンで便利だと思ったのはランニングのときです。理由は、直射日光の下でもよく見えるから、ではなくて(そんなによく見えないです)、直視しなくても消費カロリーとかのデータが見えるから、でもありません(普通はどうかかわかりませんが、手首を上げずに腕時計を見るのは私には難しいです)。常時オンの私にとってのメリットは、画面を叩いたときにラグがなく、もともと暗く表示されてるデータが明るくなるだけだからです。これまでのApple Watchでは、データを見ようとして手首を叩くんだけどラグもあるし、何回か叩いてやっと画面が見えるってこともあったので、そのせいで集中状態が切れちゃってたんです。

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アプリ使用中に暗くなったディスプレイ。プライバシーが守られます。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

バッテリーライフに関しては、Series 5は今でも毎日充電が必要ですが、カバンに充電器を入れておく必要はありません。常時オンディスプレイはこれまでのモデルよりバッテリーを多く使うことには違いありませんが、そんなに格段に変わってはいないです。私が朝8時に充電器から外し、ブロンクス動物園を全部歩き、日付が変わる頃に家に帰った日には、Apple Watchにはまだ30%バッテリーが残ってました。もちろん1回の充電で使える時間は、LTEやBluetooth、GPSをどれくらい使うかによって変わります。たとえばGPSを使いながらディスプレイ常時オンで30分走ると、バッテリーは20%くらい減りましたが、その後寝る時間になってもまだ36%残ってました。36時間近くバッテリーが持ったSeries 4には及びませんが、毎晩充電してもいいよという人なら問題ないでしょう。

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常時オンディスプレイは直射日光下では見づらいですが、運動中のデータの確認がラグなしになったのはうれしいです。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

もうひとつのハードウェアでのアップグレードは、外国にいるときにも緊急電話がかけられるようになったことです。詳細は外国の携帯キャリアとAppleの間の取り決めによって違いますが、考え方としては、ユーザーが倒れたりして助けを呼びたいときに、緊急電話をかけられます。多分この機能は使わない人がほとんどでしょうけど、でもとにかく、いざというときに使えます。

ハードウェア系はそれくらいです。精度に関しては、GPSをオンにして2.44マイル走ったとき、Series 5はSeries 4と同じ結果を出しました。つまり、iPhoneのGPSに比べると若干距離を短めに(2.39マイルだと)認識していました。心拍数は、Polarのチェストストラップ・H10と毎分プラスマイナス5拍以内でした。

そんなわけで、LTPOスクリーンとかチタンやセラミック素材がどうしても必要な人以外、アップグレードはマストではないです。私はSeries 4にwatchOS 6をダウンロードしてみましたが、それで十分です。古いモデルだともしかしたら若干のラグがあるかもしれませんが、1、2ミリ秒の遅れが生死に関わることもなさそうです。あとはwatchOS 6の一部のアプリを使っているときにバッテリーライフが短い感じがするかもしれませんが、ともあれApple Storeに駆け込む前にアップデートをダウンロードして、1週間くらい様子を見てみましょう。旧モデルのパフォーマンスが本当に良くなかったとしても、Series 5が急に買えなくなるわけじゃないので。

watchOS 6入れるだけでもかなり充実

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ノイズモニタリングはSeries 5専用じゃなく、watchOS 6をダウンロードすれば旧モデルでも使えます。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

watchOS 6とiOS 13の健康関連のアップデートはしっかりしてますが、感動するってものでもなくて、どっちかというと従来からの素直な改善です。App Storeへのアクセスはだいぶ前にやっててもよかったですが、他のスマートウォッチ用ストアと同じく、できることは限られています。おすすめアプリのセクションがあるとはいえ、小さな画面でアプリを見て回るのはつらいです。が、これはApple Watchだけの問題じゃありません。ダウンロードは簡単ですが、iPhoneを手元に置きながらやったほうがいいものがあります。コンパスアプリは多分ハイカーとか方向感覚に問題がある人には良いでしょうが、最大の目玉ってわけでもないです。

ノイズモニタリングは本当に機能してますが、その良さがわかるまでには長期間かかります。まずたいていの人はうるさい場所にいれば自分で気づくので、Apple Watchから「ねえ、今うるさい場所にいるよ」って通知されても意味ないです。今回のテスト中に救急車がサイレンを鳴らして通りかかったことがあり、Apple Watchは105デシベルを記録してたんですが、それがうるさくて耳に悪いってことは私にもわかってました。でもヘルスケアアプリを見ると、そこに1週間の騒音レベルが出てるのは面白かったです。ニューヨークに1週間いると、騒音レベルは平均75デシベル、対象時間は76時間48秒でした。これは多分、音のせいで難聴になったりすることのある仕事、たとえばミュージシャンの人にとっては便利だと思います。でも私にとっては、それは誰かに職業を聞かれたときにおしゃべりする小ネタになる程度です。

女性の周期記録が追加されたのは歓迎です。私は1週間くらいしか使ってませんが、個人的にメインの月経トラッキングアプリにしようかという気になっています。デザインがクリーンで、手首からのログインも他のスマートウォッチより簡単です。性行為の記録をオプトイン/オプトアウトできるのもよく、あとヘルスケアアプリの中でどれくらい目立たせるかが選べるのもいいです。どっちもセンシティブ情報で、地下鉄とかで後ろの人からのぞかれたくないですからね〜。あと避妊のために排卵予測を使わないように、という注意書きがちゃんと入ってるのも好感です。大したことじゃないですが、他のアプリの中にはその簡単なことができてないものもあるからです。いまいちなところは、他の月経管理アプリもそうですが、NuvaRingとかピルといった避妊方法を記録するオプションがないことです。

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女性の周期記録は、スマートウォッチでの月経記録の中で一番簡単でした。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

同じように、ヘルスケアアプリもだいぶよくなりました。メニュー操作には少し慣れが必要ですが、ハイライトのセクションは便利です。たとえば朝10:30とかに、いつもの平均より歩数が3,000歩少ない、とか見ると変にやる気が出ます。とか、先月の平均より運動時間が短いよ(8月は25分だったのに、9月は23分とか)、みたいなことを教えてくれます。PolarとかGarminとかのアプリほどの機能はないんですが、傾向を見るにはFitbitよりも良いと思います。

小さくたって、やっぱり改善は改善です。Series 5は、画面が大きくなってECG機能が載ったSeries 4ほど大きなシフトではないかもしれませんが、より完成度が高まりました。真にApple Watchに対抗できる競合がいないので、Appleとしては機能追加を急ぐ理由もありません。他のスマートウォッチは品質とか機能とかでキャッチアップしてくるだけなので、当面はApple Watchはちょっとずつ改善しながらのんびりやっていく感じでしょうね。私の不満といえばバッテリーライフくらいですが、ほとんどのApple Watchユーザーは必ずしも不満じゃないみたいだし、ってことはもう欠点らしい欠点もないってことでしょうか?

まとめ

・ハードウェアのアップデートは、LTPOスクリーンによる常時オンの実現と、世界中で緊急電話がかけられること。

・iOS 13とwatchOS 6により、健康系トラッキングが増強。iOS 13ではヘルスケアアプリがアップグレードされ、watchOS 6ではノイズモニタリング、女性の周期記録、計算機、コンパス、App Storeへのアクセス機能が追加されました。

・常時オンディスプレイでもバッテリーは1日中持ちますが、毎晩の充電は引き続き必要です。

・スマートウォッチの中ではベストですが、すでにSeries 3か4を持っている人はわざわざ買い替えることもないです。それでも買い替えたい人は、まずwatchOS 6をダウンロードしてからしばし考えましょう。

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