タイトルは本心です。
iPhone 11がデビューしたとき、リアルタイムでイベントを見ていたからか、すごく興奮しました。A13プロセッサのスペックにも興味がありましたし、超広角カメラにも興味津々。そして、お値段を聞いたときにね、「え?」ってなったんです。「私の愛機iPhone XSより安いじゃん」って。だって私、中古で購入したとはいえ、10万円近く出してXS買ったんですよ。ユーザーの立場からしたら、お手頃価格は大歓迎ですが、XSユーザーの私が正直な気持ちを吐露するなら、ちょっと戸惑いましたよ。
XSよりも優れた機種が、XSよりも格安で売り出されるような気持ちですよ。本来ならXSの後継モデルということで、iPhone 11 Proを見るべきなんでしょうけど、Proはあまりにもプロフェッショナル向けで、自分と関連づけて考えることができなかったんです。
だから、買い換えるなら絶対に11だと思ってたんですね。でも、編集部で買ったiPhone 11を数日触ったら…気持ちが落ち着きました。だって、「安いには理由がある」。そして今は「iPhone XS最高!」なんですもん。XSを持っている私に死角なし。正直、私は11はパス!(キリッ)。ついでにハイスペすぎるiPhone 11 Proは今の私にはオーバースペックすぎるから華麗にスルー!と改めて感じることができたんですから。
では、なんでそんな気持ちになったのか。iPhone XSのカジュアルユーザーが正直な感想を伝えていきたいと思います。
iPhone XSよりいい部分が見つからなかった…
ごめんなさい、しょっぱなから身もふたもないことを言いました。でも、本心なんです。ガジェットライターさんたちが、こぞってXSと11 Proを比較している理由がわかりました。XSと11ではスペック(プロセッサ以外も)が比較にならないんです。
それと理由はもうひとつあります。私のライフスタイルがiPhone 11を使うにふさわしくないからです。そう考えるのは、私が次のような人間だから。
・在宅ワーカー
・時に新作ガジェットの取材やレビュー記事担当あり
・小学校低学年の子供あり
・ミニマリズム思考
つまり、取材の荷物は最小限にしたいけど、記事に使っても見劣りしないくらいのレベルのブツ撮りはしたい。しかも子供がいるから動物園や水族館といったレジャーにもたくさん行くし、望遠を使った写真も撮りたい。当然、子供の成長記録は綺麗なポートレートで残したい。
そう、活動のメインは日中で、特にマクロと望遠の両方を綺麗に撮りたいだけの私には、ナイトモードが綺麗に撮れて、超広角で広々とした写真が撮れるiPhone 11は必要がないんです。むしろ、望遠弱すぎで困る…! その証拠をお見せしましょう。
たとえば、私が大好きなマレーバクを写真に撮ったとしましょう。

背中にはハエがたかっていますね。でも、iPhone 11だとそこまで寄れないんです。まぁ、当然といえば当然。だって、11はズームが5倍までだから。

では、XSの5倍はどんな風に見えるのかというと…。

そして11の5倍はというと…。

カメラが「無理ー、これ以上は無理ー!」と言っているかのような無理矢理感。限界ギリギリ。こっちが悲しくなってくる。
でも、動物によってはこんな風に撮れます。例えば、キリン。

キリンといえばその高さ。どれくらい高いのかを強調したいなら全身を入れたいところです。でもそれが難しい。そこで超広角の出番。

ほらこの通り。本当なら手前に人に入ってもらって対比表みたいに撮影したかったのですが、なにぶん、たった独りで動物園に行ったので叶いませんでした。
あとは、こんな使い方もいいかも。

建設中のライオンバスの建物。周囲を含めて全体像を伝えたいときには便利、かも?
正直、写真のセンスもなく、一緒に動物園に行くリア充仲間もいない(息子すら一緒に来てくれなかった)自分としては超広角を活かせる気がしませんでした。
あ、でも、思わぬ発見はあったんです。何気なく靴を超広角で撮ったら足がビニョーンと伸びたんです。

あ、ごめんなさい。セルフィーと言いつつ、別にセルフィーカメラは使ってないです。でもほら、みて。

うわ…、私って足長…! これをXSでやろうとしてもできません。うん、超広角ついていないですからね。2xになって必要以上に短足になって終わりです。
でも別に私、ファッショニスタじゃないし、キャプテン翼並みに頭身高く見せなくても良いから、やっぱりiPhone 11の超広角カメラは必要ないかなぁ…。
iPhone 11のいい部分とは
正直なところ、XSユーザーにとって11のカメラはそこまで魅力的ではありませんでした。では、何が良いと思ったか? OSです。うん、iOS 13。まぁ、アップデートすれば11や11 Proに限らず誰でも使えるんですけどね…。現に速攻で自分のXSをアップデートしましたし。
あと、そこはかとなく感じるパフォーマンスの速さ。なんとなく触った時にサクサク動くような気がする。「あれ、ちょっと早いかも」と思うレベルには動作がサクサクいっている気がする。
まぁ、上の2つからバレバレだと思うんですが、つまり私はiPhone 11をそんなに気に入っていないわけです。うん、なんかゴメン…。ていうか、iPhone 11を買うべき、なんて翻訳記事書いておいて、いざ実際にハンズオンしてみたら「えー、XSのほうがいいじゃん」なんてちゃぶ台ひっくり返ししてゴメンなさい。
まぁ、もともとiPhone 11はXSを選ぶ人が購入を考える機種じゃないんですよね。でも、私はXS持ちだけど、イベントで11がデビューしたときは「次はiPhone 11買おうかな」なんて思いましたし、こういう風にハンズオンする機会がなく、XSが年内に壊れたら高確率でiPhone 11を買っていたと思います。
iPhone 11はどんな人にピッタリか
フードとかを撮ってインスタにあげたり、大人数で出かけてグループフォトを撮ったり、ナイトライフも充実しているような人をイメージします。それか、レジャーには一眼レフやミラーレスを持って行くけど、普段はカジュアルにそこそこハイクオリティの写真を楽しみたいという人にも良さそう。
おそらく、私のように「子供の成長も、オブジェクトもバッチリ撮りたい。でも重たいカメラは持ち歩きたくない」という人には向かないと思います。だって、此処一番で活躍してほしいレジャーシーンで望遠が使えないんですもん。
率直なところ、どう思ったか
iPhone 11はiPhone XRの後継モデルですが、私がiPhone XRユーザーなら、iPhone 11を買うよりもiPhone 11 Proを買うと思います。わかってます、Proは多くの人にとってオーバースペックでオーバープライスだって。でも、私が11に魅力を感じずに済んだのと同じように、今11 Proを買っておけば、再来年の新作iPhoneを冷静にスルーできるかもしれないじゃないですか。
そして、XRより前の機種ユーザーで、私のようなライフスタイルで、iPhone 11を買おうか考えている人がいたらXSを勧めると思います。
XSはすでにオンラインでの販売が中止になっているようですが、店頭で聞けば在庫が残っている可能性は高いです。価格も下がることが期待できるし、iPhone 11 Proを考えるような人には向かないかもしれないですが、11で悩んでいる人はXSも選択肢のひとつに入れて、是非とも手にとって比べてみてほしいと思いました。まぁ、あくまで一意見として頭に入れておいてください。