iPhone 11 Proの発表会は本当にモヤモヤした。でもなんで買ってしまうんだろう

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  • author 山本勇磨
iPhone 11 Proの発表会は本当にモヤモヤした。でもなんで買ってしまうんだろう
Image: Alex Cranz

iPhoneは文脈で楽しむものになった。

iPhoneの発表から1日明け、だんだんと現地で触った人たちからの記事も各メディアで上がってきていました。我々ギズモード・ジャパンも、編集長が現地に行きまして、いわく「トリプルレンズはちょっと…って言っていた自分が違ったな」とハンズオンエリアで感動していましたね。

とはいえ、今年のiPhoneは評価が難しいのか、現地で触った人が言っているのは「背面パネルのすりガラスの質がすごい」という感想。編集長も「後ろの素材の質感が変わるだけでこうも印象って変わるんだっていう」って言ってましたし、概ねそこの認識は間違いないはず。

うーーーん。すりガラスは、スマホの素材として凄いのはわかるのですが、イマイチ自分のなかで、評価すべきポイントが「素材」で良いのか納得できないんです。いま友達に「iPhone 11 Proってどうなん?」って聞かれても、黙り込んでしまうかも。「いやいや、みんなネガティブだけど凄いのよ」とも「あれは僕もダサいと思う」とも言えない自分が居て、発表会が終わってからかなりモヤモヤしています。「ダサい!」と言い切っちゃうのは楽だけど、それもなんか違う気がしていますし。

「新型」と「新作」

そこで、ひとつ自分のなかで納得がいっているのは、今年のiPhoneは「新型」ではなく、「新作」って呼ぶこと。このちょっとのニュアンスの違いが、今のところ自分の救いになっています。

ちなみにこの「新作iPhone」という言葉は、ギズモードの編集会議で一度出たもので、新しいiPhoneのことを「新型iPhone」とか、「次期iPhone」と呼ぶのが普通なんですけど、「新作iPhoneってのも良いよね」って話がありました。それについては僕も賛同していたのですが、今回のiPhone 11 Proでより新作という言葉が似合うようになってきた気がします。

より強くなった、ファッションとしてのiPhone

ここでまず「新型」と「新作」の違いを説明しておくと、新型はどちらかというとガジェット的なニュアンスであり、新作はどちらかというとファッション的なニュアンスです。これだけではわかりにくいので説明を続けます。

今年のiPhoneに対してモヤモヤしているのには、iPhone 11 Proがすっごく好きな自分と、あんまり気に入っていない自分がいて、つまり「すりガラスめちゃくちゃ良いじゃん!」というApple信者的な自分と、「これでいいのかApple!」というアンチAppleな自分がいるんですね(あれギズモードってこういうメディアだっけか?)。

因数分解していくと、iPhoneめちゃくちゃいいじゃんと思っている自分は、いちAppleファンとしての自分。で、iPhoneってもうイノベーティブな製品じゃないよねって思っているのは、Apple以外のいろんなメーカーも合わせて俯瞰で見ているテック好きとしての自分。この二者、実は表裏一体で、非なるものなんですね。

なにが言いたいかというと、つまりiPhoneって技術的なイノベーションではなく、文脈を楽しむものになっていると思うんです。俯瞰で見ると「iPhone 11 Pro、なんか抜けきってないよね」っていう風に見えるかもしれないけど、いちAppleファンにとっては「ふむふむ。iPhone 11 ProはiPhone XSから背面パネルの素材が代わって、よりサラサラした素材になったんですね」って風に、いわば経緯を知っている人だけが、iPhoneを楽しめるものになっている気がしています。

知っている人だけが熱狂できる。これはある意味、ファッションブランド的なんですよね。スマホの技術にてっぺんが見えてきたことの現れかもしれませんが、「はい、今シーズンの新作はこちらです。背面をすりガラスにしてみました」という風に、Appleをファッションブランドとして捉えると、なんとなくこのiPhoneの立ち往生感にもしっくりきます。だから「新作」のほうがしっくりくるわけです。「新型」と言うと、テック好きの自分が邪魔をしてくる。新作…うん、納得いきます。

加えてロゴも位置も変わったのはかなりエモーショナルな進化ですけど、これもまた文脈(2017年のiPhone X以降、技適マークやシリアルナンバーをiPhoneから消し、裏側をなるべくシンプルにしようとしてきた、今年はついに「iPhone」の刻印すら消した)。もちろん3眼カメラは素晴らしいのだけど、明らかにiPhoneが変えられるライフスタイルには限界が見えてきたような気がします。

iPhone 11 Proのトリプルレンズはどうしてしっくり来ないのか、考えてみた #AppleEvent

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https://www.gizmodo.jp/2019/09/iphone-11-pro-strange-camera.html

Appleを好きになったときからAppleはブランドだった

今年のiPhoneについて考えるうちに、自分の原点に答えがあるんじゃないかと、改めてなんでAppleのことを好きになったのか考えてみました。初めて自分で買ったApple製品は、中古のポリカーボネートのMacBook(2007)でしたが、なんで買ったかというと当時Macを使っていた人がカッコよかったんですね。ジェットダイスケさんとか、なんとなくカッコいい人が使っているイメージだったから買ったんです。

これってまさにApple=ブランドなんですね。僕が考えているブランドの成立条件って2つあって、ひとつは作り手の野望に共感できること、もうひとつはそのモノを使っている人に惹かれること。当時はそれに気づかず使っていたけど、改めて考えてみると昔からAppleはブランドだった気がする。

昔は、iPhone 4SからiPhone 5でちょっと画面大きくなっただけで、大行列。今それをやっても冷ややかな目で見られるだけだけど、「これが今年の新作です」とAppleが言うなら。「うん」と、自分のなかのAppleファンがうなづける。だから今年のiPhone 11 Proも素直に買っていいんじゃないかと思ってきました。

面白い製品って一体なんだろう?

ガジェットさえも文脈で楽しむものになってくると、良い製品とはいったい何をもって良い製品というのでしょうか? これは、そのジャンルの成熟度合い(ここでいうところのスマホ)とか、メーカーの多様化とか、いろーーーんな変数の上で決まってくると思いますが、言えるのは、iPhoneを良い製品とする人とそうじゃない人の溝は、今後ますます広がりそうな気がしています。

生粋の「テクノロジーファン」にとって、今年のiPhoneはテンションが上がるものではないかもしれないけど、Appleファンにとってはとても楽しい。それがこれからのiPhoneです。そして、今回の発表会はその側面がより色濃く出たんじゃないかなと思います。それを理解したうえでiPhone 11 Proを見ると、素直に、ポジティブに買えそうです。

あとは、触ってみてどうか、ですね。時間と機会があれば、この続きを書けたらと思います。

Apple発表まとめ。新iPhone・新Apple Watchもろもろのリンクと雑感はここで #AppleEvent

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Source: Apple

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