ないのなら作ってみせよう!
北朝鮮といえば、数々の仮想通貨取引所にハッキングを仕かけ、大量に盗み出したりですとか、仮想通貨のマイニングで大儲けを試みたりですとか、なにかと悪いうわさが流れがちです。しかしながら、もうそんなレベルでは飽き足らず、自国の運営する新たな仮想通貨を立ち上げようとしているらしいと、このほどVice Newsが報じましたよ!
すでに北朝鮮は、4月に国内でブロックチェーン仮想通貨会議を主催。金融・医療・教育業界で知られる、数々のロシアおよび中国企業が会議に参加し、北朝鮮とのパートナーシップを締結したとされています。そして、いよいよ独自の仮想通貨開発の機が熟したとの結論から、早くも開発が軌道に乗ろうとしているんだとか。
一連の情報は、スペイン人のITコンサルタントでありながら、いまは北朝鮮の文化関係委員会で代表を務めるAlejandro Cao de Benos氏が、そのソースと伝えられています。同氏によれば、現在は新たな仮想通貨に価値を持たせる手段の検討が進められており、有名なビットコインのような完成形が目指されているようですね。なお、あくまでも仮想通貨は、イチから築き上げられる新たなシステムとなり、既存の北朝鮮ウォンをデジタル化するといったアプローチは、まったく考えられていないみたいです。
ワシントン政府が制裁を発表すると、世界の金融システムで基軸となるドルが威力を発揮し、たとえ米国外の金融機関であっても、制裁対象との事業を理由にドル決済から締め出されることを恐れて協力するため、大いに制裁には効き目がある。しかしながら、もしドル通貨に一切触れずに金融取引が世界で進められるようになれば、北朝鮮のような国家が、容易に米国の課す制裁からの抜け道を見出すようになってしまうだろう。
今回の報道を受け、シンクタンクのFoundation for Defense of Democracies(FDD)のAnne Fixler氏は、このような意見を述べています。ドル基軸通貨から離れ、北朝鮮が独自にコントロール可能な通貨システム。これが完成して流通すれば、制裁にあえぐ北朝鮮の思うつぼで、外貨の獲得でさえ格段に容易になることでしょう。この分野に北朝鮮が力を入れるのは当然の流れでして、すでに平壌科学技術大学では、ブロックチェーンや仮想通貨について専門的に学ぶコースまで提供されてきたそうですよ。米国が黙って見ているとは思えませんけど、なかなか敵もさるものというところなのでしょうか…。
Source: Vice News