これでもうコントローラー要らず!
2016年後半に発売されたOculus Touchコントローラーは、「仮想現実空間に自分の手がある」という感覚をもたらしました。ですが2020年にOculus Questゴーグルにハンド・トラッキング機能を実装するとのこと。これにより、もう何も持たずに、素手のままVR世界を操作することが可能になるのです。
Oculus Blogによりますと、これにより表現力が増し、ソーシャル体験がより深いレベルで繋がるだろう、とあります。それにVR初心者には、VRへのハードルが低くなることもメリットといっています。
そのほかの利点は、コントローラーが不要になったので、もう充電したりペアリングしたりする必要がなくなったということ。VRの手軽さが増してでイイですね。
AIが使われている
Oculus Blogいわく、この技術の背景には「ディープ・ラーニングを使って指の位置を把握する新しい方法を開発した」と報告されています。搭載された白黒カメラのみで、奥行きを検知するカメラや追加のセンサー、プロセッサーも要らないのだそうです。
またfacebook Artificial Inteligenceによりますと、Oculus Questには4台のカメラが指の関節など目印になる部分を追跡し、効率的な量子化ニューラルネットワーク・フレームワークを使用することで、手の3Dモデルを作るとあります。目には見えませんが、こうした技術に支えられているのですね。
コントローラーを排除すると
当然、手への負担がなくなりますし、節電、製造および梱包や発送などに至るまでコスト削減につながります。これからは、たとえば手のジェスチャーだけで映画の一時停止するなど、直感的な操作が可能となります。
これまでVR内での手の扱いは、たとえばチューリッヒ工科大学とニューヨーク大学が共同研究している「ストレッチ・センシング・ソフト・グローブ」など、何かしらのデバイスを装着して現実の動きを反映させるものが考えられてきました。ですがハンド・トラッキング機能があれば、文字通り“手ぶら”でVRが楽しめるようになるのです。
きっと今この瞬間も、こうしたデバイスを研究している人たちが世界中にいるかと思います。ですがこのOculus Questの発表で肩を落としているでしょうねぇ。残念。
触覚フィードバックは今後の課題?
とはいえ、ハンド・トラッキングではVR内で触れたものの感覚をフィードバックすることは出来ません。なので今後も、触感を手の甲から伝える独創的なハプティック・グローブ「DextrES」といったデバイスは作られ続け、映画『レディ・プレイヤー1』的なシステムが出てくるでしょうね。
Oculus Questの発売は2020年初頭を予定しているとのこと。開発者キットもリリースされるので、素手でVRを楽しむコンテンツがジャンジャン登場することでしょう。
2019年10月1日 訂正:当初ハンドトラッキングが搭載された新しいOculus Questが登場するかのようなタイトルで掲載しておりましたが、現行のQuestに対する機能追加となります。訂正してお詫びいたします。
Source: YouTube, Oclus Blog, facebook Artificial Inteligence